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3年目の開催!都知事杯オープンデータハッカソン

2021年から実施している「都知事杯オープンデータハッカソン」。2023年で3回目の開催となりました。

東京都では、行政データを積極的に公開し、シビックテックの方々等と協働して新たなサービスを創出することで、都民のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上につなげる取組を推進しています。都知事杯オープンデータハッカソンは、この取組を体現したものです。

この記事では、2023年度のハッカソンを振り返るとともに、3月16日に開催した成果発表会(Demo Day)の模様もお届けします。ぜひ実際に参加した気持ちでご覧ください!


2023年度を振り返る

■ 6月~:エントリー/約660名から応募!

もっと多くの方にご参加いただけるよう、2023年度はサービス開発を目指す「社会実装部門」に加え、オープンデータの活用等に関するアイデアを幅広く募る「アイデア提案部門」を新たに設けました。

ハッカソンへの参加を検討している方の中には、初参加で不安な方や取り組むテーマが具体的に決まっていない方もいらっしゃいます。そのような方々の不安を解消し、参加者の間口をもっと広げるため、参加者募集期間中にはプレイベントを4回開催しました。

プレイベントの様子

2022年度の受賞者による体験談や、「都・区市町村が抱える行政課題」「データ可視化など研究の最前線」「ビジネスでの活用事例」といった各テーマごとに専門家をお招きするなど、ハッカソンの具体的なイメージにつながるようなプログラム構成にしました。

プレイベントの様子はこちらからご覧ください。

また、台湾総統杯ハッカソンとの連携の一環として、オードリー・タン氏からも応援メッセージをいただきました。

シビックテックの方々のみならず、学生の方など幅広くたくさんの方にご興味・ご関心をもっていただき、2022年度の約1.5倍となる約660名の方々に応募をいただきました!

■ 8月~:キックオフ/72件ものプロトタイプが提案!

8月2日のキックオフイベントで、ついに2023年度のハッカソンがスタートしました。8月7日から19日の間にアイデアソンを計4回開催し、「まちづくり」「子育て」などをテーマにしたディスカッションやプロトタイプ開発に向けたチームビルディングを行いました。イベントを通じて、初対面でも同じ志をもつ方々がチームとなり、活発な意見交換がかわされるなど、課題解決に向けた熱い想いとアイデアが次々と生まれました!

ハッカソンプログラムの後半では、8月26日、27日の2日間に渡り、短期集中のプロトタイプ開発を行い、全部で72件の作品提案がありました。最終日のクロージングイベントでは、THE GUILD 代表の深津氏と審査委員の奥田氏による対談のほか、参加者のサービス提案へのフィードバックも行われ、お二人からのアドバイスに真剣に耳を傾けていました。

■ 10月:Final Stage/18チームによる最終決戦!

10月22日には、9月に実施したプレゼン大会(First Stage)を勝ち抜いたファイナリスト18チーム(社会実装部門15チーム、アイデア提案部門3チーム)による最終審査会(Final Stage)が開催されました。
「子育て」「環境」「データ整備」「AIの活用」など、多様なサービスが提案され、会場は終始熱気に包まれていました。

都知事杯(最優秀賞)には、当事者や支援者が、必要なときに必要な支援にアクセスするためのChat Botとシミュレーターである「支援みつもりヤドカリくん」(proj-inclusive×一般社団法人防窮研究所)が受賞を飾ったほか、オーディエンス賞と審査委員特別賞が選ばれました。審査委員のコメントにもありましたが、どのチームも甲乙をつけがたく、非常にレベルの高い戦いが繰り広げられました!

【受賞作品】
<都知事杯(最優秀賞)>
支援みつもりヤドカリくん(proj-inclusive×一般社団法人防窮研究所)

当事者や支援者が、必要なときに必要な支援にアクセスするためのChat Botとシミュレーター

<オーディエンス賞(一般視聴者賞)>
育児相談LINEbot 『キクゾー』(pH)
産後うつなど育児中の孤立を対話でケアし、地域でのサポートに手軽につながるサービス

<審査委員特別賞 行政ニーズ賞>
International Medical Aid(Inma)

外国人向けに医療機関毎の対応言語や言語サポート情報を提供し、コミュニティ形成を行うサービス

<審査委員特別賞 技術賞>
BuTTER(BuTTER)

リアルタイムで・参照しやすく・自動更新のバス時刻情報を、3行のコードを貼るだけでWebページへ埋め込み実装するサービス

<審査委員特別賞 ビジネス賞>
練馬区届出‧手続きガイド(Code for Nerima)
役所での手続きや届け出等を、OpenAIが提供するAPI を活用し自然言語入力で最適と思われる窓口へ案内するツール

<審査委員特別賞 デザイン賞>
かんすうやプロジェクト(東京福祉専門学校IT医療ソーシャルワーカー科)

オープンデータをエクセル等の表計算ソフトで簡易的に使えるよう関数化する「かんすうや」プロジェクト

審査委員特別賞 アイデア提案賞>
オープンデータの「宝探し」を終わらせよう!(VIZZIES)
オープンデータの使いにくさを解消するためのカタログサイトの可視化と、利用ノウハウ共有の場づくりの提案

Final Stage 出場18チームのプレゼンテーションはこちらをご覧ください。

■ 3月:Demo Day/そしてサービスリリースへ

ハッカソンはプレゼンだけでは終わりません。
10月のFinal Stageから約5カ月間、参加チームの皆さんは年度末までのサービスリリースを目指してプログラム開発などを進める一方、東京都も各チームを個別にサポートするなど伴走型支援を実施してきました。

そして3月16日、Demo Dayを迎えました!

当日のプレゼンでは、サービス紹介だけでなく、実際にサービスを使用する体験ができるようデモも披露され、Final Stageと比べ、どのチームもより実装段階に進んでいることを実感できました。また、「オープンデータはポテンシャルはあるものの、そのままだと探しづらい・扱いづらいため、可視化することで命が吹き込まれる」「オープンデータの形式はどうあるべきなのか?」といった問題が提起される場面もありました。

加えて、「Tokyo OSS Party!!」の受賞3チームも、開発成果のプレゼンを行いました。

【Tokyo OSS Party!!とは】
都内自治体が抱える地域課題に対し、シビックテックの方々が解決アイデアや解決に資するプログラム・サービス等を提案し、そのサービスのOSS(ソースコードが無償で公開され、利用や改変、再配布が自由に許可されているソフトウェア)化を目指すイベント

各チームのこれまでの取組の結果、Demo Dayの時点で8チームがサービスリリースを実現しています。

Demo Day当日の模様はアーカイブとして公開中です。

今後に向けて

今後もハッカソンにさらに多くの方にご参加いただき、オープンイノベーションを一層促進するため、参加者による自由な提案に加え、各局や区市町村の現場の課題を参加者に提示した上で、サービスを提案してもらう新たな取組を開始します。また、GovTech東京と連携して、技術支援を強化していきます。

今後も都知事杯オープンデータハッカソンをバージョンアップし、シビックテックの方々との協働を更に推進していきます!

2021年度、2022年度のイベントの様子は以下の記事をご覧ください。

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