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今でも色褪せない2D死にゲー!「ドンキーコングリターンズ」レビュー!
switchにて発売された「ドンキーコングリターンズHD」をレビューします。
一周したところ、「3DS版の内容(ワールド9及びモダンモードの追加)」を高解像度化したモノの様なので、基本的には「ドンキーコングリターンズ」のレビューとして書いていきます。
どんなゲーム?
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SFC時代のレア社から、「メトロイド プライム」等を開発したレトロスタジオに開発元を移したドンキーシリーズ。
本作はWiiで発売され、3DSで完全版としてブラッシュアップされた原作を、switchとしての操作性と解像度でリマスターした作品です。
SFCのレアドンキーと同じく2Dプラットフォームアクションですが、バランスやゲーム性は大きく変化しています。(後述)
死にゲープラットフォームとしての草分け!
レアドンキーとの大きな差別点は、プラットフォームアクションとしての難易度。
レアドンキーも当時の中でも難しいゲームと語り継がれて来ましたが、本作のそれはSFCの2・3でのロストワールドの難しさと比べても異質です。
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レアドンキーでは描きこまれたステージをじっくりと探索しつつゴールを目指すゲーム性でしたが、本作ではステージの崩壊や敵の攻撃を掻い潜ってゴールを目指すスタイルに変化。
いわば、アトラクション型プラットフォームに進化しました。
これにはSFCからWiiというハード進化もありますが、「NewマリオWii」や「星のカービィWii」の様に、10分内のステージに豊富なアイディアを注ぎ込むという、現代にも通じる任天堂アクションの思想が確立されたことも大きいと思います。
当然、ゲームスピードの加速化や即死ギミックの増加に伴い、プラットフォームとしての難易度は確実に上昇。
後半に至っては1ステージはおろか中継ポイントにたどり着くだけでも10以上の残機を溶かしていく羽目になります。
しかし、「殺し方」のほとんどは焦らせてから不意のミスにギミックを引っ掛けて殺す手口であり、慎重に状況を判断して動けば問題なく突破できるバランスとなっています。
最終盤始め一部のコースは、かなりシビアな操作を要求することもありますが、後述の残機調整のおかげでゲームオーバーの確率はかなり低く、トライアンドエラーに至る操作を退屈にさせない工夫も随所に施されています。
「一部のコースが不釣り合いに激ムズ」という、レアドンキーには散見された難易度曲線の乱れも少なく、高難度プラットフォームとしての調整は優秀であると言えるでしょう。
(残機の)物量で難所を押し切る強引?なバランス調整!
本作の…というかレトロドンキー(続編、トロピカルフリーズを含む)の大きな特徴として、残機の物量の凄まじさが挙げられます。
プラットフォームアクションの基本として残機性を採用している本作ですが、この残機の増え方が尋常ではないのです。
バナナ(100本で残機+1)の数が非常に多い
房バナナも非常に多い
残機アップのバルーンも比較的多い
コインの数もやっぱり多く、物価もかなり安い。なんと15コインで7バルーン!(オリジナルモード)
コインについては入手頻度も非常に多い。3連続で敵を踏めば1コインなのだが、そうした配置も頻繁に見られる
ボーナスステージでは、バナナやコインを大量に集められる
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凄まじい残機の物量のために、難所でガンガン溶かしてもガンガン補ってくれるという、血を吐きながら続ける悲しいマラソン凄まじいバランス調整が展開されます。
正直強引と言いたくなる節もありますが、これのおかげで難所に挑む精神的なハードルが大幅に低くなっていることは間違い無いと思います。
また、バランス調整云々を除いても、バナナやコインがジャラジャラと手に入る効果音は、アクションの楽しさを大きく伸ばしてくれています。
探索の導線は△。
レアドンキーがそうであるように、本作にもステージクリアとは別に、配置されたアイテムを収集するという探索要素が散りばめられています。
KONGパネル→エリア内の全てのコースでKONGパネルを揃えると、隠しステージが追加
パズルピース→コース内の全てのピースを集めると、設定資料(イラスト・フィギュア)などが解放。
このうち、KONGパネルは概ねステージ進行の傍に配置されており、回収の仕方が分からない、余程精緻に操作しないと回収できないと言った問題はありません。
しかし、パズルピースについては、収集のための導線がお粗末と感じる場面が少なくありません。
「ボーナスステージをクリアする」「スタート地点の左に隠されている」と言った初歩的な内容ならともかく、「配置されたバナナを全て回収する」「幾つもあるオブジェの中に隠されている」「タル大砲で一見明後日の方向に打ち出す」など、初見では気付きようがない、存在の匂わしがない奇抜な配置も少なくありません。
特にバナナ回収によるピースは、一度体験すると、後のステージでのバナナ配置が全て怪しく見える、回収せざるを得ないと言ったジレンマに襲われることになり、ゲームテンポを悪化させる一因となってしまっています。
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この問題はレトロドンキーのアトラクション要素と、負の相乗効果を成しています。
一発の入手チャンスを逃してしまうとどうしようもなく、回収のために自死してやり直し…と言ったことが頻繁に起こります。
幸い、KONGパネルと異なりパズルピースは一度入手して仕舞えば、ミス後も入手状況は引き継がれるので、ミス前提で入手するというゴリ押しもできるのですが…
探索要素とアクションのすり合わせについては、レアドンキーに劣ると言わざるを得ません。
今回のリマスターについて
巷でも指摘されているとおり、今回のswitchリマスターにおいては、原作および3DS版からの追加要素は殆どありません。
3DSでの追加要素、「モダンモード」でのアイテム持ち込みが9個になるという強化はあるものの、「トロピカルフリーズ」のswitch版の様な大きな変化はありません。
ただし、原作がWiiとだいぶ時期がずれていること、3DS版とは操作性や解像度がダンチであることから、(前二作が現役でない限りは)switchで買い直す意義はない、ということは起こり得ないと思います。
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まとめ!
SFC時代とは多くの部分が大きく変わったレトロドンキー。味付けの変化に好みの別れはありましょうが、現代アクションゲームにも決して劣らない完成度であると思います!
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ドンキーといえば最近USJにドンキーエリアが誕生したことが話題となっていますが、とうとう姿を現したswitch2を踏まえそろそろ完全新作が出てほしいところです。
個人的には、ドンキーコング64をブラッシュアップした3Dアクションを遊びたいっ!