映画「Walk up」を初めて見た夜(ネタバレなし)
walk up (意味) <…に>歩いていく(近寄る);階上へ歩いて上がる
今はただ、呆然としている。
ホン・サンス監督の映画は作品を重ねるごとに変化しているので手短に書けば、「次の朝は他人」と「それから」、最近の作品だと「あなたの顔の前に」などなど、全部あげればキリがないのだが(!)、「Walk up」はこれまでのサンス作品のエッセンスが凝縮しているし、こうして文章を書いている今、パンフレットを買ったのにも関わらず(関連書籍も本棚にあるというのに)、家に帰ってきて何も見ないで書いている。それくらい興奮しているし、何せ一番びっくりしている。「Wake up」は傑作だとおもう。
その「びっくり」の理由は、「構造」にあるのかもしれないし、「構図」(そのどれもが素晴らしいのだが)にあるのかもしれない。僕は映画を見て、映画館で「夢」を見ているのかもしれない、と思ったほどだ。ただ一つだけ言えるのは、僕が夜見る夢はこんなにきれいじゃない。「構造」という意味においても、「構図」という意味においても。
それはともかく、今回の「映画監督」はヘヒョさんが演じているのだが、役柄が違えど「それから」の続きにしか見えないし、「大家」の女性(名前は失念!)は「あなたの顔の前に」の続きにしか見えない。サンス作品を見れば見るほど本作は複雑さを増してくる。そんな映画だ。
(夕食後)
関連書籍をあたって書く気も起きない。何冊かのパンフレット、書籍は今はさして開く気も起きない。本作のパンフは開いてみたが、キム・ミニがプロデューサーとして関わっていること以外、目に留まらなかった。今はただ呆然としている。本作では、彼女は女優として出てこない。
全く何もかも、今夜の僕は呆然としすぎて、買い物も忘れ(ティッシュ!)、久しぶりにタワレコでCDを三枚ほど買った。さっきからくしゃみが止まらない。また何か別のアレルギーか?
今はもう、何も書く気が起きない。