早稲田大学法学部への転部試験に合格するために
私は早稲田大学法学部の転部試験を受験して合格しました。
私は一年生の時は人間科学部に在籍していました。正直、大学に入学する前は法学部に全く興味を抱かなかったのですが、夏休みを過ぎたあたりから、持病の関係で法律を学び、医療に携わる仕事がしたいと考えるようになり転部試験を受験することを決めました。持論として、本当に学びたい分野というのは大学入学後に見えてくるものだと思うので、そういった点で転学部というのは非常にありがたい制度ですし、利用しない手はないと個人的には思います。
前置きが長くなってしまい、申し訳ありません。みなさんが知りたいのは転部試験の具体的な試験内容や、どれほど志願者がいて合格者がいるのか、そして、どのような勉強をしたら転部試験に合格できるのかだと思います。
ではまず、学部のホームページでも確認できる情報は簡略化して書いておきます。(非常に簡略化しているので、必ず自身でも確認してください)
・出願要件
よく「成績は試験に影響しますか?」との質問を受けますが、これを見て分かる通り、成績を提示する時期は二次試験合格後です。つまり、合格後の転部するための要件として設けられているだけであって、成績は試験に影響しません。
・受験者数と合格者数
まず、受験者数と合格者数は学部のホームページで見ることができます。これをみて分かる通り相当厳しいです。合格者が0人の時もありますね。先輩の方によると転部試験は中退者の人員補充の意味もあると噂もありますが、本当のところはわかりません。現に、文学部や文化構想学部ではコンスタントに10人強が毎年合格されているので、そういった意味でも色々学部によって違うとしか断言できないと思います。
・試験内容
試験は一次試験と二次試験があり、一次はステートメントと呼ばれる書類審査で、二次は面接です。具体的にどのような内容だったかと言うと、
書類審査は上記の通り。
面接は最初に10分程度、新聞の切り抜きの記事を読み、その後どう思ったかについて答える、また、改めて志願理由などを聞かれるという内容でした。
新聞の記事は「センター試験で電卓を使った人や定規を使った人が規則違反で得点が無効になった」というような内容だったと思います。これについて、面接官の方が「電卓を使うのに比べて、定規を使っただけで無効になるのは可哀想ではないか?」というような趣旨の質問をしてきたので、「確かに電卓に比べ定規を使うというのはいくらか非難の度合いが減少していると思う。しかし、規則というのは受験生全員に平等に与えられているもので、そこから例外などを作ってしまえば公平性を欠いてしまう」というような返答をした覚えがあります。
自分は2018年合格者ですが、Twitterなどで調べて2016年の合格者の先輩にアドバイス等を貰っていました。以下に載せておきますが、2016年の時の試験内容も大体同じようでした。
合格するために
ここからが一番重要なことだと思います。では具体的にどのような勉強をすれば合格できるのか。私は半年前から法律の勉強や、自己分析をしていました。
ですが正直、法律の勉強は全く必要なかったです。最も重要な点は、上記の志願者数と合格者数の結果から分かる通り、一次試験のステートメントです。二次試験で落ちるのは少数でしょう。
ここからは推察ですが、なぜ他学部では筆記試験が行われているのに法学部ではステートメントなのか、それは法学部というのは「筆力」「論理的思考力」「リーガルマインド」といった力が必要だからです。つまり納得した文章が書けるのかという志願者の文章力を試しているのだと思います。しかも他学部の筆記試験の代わりになるようなレベルのものですので、数日程度でさっさと即席で作った文章では落ちるに決まっています。自分なりの転部へと心変わりした、納得するようなストーリーと文章構成力が必要なわけです。
そのために「自己分析」というのは欠かせません。上記の先輩のアドバイス通り、私も「絶対内定 自己分析とキャリアデザインの描き方」は一通りやりました。貴重な当時の先輩からのアドバイスも添付しておきますので、参考にしてください。(この方はその後アメリカの大学に留学し、大変ご活躍されています)
したがって、文章力や納得させる理由が求められているわけで、「中学時代は生徒会長で活躍した」や「部活動で最後までやり抜いた」等の自己アピールだけでは全く意味がないわけです。試験官からすると「では、なぜ早稲田大学の法学部に転部したいか」という点が重要なので。最後に合格レベルが分かるように、自分のステートメントを例として貼っておきます(少々恥ずかしいですが)。何かの参考になれば幸いです。個人的に「社会福祉法に興味があり、「菊池ゼミ」に入る→将来は法曹や公務員として働きたい」というストーリーを描けたのが良かったのではないかと思います。
仮に今自分が受験生に戻ったとしたら、ステートメントは「コロナ禍において会社の倒産が多い→早稲田法学部の◯◯ゼミに入りながら破産法や会社法を学んで、将来は弁護士として困っている人たちを支援したい」などと書くと思います。
また大きな声では言えませんが、既存の文章校正をしているサイトに依頼して、添削・推敲等をお願いするのもオススメです。法科大学院、法務研究科の入試の一つとして同様の「ステートメント」が慶応大学等で実施されていますが、そのようなサイトで依頼をされる受験生が多いそうです。
最後に
転部試験は併願可能な学部もあります。上記の先輩も文化構想学部と法学部を併願されていました。併願可能な学部と不可能な学部がありますので、個人で調べてみてください。自分は法学部以外に興味がなかったので併願はしませんでした。(そして、併願していると悪印象を持たれるかもしれないという思い込みもありました)
人間科学部時代の知り合いで、一人は上智大学に仮面合格し、一人は理工学部に行きました。大学入学後に学びたいことが変わったら、積極的に行動するべきです。もし倍率を見て、少し不安に思った方がいたら、上記のように併願されるのも選択肢の一つだと思います。戸山キャンパス(文・文構)の転部試験は、倍率を調べれば出てきますが、非常に合格しやすいです。蓋し、「法学部への転部試験は落ちて元々、受かればラッキー」程度の心構えが良いと思います。
ぜひ今の学部に不満がある方は、転部して新たな道を開拓していってください。何かこれ以外に質問があればいつでもTwitterのDMで聞きにきてください。
以上