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無視できの備忘録 #1
舞台監督から「脚本書き終わりました? そろそろ打ち合わせましょうか」と連絡を受け取ったのはいつだっただろう。調べたところ8月10日だったので、もう2週間ぐらい経ちました。
その時、舞台監督にはちょうど今日から書き始めたのでごめんなさいとお伝えして打ち合わせは延期に。物理的な時間の不足やちょっとした諸々が祟って書けなかったという言い訳もあるが、すっかり今が8月なのだということを理解していなかった。
2週間経過して書けたかと言うと書けていない現実。そりゃあ昨日、あと2日で締め切りですって言われるような夢を見るわけだ。
相関図はなんとなくではあるものの作りつつ、これだと物語が動かないというか、どうも足腰が重い。
前回も同じような悩みは書き始める前にぶつかった。主人公があまりにも受動的で動かないキャラだったからだ。これではいかんと思ってから能動的な社長という立ち位置にキャラをスライドさせた。もともとは社長兼プロデューサーの秘書という役柄だった。いや、それでも何とでもなるだろう。秘書でも能動的に動いてトラブル起こしてというコメディはできそうな気がするし、できただろう。
今回、『無視できない私の中の感情』はもともと去年上演するはずだった舞台で既に台本はあった。その時は笑い多めの作品をやるべきだろうこんな時期なんだからと思って書いたわけで。しかし同時に本当に上演できるんかこんな状況下でという悩みというか葛藤と言うか。そんなもやもやを一人抱えながら台本を書いた。そのもやもやと葛藤している精神状態であったことは台本を読み返すとわかる。
さて、その台本を使って今年11月延期となった無視できをやるかとなったとき、むくむくと沸き起こる「?」が。。。
笑える作品はもう前回公演で役割を果たした。じゃあ、今日常を取り戻す、日常に戻るための作品をやるのがいいのではないだろうか。
私の戯曲は昔から変わらない。『どんなに辛くて悲しい出来事があったとしてもそれは永続的ではなく、笑いでコーティングして伝え(上演し)たい』である。セブポイはいつもよりは笑いのコーティング厚めでお届けしましたが、劇中で起きていることって笑えない状況・環境でした。関係の再構築、清算。前へ進む力、だけど人はそこまで強くない。
さてさて、今回私はとある映画(まあDVDなんですけどね)を観て、こういうのやりたいんだよねぇという感覚を得ました。作品は『リンダリンダリンダ』という青春映画なんですけど、私は評価以上に好きな作品の部類に入りました。心地いい青春映画は何度観ても感動します。よくわからないシーンや無理やりだなと思うシーンもあるんですけど、青春映画が持っているこの場にいたいと思わせる空気がそこにはあったんです。
とはいえ、この映画的なやつをやろうとするとなるとなかなかに難しい。まず文化祭のライブシーン(これは去年書いた台本にはありました。今だったら書かないなきっと)。舞台でやるとなると文化祭を観ている客(学生とか先生とか)を配置するとしても頑張って兼役で8人とか9人とかですかね。あるいは舞台袖から見守っているという体でやるかなぁ(これは去年書いた台本にあったと思う)。あとは劇場に来られているお客様を巻き込んでのライブシーンとか(これはさすがに進行が予測できないこともあって難しいか。フラットの客席とかなら。。。こんなご時世でなければ歓声ぐらいは入れてくださいってお願いしてやるとかか)。
今書き終わっているのが6ページぐらいで。あと60ページぐらい書く必要があって。今出てきているキャラが3人だけで。結構序盤を丁寧にセットアップしすぎている感は否めないがこの作品はその構成でもありなんじゃないかって思ったり、いや待てよとブレーキを踏んだりの繰り返しで6ページ。行きつ戻りつで削ったり書いたり書き直したり、語尾を変えたり、ト書きを見直したり、一文字一文字に対してのトライアンドエラー。眠りにつくまで今日書き終えた部分を映像で頭の中で再生して問題ないか、じゃあ続きはどうなるのか、次のシーンには誰が出てくるのか、早替えは間に合うのか、3秒で早替えしてくれって言ったらやってくれるのか、、、考えていると朝になっているのは不思議な現象だ。
そういえばワクチン接種の2回目が来週で、1回目での副反応があったこともあり正直仕事できるかなと思っているわけで、そうなると残り5日でひとまず書き終える必要がある。推敲に関しては私の場合書きながら直してしまう(これはあまり推奨されていないらしい)ので、書き終えた段階で普通に14稿ぐらいにはなっている。まるっと半分原稿を削除したりもしているので初稿からみると全く違うものが出来上がる場合もある。今書いているものが最終稿(稽古台本)時にあるのかというと私もわからないのだが。
前回よりは笑いは少ないと言い続けているが、本当にそうなるかもわからないっちゃわからない。その前のハルナツや今日はじといった作品はどうやって書いていただろうか。
今はただただ思ったことなどを付箋に書いて壁に貼り続けている。壁は黄色の付箋で埋まった。剥がしては新しい付箋を貼る。順番を入れ替える。そういえばむかし幸せの黄色いリボンという歌があったことを不図思い出す。