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丸尾妙、あと少しだけでいいから
丸尾妙は岡森黎さん(空チーム)/夏瀬ゆのさん(海チーム)が演じる役の名前です。彼女のことを語るには関浩というパートナーについても触れる必要があるが、まずは彼女のことを。
家に居場所がないという点では小日向美舞と同じかもしれない。妙の場合は、両親からの締め付けが厳しい環境だったことが大きい。箱入り娘と言ってしまえばそれまでだが、優しく育てたつもりが、どこかで彼女から自由を奪い、親の言うままに生きさせようとする力が働いていた、それは彼女の親の罪ではなく、ちょっとしたかけちがえたボタンである。話し合っていればこういう人生ではなかったかもしれない。しかし、かもしれないという話をしても致し方ない。
家出少女となった彼女が街に飛び出して居場所を見つけられたかというとそうでもない。危険な目にも遭ったことだろう。ギリギリセーフではなくギリギリアウトのような目にも遭ったはずである。それでも彼女は生きる、生きる強さがある。死にたいとは思うことはない。なんで私が死ぬ必要があるのよ、と言ってしまえるだけの強さを彼女は持っている。
そんな日々を生きる中で彼女は関浩に出会う。その出会いが与えた影響は妙にだけではなく、浩にも与えるものだったはず。
誰かに求められ、必要だと言われ、愛していると家族にも言ってもらえない環境で生きてきた彼女にとって、浩は不器用な愛を見せながらもただ妙を見つめる。求める。それは彼女にとっての救いとなる。どんなに前に向かって、強く生きたとしても一人では折れる瞬間が訪れる、訪れたはずだ。もしもあのまま一人で生きていたら。。。
愛を伝えるのが苦手で、不器用なのは浩だけではない。むしろ妙もそうだ。妙のほうが不器用と言っても過言ではない。想いを伝えるのが不器用なカップルという印象が強い。言わなくてもいいだろう、言わなくてもいいでしょ。
私、ちゃんと愛してるよ、愛せてるよとは言っても、それが通じているかどうか。多分その不器用さを浩はわかってくれる、察してくれるから一緒にいるのだろう。どんなに周りがハラハラ、ドキドキ、おせっかい焼きたくなるような心境だったとしても。
人生は長い、だからいつか、またいつかと言って機会を先に先にと伸ばしていく。それが大きな後悔を生み出すこともある。
明日、あなたの人生は終わります、と言われたらいい、わけじゃないけれど、終わりがわかって生きている人なんていない。だから人生は面白い、しっかりと生きたくなる。
いつもは言えない言葉、「ありがとう」。短い言葉だけれど、それを伝える、口にするということはなかなかに難しい。妙にとって長年人生をともにした浩には特に。それをこの物語の中でやってのける彼女には極めて、いうべき事情があった。
時折見ていて、切なくなるものの、応援したくなる純粋なカップル、でも中身はおじいちゃんとおばあちゃん、チャーミーグリーンである(分かる人には分かるやつ)。