無視できの備忘録 #4
気づかないうちに夏が終わろうとしている。オリンピックってやってました?ぐらいに疎い私ですが、スイーツでは既に芋とか栗とかが出始めていることは知っています。
あまり歌詞を歌い上げる音楽、邦楽は物を書きながらはしないのですが、歌唱シーンがある、想定しているのは主人公・三原桜が一曲、桜の親友・川島楓が一曲を歌う。昨年書いていた脚本通りにはいかないことはこの数日の筆の運びでわかったわけで。じゃあ、どのタイミングで歌うのか、それはもう少し進んでからわかることだろう。ただし想定しているのは真ん中と終りに近いころに一曲ずつというイメージではいる。
昨年書き上げた台本上は本当に最後、歌って終わるようなそんなシーンにしていたようにも記憶している。これは今の段階ではやらないだろうと思っているがどうしたら突然歌い出さない、自然に歌が物語に絡むように物語を展開できるのか、そればかりに悩まされている。いや、そればかりではないが、今回の悩みの大きな部分を占めるのは確かだ。
先程まで、あーでもないこーでもないと書いては消してを繰り返しながら、構成を見直しながら、このシーンはここに入れられないのかとか、そうした方が役者が出たり入ったりと忙しくなくできるのではと思い、頭の中でシミュレーションしてみたがだめだった。照明でなんとか違和感なく、音楽を入れて違和感なくとか模索してもだめだった。そういう場合は無理なのだ。
その流れで思いついたシーンが有り、これはうまくはまりそうだがまだ文字にはしていない。ひとまず今日の振り返りをしつつnoteに来たわけである。これを公開したらすぐに脚本に付け加えるとしよう。シーン0。久しぶりにその数字を持ったシーンを入れるような気がしている。いやそうでもないのか。昨年上演したハルナツで入れただろうか。調べてみたところハルナツはシーン1からであった。なので一昨年上演した『今日はじ』以来のシーン0である。
シーン0として今回付け加えようとしているシーンは基本的には数名が舞台上にいるシーンになるだろう。ただしサイレントで物事は運ぶ。舞台上にいる面々は2つの場所の同時間帯での出来事として演じられる。桜、そして楓がある時ある場所で遭遇した出来事。
今日は楓と桜が会話をしている最初のシーンを書いた。高校を卒業して暫くの間二人は別々の道を歩いていたが、今再び同じ場所にいる。しかしそれは同じ道ではない。ただ同じ場所にいるだけである。関係性はこの数年の間に変わってしまったのだ。それを二人共しっかりとわかっており、それが少なくとも寂しさと諦めとともに感じている。
川島楓という人物についてはある程度、明確なキャラクター像が出来つつある。もともとはっきりしていたものがより鮮明にはなってきている。物語上、高校卒業するまでの楓と卒業したあとの楓はベースとなる性格は同じだが、卒業後の彼女の人生を考えると同じままとは言い切れない。夢をもって東京に出てきたのに、東京で頑張ろうと思って地元にいたときからバイトなどで貯めていたお金をすべて失うという事件に遭遇する。もしかしたらこれはネタバレなのかもしれないが、まだ書き終わっていない話なのだからネタバレもなにもない。そしてその事件はあくまでひとつのきっかけであり、どこまで舞台で描くかもまだ決めていない。もしかしたら事件についてはサラッと流してしまうかもしれないし、流すほどにも書かないかもしれない。「東京で何かがあったんだなぁ」と思えるような描写はあるかもしれないが。
もう一つ人格形成の部分で言えば、楓は高校卒業後、東京に出て、なにかがあって、刑務所に収監される。人生はやり直せる。いつでもリスタートできる。というポジティブな言葉もあるが、彼女が犯した罪と前科というどこまでもつきまとう事実は何をしたとしても払拭することは出来ないように思う。もちろん刑務所で罪に服して、更生したのだから、という考えもできるだろう。じゃあ、その被害者はどうなるのだろうか。。。その被害者がテレビを見ていて、加害者である人物が活躍しているのを見かけたとしたら。
楓を描く場合に難しいと思っているのはその部分である。罪を償ったと言えなくもないが、何かもやもやとさせるものがある。。。社会的制裁とは、更生の機会とは、、、
高校時代から男女関係なく少々言葉遣いは乱暴?とまでは言わないが、物怖じせずにハキハキとした部分もあり、少女より少年のような印象もある。殺伐とした世界を生きて、その部分は助長されたようにも思う。しかしやりすぎるとキャラクターが一気にリアルを離れそうになるが、ではリアルとはなんだろうか。この世界のすべての人と話したこともないのだから、もしかしたらこういう人間も世界のどこかにはいるのではないだろうか。キャラクターを書く時に思うのはいつもそういうことだ。喋り方、動き方、行動、思考、、、その人らしいとは?
随分昔に見て、好きな映画の一つでもあるが、『ブルース・ブラザーズ』は刑務所からジェイク(ジョン・ベルーシ)が出てきて、それを出迎えるエルウッド(ダン・エイクロイド)というシーンから始まる。何度かそういうシーンを頭に描いたのだが、舞台上で表現する場合になかなかに難しい。もちろんやり方はいくつかあるが、今回は見送ることとした。インスパイア、オマージュ、パロディという形でいずれやってみたいシーンではある。その場合は刑務所ではなく違う何か、違うどこかとするかな。
そんな事を考えているとブルース・ブラザーズを久しぶりに観たくなったが、残されている執筆時間はそこまで多くないため今は我慢する。