天使は嘘をつけない #あな空
あまりファンタジーな物語を書いた記憶がなくて、そう言いながらもタイムマシーンとか幽霊とか浦島太郎とかを扱った題材を不意に思い出して、あれはファンタジーかもしれんと思うこともあったりします。
今回の物語は神様こそ出て来ないものの、黒電話を天使に届けさせる神様という存在がいて、天使は人間との仲介を行う明らかにファンタジー寄りの物語になっています。
登場する天使は計2名。悠と茘枝。今回は結城美優さん演じる茘枝について少しコメントを書かせていただきます。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。
※結城さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでください。
茘枝という名前にした理由はもう覚えておりませんが、当初はユウとライチという名前にする予定だったような、そんなうっすらした記憶があります。恐らく漢字はないかと探していき茘枝になったのではと(うろ覚えなのでなんとでも言えます)。
子供みたいで自身の感情が優先されて、神様からの仕事も投げやりなところがあって、ささっと済ませて帰りたいと思う天使。意外としっかりしていてしていない悠と、悠にいつも怒られてふてくされる事が多い茘枝の組み合わせは見ていて欠けたところを補い合っているそんな存在に見えます。神様ももしかしたら見越して組ませたのではないかと思いつつ、面倒くさい者同士、余り者同士で組ませたとかも大いに有り得るわけで。
天使のお仕事にはいくつかありますが、下記のような仕事が主となります。
1.天使がやっている仕事には死者をあの世に連れて行く役割
2.神様の仕事を手伝う天使に準ずる役割を担う人間を連れ帰る役割
悠と茘枝は2の役割を担います。どっちの仕事が良いか、どっちの役割を持った天使が来たら良いかというとどっちも嫌ですね、正直。
でもこの2人って来られたときは正直なんだろうかと思うことも多いですけど、不思議と嫌な気持ちにならないんですよね。まあ大切な人との別れを齎す存在なんですが。茘枝の無邪気さやその読めない言動が緩衝材になっている気もします。これが悠だけだったらと思うと、これが偶然だとしても組ませた神様のしたり顔を思い浮かべるのは容易です。
茘枝を演じる結城さんとは「セーブポイントからもう一度」以来の2回目になりますが、前回よりもお話する機会が多い現場の気もします、気のせいかもしれませんが。話をしている時に不意に感じる茘枝感。仮に僕がキャスティングを請け負っていたとして誰にこの役をお願いするだろうかと想像すると、きっと結城さんなんだろうと思うわけです。それほどまでにしっくりくる役と役者。本人はきっと全然違うって言うでしょうけど。とても芝居づくりに対して真面目でロジカルで、考えて、積み上げて、人のこともよく見ていて、すぐ動いて。通し時にあるシーンで上手奥に黒電話があるとスムーズだと思った時にはもう動いているぐらいに先読みできて、気配り出来る人。脱帽です。この座組にいてくれたことに感謝。
茘枝はきっと悠が地上の本屋で時間を潰している間、お笑いライブとかを観に行くことで時間を潰していたりするんじゃないかって思う今日このごろ。そういうのがちらほらシーンで出てきます。
破天荒な天使に見せつつも、不意に見せる天使の横顔に、面倒くさい面倒くさい、やだーやだーと言いながらも人間のことを嫌いじゃないんだなと思ったりもします。愛されるキャラには違いない。是非劇場にそんな姿を観に来て下さいませ。
公演詳細
公演情報は劇団Twitterから