授業動画を撮る際に心がけていること
反転授業について,一人の実践者として語っていきます。主観を多分に含んでいるため,注意して読んでください。
そもそも授業動画の需要はどこにある?
私の視聴者層の大部分を占めるのが,コンテンツ消費を生活の基盤とするZ世代(今の高校生くらい)です。Z世代は,
できるだけ少ない時間で最大の成果を得たい
という特徴があります。昨今の動画コンテンツの流れとして,10分〜30分の長尺の動画より,TikTok,YouTubeShort を始めとする1分程度の動画が好まれる傾向にあります。この点,主観で考えていますが,そこまで見当外れではないと思います。ドラマや映画でも,全部を見ずに,飛ばし見やあらすじをまとめた動画を見るというのも,よく聞きますね。
それだけコンテンツにあふれている世の中
を,限られた時間で消費しなければならない以上
できるだけ少ない時間で最大の成果を得たい
というのは当然の帰結のようにも考えられます。
授業動画を取る際に心がけていること
今のZ世代に見てもらうために,授業動画で考えているのは
① できるだけ端的に,10分以内にまとめる
ということです。これは,動画を編集した結果10分以内という意味であって,実際の収録時間はそれ以上かかります。生徒たちに何度かアンケートを取った結果からも,やはりこのくらいが最適のようです。たとえ20分の動画にしかならない場合であっても,編集で2つに分割して,10分以内に収める工夫が必要です。
また,端的にまとめることも大切です。冗長になる場合,何度も撮り直してシンプルに説明するようにしています。ですので,たとえ10分の動画を作るとしても収録時間が60分になることは,ザラにあります。
念のため補足しておくと,私の視聴ターゲットとなる高校生が,10分以内の動画を好むという想定をしているだけであって,説明の丁寧な長尺の動画を否定しているわけではありません。授業であるからこそ,丁寧な説明が求められる場合もありますし,あえて長尺の動画を作る場合もあると思います。なんだかんだ動画(授業)で大事なのは,中身です。
次に,授業動画をストレスなく見てもらうために心がけているのが
② 「え〜」「あ〜」「まぁ〜」などの口癖を言わない
ということです。授業のように,対面で発する分には気にもならないですが,動画となると結構耳障りです。これは,動画の編集でごまかせる部分でもありますが,収録の段階で極力言わないようにしています。
最後に,動画の印象をよく見せるために心がけているのが
③ 明るくハキハキと話す
ということです。教室だと声を届かせるために,自然と明るくハキハキと話しますが,動画を一人で収録するとなると,そうともいきません。強く意識しないと,ボソボソと話してしまいがちです。視聴者的には明るくハキハキと話す授業動画を好むと思いますので,強く心がけるようにしています。
さて,今回は動画を撮る際に心がけていることについて話しました。次回は動画の収録の技術的な話をしようと思います。
それでは,また。