誘発デッキとしてのプランキッズ
改定まで一週間となったので、今期ずっと使用していたプランキッズの考察を記事としてまとめておきます。現在の構築がこちらです。
あまり見ない構築だと思うので、興味がわいた方は、最後まで読んでいただけると幸いです。
最後の一部分以外無料で読めますが、考えの助けとなったと感じた方は、購入していただけると今後の励みになるので、よろしくお願いします。
(※本記事内では、プランキッズの名称を色や動物名で省略しています)
プランキッズの問題点
おそらく多くの人がそうであったと思いますが、私もミューのリリースにより、プランキッズというデッキに対して、多分にポテンシャルを感じた一人でした。それは、「一枚初動16枚(テラフォのみの場合)」、「サンダーボルト2発」というypであれば、誰でも構築を模索してみたくなるうまみによるところが大きかったです。しかし、実際に使ってみると、問題点が多くあることに気づき、それが、Tier1とは言い難いプランキッズの現状に大きく関係していると感じました。
主観にはなりますが、CS層のプランキッズの構築の大枠は、今期通して大きな変化はないように感じています。(大暴走の枚数、141の有無など、特徴は様々ありますが)
自分が強そうだと感じ、最初期に参考にさせていただいた構築は、ハウスのみ2枚に抑え、他の初動はフルで詰んでおり、融合3枚に、沼地の魔神王3枚まで投入された形でした。その方の構築にも言えることですが、約15枚程度の一枚初動に、指名者6枚、誘発約9枚が、自分が目を通したほぼ全ての構築に採用されていました。
十二獣(ブルホーンありの方)や転生、閃刀姫など、一枚初動を多く有するデッキが好きだった自分も、例に漏れず、初動をマックスに近い枚数で採用し、構築をスタートさせました。ですが、ここにプランキッズの問題点の一つが存在していると感じました。
問題点1:一枚初動が被っても特に強いことは起きない
ここが、過去環境の一枚初動デッキと大きく異なる部分であると感じます。例えば十二獣は、初動が被ると、展開の過程でサラブレードを用いてドローに変換したり、トーテムバードを添えたりできました。転生は罠を構えたり、ランク4に向かったりすることができます。しかし、プランキッズは、初動2枚以上が被っても、特に強い展開をすることはできません。ここを解決するため、融合の採用は非常に理にかなっていると感じました。融合を含めた2~3枚での展開であれば、餅や深淵など、そこそこ協力な展開をすることができます。
自分も、こういった融合搭載を軸とした形を様々試しました。ですが、使っている内に、一枚初動デッキの利点を消してしまっていないか?と感じるようになりました。
それをまず感じたのは、プランキッズがギミックではケアできない誘発、うららやGが直撃した時でした。指名者はこれらを直接回避してくれますが、融合でうららを貫通する際は、もう一枚プランキッズを要求します。Gには何のアプローチももたらしません。つまり、融合をうららの貫通札として捉える際には、太めのギミックで押すような構築が前提とされるわけです。自分は、一枚初動デッキの利点は、自由枠の多さが生み出す高い対応力にあると考えているため、この点においては、融合の採用は少し矛盾してしまいます。
融合を軸とした構築は、理にかなっていましたが、自分が求めていた一枚初動デッキとは少し異なった性質を持っていました。
問題点1を改善するため、自分が行ったアプローチは、初動を抑え、テラフォーミング、盆回しのみから融合にタッチできる構築です。これは、再生機構が実現してくれます。
この段階から、現在のような、プランキッズを各2枚に抑えた変わった構築を試すようになりました。
再生機構は、コストがある分、融合よりは重いですが、先行で使う分には、損失がエンドに帰ってくるため、それほど気にはなりませんでした。また、相手ターンで融合した際も墓地から拾えるため、維持できればさらにリターンの大きいカードであると思います。
テラフォーミング、盆回しから触る用に、これを2枚と融合(1枚or2枚)を採用しました。最初は、テラフォーミング、盆回しに択を持たすことができるのが、なにより強いと思ったのですが、自分のようなプランキッズを2枚に抑えた構築だとどうしても、融合に触りたいことよりも、ハンドでこれらが浮いてしまったり、超雷でハンデスになったりすることの方が多かったりと、かなり微妙でした。
この段階で、自分の中のプランキッズの理想形は、最低限の初動+攻め手になるギミック外のカード+誘発+指名者、という考えにいたりました。
したがって、これらに当てはまらない融合は抜けていきました。このギミック外の攻め手は、かなりいろいろ試しました。以下が試したカードの一部です。
・141(スキッパーエクシード)、強貪、エンゲージビットドラグーン、三戦、一滴、アルファ、パンクラ、ファンタ
自分が求めていたものは、G、うららに対するアプローチが、少しでもよいのであることと、先後のムラがないことでしたが、結論から言うと、そんな都合のいいカードはほとんどなかったです。
この点では一滴が最も目的に則したカードであると思い、多くの人がそうであるように、自分も3投を長く試しました。しかし、次第に、自分の構築の上では、かなり微妙なカードだと感じるようになりました。
それは、他デッキに比べ、このカードのもたらす付加価値が少ないことに起因します。
オルフェゴールのように、コストにバリューがあるわけでもなく、閃刀姫のように魔法であることに利点があるわけでもない。また、召喚ドラグマのようにコストを用意しやすいわけでもありません。
先置きする際も決して使いやすいとはいえなかったです。
シェアの多いサンドラや召喚ドラグマなどに対し、ワンキルしやすいデッキではないので、打ったはいいが返しのリソースがさばけず負けてしまう試合が多く、強く使えていないなと感じました。
具体的には、ギミックで雷龍融合に触れることができない、メルカバーがきついため先に打たなければならないが、その後に出てくるミドラーシュに対応できない、といった点が一滴を強く使いにくい理由かなと感じました。
召喚ドラグマがトップシェアである限りは、一滴による捲りを軸に据えるより、有効な誘発(ヴェーラーなど)を優先したいと感じました。オルフェゴールに対しても、墓地リソースに触れない上ワンキルもできないので、ドラグマ同様、回らせてはいけないと思います。
したがって、自分は、三戦のリスクを背負ってでも、一滴でまくるよりも誘発(ファンタ、ヴェーラー)を優先させたいと感じました。
誘発のチョイスについて
これら2種以外の、さよしぐれ、クロウ、マイスター、ノーマテリアなどは、意識したいオルフェ、召喚ドラグマ、サンドラに対し、どれかにムラが生まれてしまいます。
ファンタズメイは、以前よりサンドラ相手に、打ちにくくはない誘発になっていると思います。また、オルターに対しても、疑似リンクロス型が多いのであれば打ちやすいのも大きいです。このカードは現在の構築において重要な役割を担っています。それは、誘発でありながら、初動の採用枚数を増やさずに、初動になってくれる可能性のあるカードだからです。また、出せれば、パニッシュメントに対しても、多少抗うこともできます。
わらしとロンギヌスは、かなりいい線いっていると思いました。しかし、プランキッズはパニッシュメント、メルカバーの両方が重いため、ドラグマ、召喚の両要素に触れることは重要であり、わらしはドラグマ要素に触れないことが気になりました。また、オルフェのギミックに対しても微妙なのがネックです。
ロンギヌスは、プランキッズがワンキルできない上、ギミックで墓地リソースに触れないことが気になり、試しましたが採用を見送りました。負け筋の犬への墓穴もついでに消せるのは偉かったですが、ミューも除外できなくなるため、バトラーを2発撃てない(一滴、アンカーが重くなる)のも気になりました。
プランキッズのファンタやヴェーラーは、プランクのドローのバリューを上げることができる利点もあるので、今の誘発の選択は、かなり気に入っています。
問題点2:ニビル
効果を覚え、様々な構築を参考にしていた時期、プランキッズに対して、私が最も強く感じた感想は、「ニビルってどうすんだ!???」でした。ほとんど全ての人が、サイドにニビルを採用して、抹殺で弾けるようにはされていました。黄色のマリガン込みでも、引けない時は、割り切らなければいけないのは当然として、自分も試したのですが、この方法だけにニビルへの対応を任せるのは、少し問題が多いアプローチだなと感じました。それは、以下の2点のためです。
・抹殺を置くことができないこと
これは、プランキッズに対しては、メイン終了でのニビルがマストになることが多いためです。メイン終了にニビルがなかった場合、そのまま抹殺をハンドに抱えたまま、ターンを渡すことになります。プランキッズというデッキが、回れば勝ちのデッキであれば、この状態でも問題はないです。しかしそうではないため、相手にGもうららもない場合、また、相手ターンでの犬への墓穴が直撃しない場合、こういったケースでは、積極的に抹殺は黄色でマリガンして有効牌に変換したいです。
・ニビルが有効でない対面相手でも、それを入れなければいけないこと
罠デッキやサンドラ、召喚ドラグマに対しても、先でニビルを入れることを強要されてしまいます。有効でない相手に対しては、ニビルはもちろん一枚だけに抑えたいですが、そうすると黄色のマリガンで引いてしまう裏目も高い確率ではありませんが、出てきてしまいます。
これらのデメリットが、デッキの性質上重いなと感じ、サイド後のニビルに対しての別のアプローチを探しました。そして現在のサイドドラグーンプランに落ち着きました。
ドラグーンについて
サイドのドラグーンギミックは、主に先行の際、ニビルをギミックでケアできるようになるためのものです。プランキッズがギミックでニビルをケアできるのは、融合+2枚などで先にロケットを融合召喚し、特殊召喚回数を調整し、餅カエルに向かうなど、非常に要求値が高い上、自分の構築では、融合を前提としていないため、別のケア方法を考える必要がありました。
ドラグーンギミックを搭載することで、サイド3枠、エクストラ4枠を犠牲に、メインギミックで、ニビルをケアできるようになります。
要求値はプランキッズカード2枚で、黄色のマリガンこみで考えると、大分ハードルは下がったと言えます。
具体的には、プランクのトークン生成を温存し、犬に向かわず、メイン終了を宣言するというものです。これでもバトラーは構えることができる上、ニビルを貰った場合も、相手に3000バーン入れた上で、ドラグーンを妨害として置くことができます。また、Gを持っている場合、ニビルにチェーンすれば2ドローできるため、そこでプランキッズカードを引いても間に合います。
枠はとりますが、現在の群雄割拠した環境、ニビルの採用率を考慮すると、明らかな負け筋を潰せるギミックとして採用すべきであると考えました。
またドラグーンは、プランキッズにはできない、理不尽を押し付けるカードであるため、違うベクトルの勝ち筋を作ることができ、非常に使用感はよかったです。
もちろん最初はメインデッキから試しましたが、ゴミが少ないというプランキッズの利点を消してしまう上、ニビルがないのであれば明確に必要な場面も多くはないため、サイドに落ち着きました。
エンゲージビットも試しましが、絶対先打ちしないといけない上、黄色で引いて腐るなど、エンゲージが絶妙に使いにくく、断念しました。
メインの神について
自分の考えるプランキッズの理想形は、
最低限の初動+攻め手になるギミック外のカード+誘発+指名者
であると述べましたが、メインの通告×3と、宣告×2は、これに当てはまりません。なぜこの枠を、先と後の両方で使える可能性のある三戦や一滴にしないのかは、サイドとの兼ね合いと、ムラによるところが大きいです。一滴についてはある程度述べましたが、三戦もまた、思考停止で採用できるカードではありません。G、うららに対しての対抗策であり、まくりにも貢献するこのカードを自分はわりと高く評価しており、長期間3投を試しました。しかし使ってみると、難儀なカードだなと感じることも多くありました。それは、まくりに貢献するという認識が、当てはまらないケースが存在したためです。
例えば以下のようなよくある状況です。
・超雷単騎
メインギミックで超雷を綺麗に超える術はないため、ヴェーラーを投げて貰うなど、相手依存になる。
・メルカバー、伏せにシャドールーク
ミドラーシュが重いため、メルカバーを使って貰えないケースも多い。
決まればもちろん強いですが、このようなムラに、強くリスクを感じ、メインデッキには一枚の採用になっています。
もっとまくりに絡むようないいカードがあれば、神の5枠は変えたい部分ではあります。ですが、様々試しましたが、自分は納得のいくカードを見つけることができませんでした。なので、誘発で弱らせた状態や、遅いデッキ相手には後手からでも機能しやすい通告と、負け筋の犬への墓穴や一滴、三戦などを弾ける可能性のある宣告を採用しました。
サイド後は常にニビルに怯えるゲームになるため、通告はかなり使い勝手がよかったです。また、バトラーが有効でない閃刀姫に対しても、使いやすかったです。
この構築の利点
ギミックを抑え、誘発を多く採用することで、普通のプランキッズより、黄色とプランクを強く使うことができます。また、リソース管理はよりシビアになりますが、対応力、柔軟性を高めることはできると思います。
終わりに
今期は、サンドラ、召喚ドラグマ、オルフェゴールを仮想敵に置き、考察をスタートさせました。なので、わりと最近シェアが伸びた十二獣やシャドール、また罠デッキに対しては、特に考えが足りていない部分が多くあったと思います。エクストラのハリファイバーの枠や、サイドの細かい部分の採択など、考えられる要素はまだまだあると思います。こういう構築もあるんだと、興味を持っていただけたら、試していただけると嬉しいです。
ご精読ありがとうございました。
3デッキに対する現在行っているサイドチェンジ
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