結婚式の思い出
だいたい毎晩お酒を飲む。
妻もなかなかの酒豪だ。
40代も半ばになり、お互いだいたい弱くなってきているが。
夜ごはんを家族で食べると、だいたい娘が先にご馳走様をしてYouTubeを見出す。
僕と妻は自分たちの食事が終わるまでの間、お酒を飲みながら、いろんな話をするのが習慣になってきた。
(まぁ、30分くらいだろうか)
今日は、僕らの結婚式の話になった。
僕らが結婚式を挙げたのは、2002年の3月末。
その年は桜の開花が異常に早く、満開だったのをよく覚えている。
準備が本当に大変だった。
会場をどうするか、食事をどうするか、衣装をどうするか、引き出物をどうするか、装花をどうするか、出し物をどうするか、音楽をどうするか。
それぞれにそれなりのお金が当然かかるわけだが、なぜだか僕らは金銭的な感覚がなかった。
節約しようとかそういう感覚がなかったのだ。
相場観もよく分からなかったし、言われた値段で、そんなにかかるものなんだなと思ったくらいでなんの疑問も持たなかった。
(いいカモだ)
妻の衣装だけでうん十万いったんじゃなかろうか。
僕の衣装はそのおまけでタダだった。
(結婚式における男なんておまけみたいなものだ)
しかも僕は前の年の9月に、会社をやめフリーになったばかり。
だが、逆にこれが良かったのだ。
フリーになると、収入は毎月の給料だけということではなくなり、それなりに稼げるようになっていたのだった。
会社員のままだったら、支払うことはできなかっただろう。
式の費用はかなりの金額になったと思う。
その話を父にしたら、お前、年収を一日でぶっ飛ばしてどういうつもりだと言われた。
確かにその通りだなと思った。
今、思うとよく挙げられたものだよなぁ。
その費用を全て振り込んだら、通帳にほとんどお金がなくなったのをよく覚えている。
それでも、何も怖くなかったなぁ。
これからもっと稼げると、なぜか思っていた。
若さゆえにできることだ。
そうしてもう15年経った。
今言えることは、1ミリもまったく後悔していないということだ。
そんなことを、今日は妻と話したのだった。