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定常波

僕の中でずっと記憶に残っている
高校2年生のときの物理の授業がある。

このときの物理の先生が、
僕は本当に好きだった。
公式を覚えさせるのではなく、
どうしてこういう数式が成立するのか、
その原理を教えてくれるのだ。

その日は、定常波の授業だった。
定常波とは、互いに逆向きの
波と波がぶつかったとき、
あたかも、その場で振動しているかのように
見える現象のことだ。

いつものように、ひとしきり
定常波の原理を説明してくれ、
とある式が導き出された。
それは、定常波の山の数がいくつできるかを
表すシンプルな式だった。

先生は、長く伸びるバネ状の紐(?)を
とり出し、生徒にその一方を持たせる。
そして、もう一方を先生が持って
黒板の端と端に立つ。

「では、定常波を作ってみましょう。」

先生がバネ状の紐をゆっくり揺らす。
定常波の山が1つできる。

「この式によると、周波数をあげれば、
山が増えますね。やってみましょう。」

先生が揺らす速度を少し速める。
定常波の山が2つになる。

「さらに速めてみましょう。」

先生が必死になって揺らす。
すると、定常波の山が3つになった。

僕は感動した。
神様が決めたのであろう、自然現象の原理を
こんなシンプルな数式で表現できるとは。
そして実際にそれが目の前で起きているのだ。

それから、僕は物理にはまった。
物理が最も得意な教科になった。
相対性理論やら、量子論やら、
たくさんの本を読んだ。

大学も理学部物理学科に行った。
そして、1回生の夏、偏微分で挫折した。

そんな僕がnoteを毎日書いています。
人生不思議なもんですね。

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