テレビ
昨日、小説教室の後の飲み会で、いつも僕の作品に好意的な意見を言ってくれるIさんとお話しをした。
七十代半ば。男性、独身。
年金暮らしで、小説教室に来るのが自分にとっては貴重な時間なのだという。
平日は何をしているのか聞いてみると、テレビを見ているという。
それがまたつまらなくてしょうがないというのだ。
僕はほとんどテレビを見ない。
そういう習慣になってもうどのくらい経つだろう。
3年くらいにはなるかもしれない。
僕が子供の頃は、テレビが最大の娯楽だった。
今、娘はYouTubeばかり見ているが、それと同じように僕らの時代は常にテレビがついていた。
それが今は全く見ないのだから、時代は変わるものである。
Iさんはテレビを見て、毎日何を思っていらっしゃるのだろうか。
「結婚すればよかったと後悔しているよ」
Iさんは少し寂しそうにそう言った。
でも、おそらくIさんはもう一度人生を生きることになっても結婚はされないではないか。
なんとなく、そう思った。