価値を生むってどういうこと?
今、facebook見てたら、
とあるクラウドソーシングの
会社のバナーがでていて、
「なんなの、このチラシのクオリティ!」
と言って泣いて喜んでいる
女の子の画像とともに、
「1万円で20提案。
チラシ発注は○○○○○○」
というタイトルでした。
普通に考えて、1万円で20提案もだして、
まともなチラシができあがるとは思えません。
僕はこういうクラウドソーシング系の
サービスは懐疑的で、
知識のない人が
不当な対価で働かされている
という印象が拭えません。
発注側も知識がないので、
悪意はないとは思うのですが。
ひどい事例ばかりでは
ないのでしょうけれど、
上記のようなバナーを見ると、
疲弊しているデザイナーさんが
たくさんいらっしゃるのではないのかと
想像してしまいます。
僕のウェブ制作の仕事も
そうなんですが、原価もなく、
どんな成果物があがってくるかも
あらかじめわからない仕事の場合、
対価をどうするかというのは
非常に難しい問題です。
また、最初の発注の段階で
内容が固まっていない場合も多く、
最初に見積もりしたの内容と
実際の作業とではかなり違っていた
ということも多々あります。
もうこの仕事を15年もやっていますが、
いまだに、見積もりはとても難しいです。
基準はやはり時間ですよね。
その作業にどのくらいの時間がかかるか。
それを想定して、
単価×時間という感じで見積もりします。
それでも前述の通り、
はじめのヒヤリングの難しさ、
作業時間を想定する難しさというのは、
経験をそれなりにつんでも、
難しいままです。
たとえば、キャベツがまるまるひとつ
1円で売られていたとして、
買いますか?
なんか怪しいと思いますよね。
それはキャベツひとつが1円であるわけない
という知識がクライアント側にあるからです。
チラシ20案を1万円で買いますか?
たぶん、買う人がいるんでしょうね。。
チラシ1案の相場を知らない人が。。
チラシ1案作るのに、
どのくらいの手間がかかるでしょうか。
打ち合わせをして、
イメージを決めて、
コピーやら、文章やらを考えて、
デザインして、
修正して
なんとか最終決定までもっていって、
それでも、最後の微調整とかあったりして。
ここまでで何日かかるでしょうか。
デザイナーがやるべき部分は、
最後のほうだけだとしても
これだけの内容を20案もだして
その対価が1万円とは
ありえないと思いませんか?
時給いくらだって話しですよ。
デザイナーも1万円でかけられる時間しか
かけないわけだから、
たいしたクオリティのものはだせないはずです。
クラウドソーシングだからほかの19案は、
提案ベースということで、
費用は発生しないんでしょうね。
そういうものなんでしょうかね。
コンペってそいういうもの
といっちゃったら
それまでなんでしょうけどね。
クラウドソーシングのサービスは
そういう価格破壊がイノベーションだとして
新たな価値を提供しているのかも
しれないですけれど。
(クライアントと制作者の
お互いの利害が一致しているとみれば。)
キャベツもAIが勝手に育てて、
トラックの自動運転で
勝手にスーパーに運ばれて、
ロボットが勝手に店舗に並べたら、
ひとつ1円という時代が
くるのかもしれないけれど。
んー、価値を生むって
どういうことなんでしょうね。