クリティカルシンキング問題④
今回はクリティカルシンキング問題の④番目の記事になります。
今回学んでいく内容はステレオタイプ思考というものです。
ステレオタイプとは、集団やそのメンバーに対する固定手観念的な知識であり、私たちが人を分類する際の枠組みとして用いる言葉のことです。
つまり、ステレオタイプがあるからゆえ、他人に対する解釈があらかじめ定められた特定の方向に歪められるものである、と言われています。
簡単に言うと、政治家と聞いただけで、税金泥棒、国会では寝ているだけ、選挙しか頭にない人たちのこと。などというような我々の思考の偏りです。
この考え方には短所もあれば、時には長所にもなりえることがあります。
人間のステレオタイプ思考が働いた時は、我々は物事の考え方を時には単純化して思考を楽にしたり、単純化してしまったおかげで狭い考え方に陥ってしまうという可能性があるということなのです。
今回のステレオタイプ思考を学び、物事の考えの偏りをなくしていきましょう。
今回この記事を見てほしい人
・物事の柔軟な考え方を学びたい人
・ステレオタイプ思考とは何かを知りたい人
まず、皆さんにはある問題を考えてほしい。
Q.医者という言葉から連想される言葉を5つ書き出してください。
皆さんはできましたか?
私は、金持ち、白衣、おじさん、賢い、愛人がいそう、みたいな感じで頭に浮かんできました。
この出てくる言葉に正解や不正解といったものはありません。
皆さんに知ってほしいことは、自分の思考の偏りです。浮かんできた言葉で「自分は医者をこんな風に思っているんだな」、「こんな偏見が頭の中にある。」みたいに、自分は偏見を持っているかどうかを確認してほしいのです。
この問題はとある実験で出題されました。実際に出てきた言葉は、頭が良い、金持ち、白衣、メガネ、聴診器、などといった言葉です。
私は一般の人々とかけ離れた回答をしているわけではありませんでしたね。
他の問題では、大学生、日本人、銀行員、ピアニスト、関西人、関東人、などがあります。
皆さんの回答はいかがでしたか? 私と同じ回答の人はいましたでしょうか?
ここでステレオタイプの長所を紹介します。ステレオタイプ思考は人間についての膨大な量の情報の中から必要なものだけを取り出すことだ出来て、逆に限られた情報の中から他人の行動を予測することができるのです。
例えば、相手が初対面で、相手の情報をほとんど知らなくても、職業や経歴を聞くだけで相手がどんなグループに所属しているかが大まかに理解できるようになります。
そして、そのグループのある程度まで行動、しぐさ、性格、口調、その他諸々を理解することができます。
簡単に言えば、「あの人は医者だから金持ちだろうな」という解釈はまさしくステレオタイプに従った解釈なのです。
しかし、短所も存在します。その一つは、ステレオタイプは確かにある程度役に立つ情報を与えるかもしれませんが、誤った役に立たない情報、また有害で危険な情報も伝えるかもしれないということです。
例えば、血液型診断や占い、星座、人種、民族などがあります。
このようなステレオタイプ的な人間像の当てはめが、いかにして差別や偏見に結びつくかは、皆さんも容易に想像できると思います。
そうならないためにも、普段から自分の思考に偏りは存在しないか、これは勝手な思い込みではないのか?という自分自身を疑う癖を付けなければなりません。
私たちは、ある集団に属している人に何度も接したり、その集団の情報を見聞きしていくうちに、その集団についての概念、すなわち、ステレオタイプを形成していくのです。
ところが、その際には、人や集団に関する情報があります。このような、いわば偏った情報に基づいて形成されるために、ステレオタイプはいつでもだれにでも当てはまるわけではないのです。
この中でも容易にステレオタイプを形成してしまうものがあります。具体的に言えば、人種、性別、体格、年齢、などのような身体的特徴なのです。
実は、企業の採用担当者が就職希望者の能力を判断する場合には、まず性格や、容貌といった最初に目につく情報が強く印象に残ってしまうのです。(心理学用語で初頭効果という)
ステレオタイプ思考が発動するときは、日常生活などの思い込みや自身の経験などが大いに影響します。なので、普段から皆さん自身も物事を思考するときに「自分の思考はステレオタイプに支配されていないか?」と吟味してください。
今回はクリティカルシンキングの中の「ステレオタイプ思考」というものをご紹介しました。ぜひ、日常生活でも役に立てて見てください。
今回の記事は以上になります。ありがとうございました。
(引用:あなたの思考をガイドする40の原則 クリティカルシンキング 入門編)
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