演技レッスン #1「思考」
柴田です。
演技レッスンのnoteを始めるに際して、まとまりがなくなるといけないなと思いまして、最初の5回は演技レッスンにおいて僕が大事にしている5つを1つづつ書いていこうと思います。
それは「思考」「表現」「読解」「自己認識」「感じる事」です。
今回まず最初にお伝えするのは、「思考」です。
思考とは文字通り「考える事」
台本を読み解いて、台本の中からどれだけ表現出来る事を見つける事が出来るのか? これは「宝探し」に喩えられたりします。台本に埋まっている宝を探すという事ですね。
演技レッスンやワークショップを経験した事のある人なら、ペラ1枚2枚の台本を受け取った経験があるとおもいます。
その中から抜き出せる物を抜き出せるだけ抜き出す!そしてそれを様々な角度から精査して・・・
これが「脚本読解」です。
いかにして書かれている「設定」を見抜けるか? この「脚本読解」に関しては別でしっかりとやります。
さて、「思考」です。
脚本を読み解いて「思考」し、導き出したものを「表現」する。
その「表現」の場所で、「思考」が見え隠れしてはならない。
好きな人に「好きなんだけど」と伝えるシナリオがあったとしましょう。
レッスンシナリオ
〇公園(夜)
正人と玲菜がベンチに座っている。
正人「あのさ・・・」
玲奈「え?」
正人「好きなんだけど」
玲奈「 」
※男女入れ替えても構いません。
敢えて自由度の高いシンプルなものにしてありますし、その上で最後の台詞をアドリブにしてあります。
まずは脚本を元に演技プランを考えます。
これだけ情報量が少ないと、「好きなんだけど」と言ってる癖に好きという表現をしなくても成立します。
極端な話をすれば、宇宙人とか幽霊設定でもいけますし、「好きなんだよね、殺人が」的なサイコパス設定もねじ込めます。
勿論、前後関係の指定の無いレッスン台本である事が前提の話です。あまり常識を離れない範囲の想いと関係性を「思考」する方がいいでしょう。
ひとつ上のステップに上がると、言い方ややり方を考えてはダメ! と言われる事もありますが、それは少し違います。
それが、本日のポイントとなります。
本日のポイント
それは、
「考えて考えて、演じる瞬間はその全てを忘れて役の人物として存在する」という事です。
それこそが、まず初めに伝えたい「思考」です。
「演じる前にどれだけ考える事が出来るか?」
「演じる瞬間にどれだけ忘れる事が出来るか?」
このシンプルな事と最初に向き合ってください。演じるということと触れ合えば触れ合ほど、技術が上がれば上がるほどに、この「思考」という言葉の意味が理解出来るようになる事でしょう。
思考<反応
上記のレッスンシナリオで、最後の台詞をアドリブにしてあることも、ひとつの「思考」へのアプローチです。
最後の台詞を決めて臨むかもしれませんね。アドリブの台詞を決めていると、不自然に感じる事が多々あります。しかし、本来全ての台詞は決められているものです。
台詞は決めていても決めていなくても構いません。いかにして相手の出力に対して「役の人物」として、その場で「反応」出来るかどうか? それが「思考」しながら「思考」を消すという事の第一歩です。
それでは、次回のレッスンでお会いいたしましょう。
※随時加筆修正していきます。よろしくお願いいたします。