【ビジネス書感想・要約ブログ】外資系コンサルの知的生産術レビュー【学生/初心者向け】
この記事は6分で読めます。📚 2022/1/31更新
今回の記事も自身のアウトプットという目的でのnoteです。
新入時からこれまででざっと150冊読んできた中から、参考になったなという書籍のメモを見返しながら紹介記事を書いてまいります。最近もまた読書が増えていますね。
本日は最近読んだ「外資系コンサルの知的生産術」のレビューです。
タイトル帯にあるように、知的生産物を提供する人間にとって必要なのは思考の技術だけでなく、行動の技術ということで心得を記載しています。
これから外資系含めコンサルタントを目指す学生さんや、もちろんコンサルタントになりたての新卒の方々にも普遍的に価値のある本だと思います。
こちらもAmazon Kindle Unlimitedで無料で閲覧できましたのでお勧めです。
外資系コンサルの知的生産術 個人的評価:☆☆☆☆☆
論理思考やフレームワークを学んでも、仕事がうまくいかないのはなぜ?劇的に成果が上がる、本当に使える「知的生産の技術」=「行動の技術」。
著者の山口周さんは、慶應義塾大学文学部哲学科卒業、同大学院文学研究科美学美術史学専攻修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ等を経て、コーン・フェリー・ヘイグループのシニア・クライアント・パートナー。専門はイノベーション、組織開発、人材/リーダーシップ育成
書籍の中でいろいろ名言を引用されるときや考え方を説明する際に、文化人類学や哲学の思想が織り込まれているのが特徴的でした。
1.本書での基本的な考えかた
(1)”知的生産物”という商品の競合は「顧客がすでに持っている知識」である。
知的生産物を依頼してくる相手は素人ではなく、すでに様々な検討を重ねている。とりあえず手にするような資料や二次情報は目を通している可能性があるので、それらを活用してどのように差別化するかを始めに考える。
(2)情報をインプットする前にアウトプットイメージを持つ
得られた情報からどんなスライドやレポート文書を作るかを事前にイメージしておくことでインプットの効率を高めるために不足情報に気づことができる。
※どんな分析結果を出したいかという意味で私は捉えました。
(3)インプットの量を恒常的に高い水準に保つための鍵は「好奇心」
1冊の本が与えてくれた疑問やテーマを軸に読書を展開する。1冊1冊の本を数珠のように繋げる。自分なりに好奇心などを設定して、情報を組み合わせて知的ストックを厚くする。
☆将来役に立つだろう、ではなく「いま、ここ」ですぐに役立つとか面白いという選好のほうがずっと読書には重要である。
そこを起点に「どうなっているのか、なぜなのか、おそらくこうなっている」といった問いと、その答えを得るためのインプットを行って定着率を高める。
2.現地現物が、現地見物にならないように。
※新入社員時代に私もよく陥りました。現地で見ることや会議・打合せに参加することが目的になってしまい、「そこで何するの?」となりがちです。
ただ単に行ってきた、見てきた、で終わらないようにポイントは2つ。
(1)あらかじめ「問い」をもって臨むということ。
ここはどうなっているのか、どうしてこうなっているのか、何が原因か、と現場に行って確かめたい「問い」を明確化する。
(2)仮説をもつこと。
問いに対する現時点での答えをもっておき、どんな根拠が見つかれば仮説を証明できるか、反証できるかを考える。
【シャーロック・ホームズの冒険 ボヘミアの醜聞】
「君はただ見るだけで、観察ということをしない。見るのと観察するのでは大違いでなんだ」(コナン・ドイル)
※これは有名かもしれませんが、二人の住むアパートの「階段の数はいくつか?」という問いにワトスンさんが答えられなかったことに対するホームズの対応ですね。
ただし、自身が持ってきた仮説にとらわれすぎないようにしないといけないことも注意されています。仮説が”思い込み”になりかねません。
3.考えると悩むを混同しない
よく「一日考えてみたのですがよくわかりません」といったことを口にするケースは、ほとんどの場合「悩んでいる」だけ。
・ 一つ目の見極めポイントは「手が動かなくなる」
「考える」という作業を、脳内で完結する純粋に理知的な作業だと思っている人が多いのですが、知的生産におけるプロセッシングのほとんどは手を介して行われます。
・二つ目の見極めのポイントが「言葉が生まれない」
正しく「問い」が設定されて、情報がちゃんと集まれば、答えは誰の目にも明らかな形で自然に立ち現れてくる。
「問いの立て方」か「情報のインプットの仕方」に問題があると考えた方がいいのです。
「ではどうするべきか」という問いに答えるという意識が常に重要であり、事実、洞察、行動が知的成果として相手に訴えられる情報の3種類である。
※他の書籍でも書いてありますね。もちろん雲・雨・傘です。
4.人へのwhy,what,howの伝え方・組み立て方
知的生産物のアウトプットがWhat「やるべきこと」、Why「その理由」、How「具体的なやり方」を兼ねそろえているべき。
※別の書籍では、”Why Not Yet”を組み込むことがポイントと述べており、私もそちらの考えでおります。
伝え方のポイントを簡潔に記載します。
1への伝え方は、What⇒Why⇒How
自分がすでに共感している内容はくどくど聞きたくないはずであり、情報量は少なくかつHowを明確にすればよい。
2への伝え方は、What⇒Why⇒How
What、Whyではなく、付加価値の出しやすいHowに多めの情報を盛り込む。
3への伝え方は、Why⇒What⇒How
結論に至った思考のプロセスを説明する。
4への伝え方は、Why⇒What⇒How
WhyとHowに情報をできるだけ盛り込む
5.まとめ
(1)”知的生産物”という商品の競合は「顧客がすでに持っている知識」である。どのように差別化するかを始めに考える。
(2)得られた情報からどんなスライドやレポート文書を作るかを事前にイメージしておく。
(3)インプットの量を恒常的に高い水準に保つための鍵は「好奇心」
☆将来役に立つだろう、ではなく「いま、ここ」ですぐに役立つとか面白いという選好のほうがずっと読書には重要である。
(4)現地現物が、現地見物にならないように。
あらかじめ「問い」をもって臨む、仮説をもつこと。
知的生産物に必要なものは何か、生み出すために必要なものはなにか、といったことに”行動”に焦点をあてて解説しています。
ただぼんやり思考フレームを習得しただけでは手触り感がないことが多いですが、具体的なアクションで落とし込んでくれているのが評価が高い要因かなと思います。
すべてをまとめることはしませんでしたが、皆さんが必要とする行動が他にも記載されているのでぜひご覧になってみてください。
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↓先月多く読まれたTOP2記事です。
以上