平成31年度京都大学法学部編入試験 合格者講師解答例
1. はじめに
人々が投票に行く理由には、自分の意思を国家運営に反映させたいであるとか、スウェーデンのように、隣人から良識ある人に見られたいであるとか様々であるが、専ら面倒であるとか、自分の一票が反映される程度は、わずかであるといった理由で投票に行かない人も多い。とくに、若者の投票率の低さは顕著で、シルバー民主主義などとも言われる始末である。本来、政治の役割というのは国家のあらゆる民意を汲み取り、その利益を表出していくことであるが、現状の投票率ではそれが不徹底である。そのため、「投票することは権利であるのみならず、主権者としての義務であるとして、投票を義務付けるべきであるという考え方」が生まれたのであろう。その意味で、パターナリズム的な考え方と言うことができる。
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