『超明快Webユーザビリティー』から学んだWebサイト設計のポイント。
『超明快 Webユーザビリティ ―ユーザーに「考えさせない」デザインの法則』を読んだ。
webサイトを作ることにおいて目からウロコのことしか書いてなかった。
これからのWeb制作に使えそうな考えばかりだったので、メモがてらまとめます。
ユーザに考えさせちゃダメ。
欽ちゃんみたいな言い方だなと思いつつこの本で一番大事なことがこれです。
基本的に人間は操作方法で頭を悩ませることを好まない。Webサイトを利用していて悩ませてしまうということは、そのサイト・組織(会社)に対する信頼感を失うことになってしまう。
本書内画像引用
目的に何クリックで辿り着いたかではなく、どれほど簡単にたどり着いたかが大事。
よくサイト設計なんかで、『2クリックまでにユーザに目的のページまで行かせること!』のような話を聞くが、重要なのはここではないとのこと。
本当に重要なのは、目的に到達するまでにどれ程大変だったかということ。別にたどり着くのが大変でなければ、クリック数が(ある程度)多くなっても別に構わない。
「お約束」のデザイン設計を利用する
突飛なアイデアやデザインを考えついたとしても、それをユーザが利用してくれるとは限らない。
むしろユーザに利用してもらうためには、使い慣れたデザインを設計する必要がある。
SNSサービスを作ろうと思ったら、twitterやインスタのUIを真似ることは重要だし、
サイト制作においてはBootstrapそのままのデザインで見せた方がユーザにとっては良いこともある。先人たちのデザインはどんどん利用しよう。
言葉は省く
書いているとついつい長くなってしまう文章。この文章を短くすることによって
・雑音が減る
・重要なコンテンツが際立つ
・スクロールしなくてもよくなる
という利点がある。
「いやいや、ここにはどうしても説明が必要なんだ」と思うこともあるかもしれない。けどユーザはそこまで説明しなくても理解してくれる。ユーザを信頼しよう。
ナビゲーションをデザインする
日曜の午後。私は妻に買い物を頼まれた。こんばんはキムチ鍋にするからキムチ鍋の素を買ってきてほしいとのことだった。スーパに行った私はまずは屋根にぶら下がっている「野菜」「魚」「肉」と書かれた看板を見る。キムチ鍋の素はどこに売っている?「調味料」か?「お肉」のコーナーに置かれているのも見たことあるぞ。とりあえず「調味料」に行ってみる。すると次に棚には「醤油」「砂糖」「シチュー」等のカテゴリに分かれている。醤油だけでこんなに種類あるのかと思いながらキムチ鍋の素を探す。ついに鍋の素のコーナーをみつけた。その中からキムチ鍋を探す。
...のように、私はスーパーマーケットのナビゲーションによって目的まで迷わずに購入することができる。
このナビゲーションをWebでも作ってあげる必要がある。今どこにいるのか、目的のものはどの棚(カテゴリ)にあるのか、などを簡単にわかりやすくする。
パンくずリスト、ナビゲーションメニュー、カテゴリリスト等を利用してユーザを迷子にさせない仕組みが重要になる。
トップページを正しくデザインする
トップページはサイトの顔であり一番見られる場所なので、あれもこれもと情報を載せたくなるもの。
「あともう一つ、いや、もう二つだけ。。」と情報を足していくことで、ユーザにとっては煩雑で見にくいものになってしまう。
そこで下記4つだけを押さえておくと良い。
・なんのサイトなのか
・このサイトで何ができるか
・何があるのか
・他ではなくこのサイトを使う理由は何か
まずこの4つを理解させることを重要視して、トップページを作成しよう。動画を利用する、ビジュアルイメージで訴求する、文章で読ませる、等やり方は様々だ。
本書より引用(P.115)。ユーザの探しているものと見てほしいものは必ずしも一致しない。
平均的ユーザなどいない
「みんな〇〇が好きだ」「一般的には△△が好まれている」
制作していると、このようにユーザは何かしらの共通点を持っていると思いがちだ。しかしそれは単なる思い込みだ。平均的ユーザなどいない。
ではどうやって答えを出すのか。それはテストするしかない。
本書より引用(P.135)
テストしよう
サイト制作に関わって2、3週間も経過すれば、そのサイトを新鮮に見ることはできない。サイトがうまく機能しているか、改善点は何かを見つけるためにはテストが必要だ。
テストは社内の人間でも良いし、twitter等SNSで呼びかけても良い。お金はかかるがcrowdworks等のクラウドソーシングサービスで呼びかけても良い。
(詳しいテストのやり方は本書を読んでください。とても丁寧に解説されています!)
誠実さを忘れないようにしよう。
ユーザには誠実さを見せることが大切だ。
下記のような対応は良くない。
・(ユーザは電話番号を知りたいと思っているのに)電話対応をしたくないから電話番号を探しずらい場所に表記する
・(ユーザは退会したいのに)退会は電話でしか受け付けないなど、退会しにくい設計にする
・(ユーザは商品の価格を知りたいのに)商品価格を表示していない
運営者が「させたくないこと」はユーザからしたら「頻繁にしたいこと」かもしれない(だとしたらサービス自体の再考が必要な場合もあるが)。
なるべくユーザに寄り添った誠実な作りにしよう。
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サイト設計において参考になることばかりだった。本当に良い本。Web制作に困ったり悩んだりつまづいたりした時は読み返そうと思う。