【現代版 孫子の兵法】元テレ東佐久間さんの「ずるい仕事術」を読んでの感想
プロダクトのドキュメント担当という仕事柄、様々なチームの方とやりとりすることが多いのですが、今のチーム、本当にとても優秀で真面目な人が多いなと感じます。
一方で、真面目な方は責任感も強い方が多い気がします。
責任感が強いことはもちろん良いことなのですが、責任感が強すぎるゆえ、タスクを自分で抱え込んでしまい、結果忙しくし遅くまで働いているなーという感覚があります。
つまり、優秀で真面目な人ほどたくさん働いている印象。
これはなんでだろう、と思ったのですが、優秀な人の中には「ズルさが足りない」と「手を抜けない」ということが理由なのかなと。
ここでいうズルさや手を抜くというのは、「人に押し付ける」とか「嘘をつく」とかの悪い意味ではないです。
「最小の努力で最大の効果を発揮させる」「自分の工数を抑えるための努力をする」などを意味します。
こう書くと全然ズルくないし手を抜いていないのですが、分かりやすく「ズルさ」とか「手を抜く」と書いています。
例えば、ある提案を上司に通したい時、ズルさがある人は事前の根回しを徹底的にやって、提案がうまく通るように仕組みます。
関係者に積極的に相談したり、資料を見てもらったり、この提案がいかに良いかを売り込んでからプレゼンに挑んだりします。関係者も相談されると嬉しいし、内容をあらかじめ知っているし、自分も共に作り上げた感覚が生まれるので、プレゼンを応援してくれます。
一方優秀な方は、根回しやロビー活動等を良いものだとは思わないので、プレゼン一発で提案を通そうとします。そのためプレゼンがうまく通らず、『あの上司はこのプレゼンの良さを全然わかってくれない!』のような不満が溜まってしまうことがあります。
しかも、上司からの評価はもちろん前者の方が上がります。素晴らしい提案をするすごいやつ、という評価もつくかもしれません。
『だからみんなズルくなれ!』という気はないのですが、優秀な人がうまく立ち回れないため疲弊し、仕事が嫌になるという状況をいくつか見ているので、この状況はなんとか改善できないかなーと常々思っていました。
優秀な人には優秀な評価を与えたい。これが結構ここ1年くらいの悩みではありました。
そんなことを悶々と思っていると、元テレビ東京のプロデューサー佐久間 宣行さんの本を発見しました。
まさに上述の悩みを解決してくれるような本でして、とても面白かったです。
以下、本の内容を一部引用してますので、内容知りたくない方はここでストップしてください。
以下、良かった箇所をご紹介します。
『「メンツ地雷」を踏んではいけない』という章の中でこんな文章がありました。
この考えにはとても同意でして、結局大事なのは自分が楽しく働けるかどうかになります。しかしながら、組織で動く以上感情やメンツに支配される場面が多々あり、そのせいで環境を壊してしまうことがあります。
会議中に議論がヒートアップすると、どうしてもメンツを保つために感情的になってしまう場面が出てくる人をよく見ますが、長期的に見ると感情的な争いは損をしてしまう方が多いです。なので、グッと堪えてチームが成長できる方を選択できるようした方が当然良いです。
また、『「コント:嫌いな人」でバトルを避ける』という章も面白かったです。
これとても良い技だなーと思いました。
本では嫌いな人との接し方の方法として紹介されていますが、私の場合プレゼンが苦手だったりするので「コント:プレゼン」とかにすることで、プレゼンを楽しくすることができそうだなと思います。皆さんも「嫌いな人」の部分を自分の苦手なことに変えることで、色々応用できると思います。
また、『第4章 マネジメント編』は、私のようなミドルクラス(30代中盤〜後半)の方が悩んでるであろうマネジメントのノウハウが書かれているので、読んでいてためになり楽しいです。
と言うことで、ここ1年の悩みを佐久間さんの本である程度解決できそうな予感です。困っている優秀な人にも紹介したいと思います。
余談ですが、この本を読んで思い出したのは孫子の兵法です。
孫子の兵法は良い本なのですが、初見で読みにくいのが玉にキズ。
なので、佐久間さんの本を現代版孫子の兵法として読むのがおすすめです。
今日もラジオ楽しみだなー。