
確率論的思考 ~不確実な市場を生き抜く4つの考え方~
こんにちは!仔牛です。
投資で勝つ人とはどのような人なのでしょうか。有名な投資家の人と同じ手法でトレードすれば皆が儲かるのでしょうか。
この問いについては一方で正しく、一方では間違っています。
不確実な株式市場において、全ては確率で物事が動いています。複雑な要素が交錯し合って値動きし、その確率の世界において勝ち残った人が現在の有名な投資家となっているのです。
「長期的な視点で試行錯誤を行い、勝てる確率の高い手法で取引し続ける」
これこそが不確実な市場において、勝率を高める唯一にして絶対的な方法になります。
① 確率論的思考の特徴
確率論的思考は、世界は不確実であるという前提に立ち、物事を確率論的にとらえる思考法である。
対比される思考法としては、「因果論」「結果論」「二元論」「努力万能論」などがある。
これらの思考法は日々の膨大な判断作業をこなしていく上ではとても有用なものである。また、物事を単純化して特定のパターンに当てはめることで効率性を上げることができる。
しかし、この思考法では大きな環境の変化ややり方は間違っているが成果が出た事柄を正しく評価することはできない。
それでは不確実な市場において生き残るためにはどのような思考法が必要とされるのか。
【多様性の確保】
世の中には「株式投資の必勝法」と謳われるような銘柄選択術やトレード方法が多数存在する。この謳い文句は発信者の成功体験に基づくものであり、それぞれの意見をぶつけ合うということが非常に大切である。
最終的には自分なりにストーリを描いてトレードすることになるが、異なる見方をすること自体に価値があり、期待しない事態が起こった際にも柔軟に対応することができる。
【失敗の許容と活用】
相場は毎日続いているものであり、勝つ日もあれば負ける日もある。そして大きく負けないリスク管理をすることが何より大切である。
一番気を付けるべきは、間違えた方法で大きく儲けてしまった場合だ。
人間はどうしても自分の意思決定を正当化する生き物であり、成功した場合にはその手法に自信も上塗りされていく。間違えた手法で勝ち続けられる確率は極めて低い。
小さな失敗は大きな失敗の予兆であり、対策をすることで大きな失敗のリスクを極小化することができる。相場からの退場に追い込まれないためにも、失敗の許容と活用は不確実な市場においてのセオリーと言えるだろう。
【長期的視点】
リーマンショック・東日本大震災・コロナショックと相場を大きく揺るがすような事象は苦しくも定期的に起きてしまう。しかし、長期的な視点、つまり数十年単位で相場を見ると経済の発展とともに相場は右肩上がりになると歴史が証明している。
今後も右肩上がりが絶対に続くとは言えないが、人類の進歩とともに経済も発展していく確率は非常に高いのではないか。
長期的視点で物事を見ていくことで不確実性の影響を薄れさせることができる。試行錯誤の上で正しい手法を取り続ければ偶然に左右されにくくなるということが最大のメリットである。
【認知バイアスの回避と統計的手法】
認知バイアスとは一種のフィルターであり、人間の欲望によって人々に確立を見誤らせ、株価にひずみを与えるものである。
例えば、上昇する株価はもっと上がるとバイアスがかかって実体経済とはかけ離れたバブルを生み出し、自分の買った株はきっと成長するはずと正常な判断ができなくなって塩漬け状態にしてしまうなどだ。
仮に市場から認知バイアスが全て消え去れば、企業の株価は全ての成長性を含んで適正な価格をつけ、株価の値動きは今後起きる一切の偶然によるものとなる。
株式投資には認知バイアスという人間の本能に抗う精神的な強さが求められるのだ。
この認知バイアスを修正するためには「統計」という客観的な材料を使用する。確立を一定方向に見誤らせる認知バイアスを克服し、物事が発生する確率をできる限り正確に見積もることが継続的な成果を生む近道となる。
② 不確実な市場で個人投資家に求められること
ご覧いただいた通り、株式市場においてはどんなに正しいやり方で勝負しても負けることはある。反対にやってはいけないと言われるようなやり方でも勝つ可能性もある。
株式市場において完璧な計画や完成品はない、少しずつ試行錯誤して地道に取り組んでいくというメンタルが個人投資家に求められる第一歩なのではないか。
実際の投資手法については基本に忠実に試行錯誤を重ねていくことが重要であると感じる。多くの”億り人”と呼ばれる人の成功体験を学んできたが、共通する項目も何点か見えてきた。
例えば、損切りルールをあらかじめ決めてルールを徹底する。相場を休むことも投資のうち。全財産を投入してリスクを取りすぎない。安く買って、高く売るなどだ。
認知バイアスに支配されて、このような基本を忘れてしまっては本末転倒である。ルールを忠実に守っていく中で、自分なりのスタンスを徐々に明確にしていき、成功も失敗も振り返って試行錯誤していく以外に勝つ方法はないのではないかと思う。
一つの成功ストーリを描いて投資をしても、異なる展望も戦わせ、期待しなう事柄が起こっても柔軟に対応していくことが必要だ。
仮に失敗しても諦めず、不確実な市場において確率の低い事柄が起きたと考えることが必要だ。前を向いて長期的視点で取り組んでいきたい。
最後までご覧いただきありがとうございました。
いいなと思ったら応援しよう!
