進まなくちゃならない.

昔から自分のことで涙を流してきた.

自分の不満,自分の無力さ,自分の不甲斐なさ.

全部自分が原因だった.

それがいつしか誰かが傷つくこと,居なくなってしまうことに変わった.

居なくなってしまうことはただ自分の手の届かない世界で生きているでもなく,命が絶えて完全に同じ世界から居なくなってしまうときだけだった.

生きていれば最悪ではないと,
またやり直せると心のどこかで思い続けていた.

でも,幸せも挑戦も恵まれた者だけに与えられる.

なにを捨てても守りたい何かに出会えることも,
今が最高であると喜べることも,
全部
偶然が重なって巡り会えた結果だ.

そんな偶然が何度も起きなければ,やり直すなんてできない.

折れないように,止まらないように,
身に有り余る楽しさが離れていってしまわないように,
ただ頑張ることしかできない.

その頑張りも偶然で失うかもしれない.

そんな不安の中で,前に進めるのは,夢があるからだ.

夢は最悪から自分を救い出してくれる.誰かに希望を与えてくれる.

夢は生きていれば叶えらると思っていた.
でも,偶然が重なって理不尽に道が閉ざされ,
また偶然が起きなければやり直せないことを知った今では,
誰かが転んで潰えてしまった夢が,どうしようもなく悲しく感じられて,
泣いてしまった.

その悲しさから逃れるには,夢が要る.

夢があるのは,恵まれ偶然が起きた結果に得られる幸福だ.

その幸福は,今前を向くという理由になってくれる.

人生の最後に,笑って「良かった」と言えるのは,きっと,
夢があるからなのだと思う.

誰もが努力できる世界を作るために,
夢があることを守りたい.

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