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ある日の手紙の。


心の内側を、全て晒して。白く白く、雪の上で布が漂白されるように
黒いところなんて無くして。

手紙の抜粋です。



寒い部屋から戻って布団に潜り込む。
ぼんやり、ほかほか。



あなたの隣にいると、自分の知らない、気づいていない足元の花や空の星に気づく感じがする。教えてもらうわけでもないのに、みえてくるものが。

感覚を言葉に置き換える時、それは確実に何かを取りこぼしていて、(期待より美しく表現する人もいてうらやましいけど)
語らないことの方が、正確なこともあるな。と思ったり。


波 光 振動 粒子 揺らぎ 響き

煙と水
霧というもの

空気中に揺蕩う煙の運動と、コーヒーに落としたミルクの揺蕩う運動は同じ式で表されること。

音とは何か。

夢の中で坂本龍一のピアノが鳴っていた

地球の変わらない質量のことを考えていた。死や生も含めてぐるぐる巡ること
生きていないもののこと、それが生きているものの一部になること。


昨日の最後のピアノ、opusで使ってたピアノだった。
今になって
Ars longa, vita brevis
が響いてる。

語られなかったものが、存在しないというわけではない。

今日は曇り、パラパラという豆の音、子供たちの逃げ回る声とおにはそとふくはうち。

駅に敷かれたタイル、水紋のような模様。少しずつズレているからそう見えるのか

音が少しずつずれた世界を整えてゆくことまたはその逆
薄く陽がさしてくる。淡い光の中の街。影を抜けた思いの外強い光。私もその中に居る。

昨日も、夢だったんじゃないか、と思う。
説明しようと言葉を重ねても、それは、あの時間には成らない。




電車の中で隣に座って話してくれた雪の結晶を思い浮かべて、このあたたかな場所では頭の中ですらうまく固まらない。

言葉を組み立てようとして、ばらばらになって、そこに置かれているのにどれがどの部品だかわからない、みたいな気持ちになる。

昨日見た雪を思い出す。一瞬灰か、鳥か、蝶か
頭の中が混乱した雪の空が、一音で波立つ。

質量は変わらなくて、でも長い年月の間に生まれたものたちの形のない感情や記憶って
無いのと一緒なのかな、でもそれが残る形として表れ出たのが、器なのかも
音楽とか
文字とか
質量を持たないものを、伝えてゆくための手段かつ目的



そんなことを考えておむかえ。

その日あった空の色
子どもたちの声
折り重なって、重みはなくて
でも確かにそこにあるもの
うまく表現できないけど、そういうものを思い浮かべると泣いてしまう
白い三日月と私の間に、薄く雲が縞模様を保ったまま流れてゆくこと。


YMOをランキングで適当に流す。あ、これ聴いたことある、というものから、知らないものまで
聴き尽くせなさそう。
ここから、最後ピアノに戻るのか、とふと思う。

円環、還るところ、故郷、柳の言葉が頭の中で再生される。
還るところはピアノ、そして、音楽、のもっともっと前の、音、でしたか。

一緒に雪を見たいと思っていたらあの黒い箱のような部屋で叶って、opusを観ながら、隣にあなたが居たらいいのに、と思っていたら、隣の席でピアノを聞けて
望みは叶ってる。

会いたい、もっと話したい、一緒にご飯食べて、また話して、色んなものをみて、くだらない話で笑って、歩いて、真面目な話も、感覚的な話も遠慮せずに話して
言葉を送って、読んでもらって、手紙をたくさん書きたい
一緒に生きてたい。

その眼の明るい茶色をずっと覗き込みたい、他の人に知られたくなんてない。



YMOから、坂本龍一に変わった。Lack of Loveが薄く部屋に漂っている。




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