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教育と山浦光一郎
先日監査で福井県教育総合研究所に行ってきました。
実は政治家になろうと思った以前は、先生になりたかったということもあり、今でも教育については強い関心を持っています。
研究所は、教科研究センター・教職研修センター・教育相談センター・教育博物館という4つの部局に分かれて取り組んでいらっしゃって、議論も弾んだのですが、その中で理科の教育方法について議論をしました。
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理科は比較的人気がある科目だと思います。
その理由の1つは、実験といった目に見える、手で触れる授業があることもあるかもしれません。皆さんの中にも実験の授業が好きだったという方も大勢いらっしゃるのではないかと思います。
私も試験管の中で色々燃やしたりして遊んでました笑。
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福井県教育総合研究所もいろいろ検討されて面白い実験ができるようにされています。
確かに福井の教育水準は高いと言われていますが、こういった努力に支えられているのだなと感動しました。
一方で、自分が小さかった頃を振り返って見ると、不満があったことも事実です。
というのも、理科の実験って、基本「こうなる」「こういうことが分かる」ということが事前に分かっており、教科書にも書いてあるからです。
例えば、水の電気分解の実験では、「水に電気を流すと水素と酸素ができますね〜」みたいなことをやりますが、水がH2Oであるという教科書で学べる知識以上にどれくらいの価値があるのか、結構疑問に思っていました。
この実験については、もっと重要なのは、
「最初に水を電気分解した人はなぜそうしようと思ったか。」「なぜ、出てきた気体が、酸素と水素であると分かったのか。」といったことではないでしょうか。
というのも、分かっていることからしっかり考えて、分からないことを解明していく、新しいものを作っていくのが、科学の本質だと思うからです。
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この点、歴史上有名なエピソードがいくつもあります。
一番有名なところでは、アルキメデスが、金の冠として作られたものが本当に全て金でできているかどう確かめて欲しいという王様の要望に応えるために、何日も考え抜き、お風呂に入っている時に、比重を使うというアイディアを思いついたことでしょうか。
お風呂の中で思いついてあまりの興奮に裸でうろついていたという話は、変人っぷりが垣間見えて面白いです笑。
また、古代ギリシャの科学者、エラトステネスが地球の大きさを測定したという話も印象的です。
地球が球体だとすると、二つの都市の同日・同時刻における影の角度の違いからその二つの都市の緯度の違いが分かるので、その都市間の距離が分かれば地球全体の大きさが測定できるというもので、そのようにして予想された結果は実際に誤差17%程度と驚くほど少なかったと言われています。
私がこのことを知ったのは中学生の時だったと記憶しているのですが、当然衛星も何もなかった時代に、推論からそこまでのことが分かるということに感動したことを鮮明に覚えています。
中世から近世ヨーロッパでは、天動説から地動説へ主流の学説が移行していきますが、その過程も面白いです。
比較的最近のことでは、今世紀、整数論の知見が生かされてRSA暗号(公開鍵方式の暗号)が開発され、そのおかげでインターネット上で秘密の情報をやり取りすることができるようになり、ネット取引を始めとした様々なことができるようになったという多大なメリットがもたらされた事例もあります。
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こういう問題意識で、改めて福井県の小中高で使われている理科の教科書を読んでみました。
ビックリしたのは、昔の教科書と違って、教科書が大きくページ数も多く、情報量がずっと多くなっているということです。
また、日々の生活の中でも科学が如何に関係しているかという身近な話題を取り上げているコーナーも多く、興味をそそります。やっぱり、教科書の分野も色々改善がなされているようです。
でも、「分かっていることからしっかり考えて、分からないことを解明していく、新しいものを作っていく」ということを、様々なテーマで最初に挑戦した人が具体的に考えたことや直面した苦労といったことについては、やはりほとんど載っていないように感じました。
そういったエピソードを集めて読み物にしたらとても面白いのではないか、福井の子供たちが理科をそして科学を本当に好きになってくれるのではないかと思いつつ、また議会で提案していこうと思っています。