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第1回: 医療殺人とは何か?その実態と背景

はじめに

医療殺人とは、医療従事者がその専門的知識や立場を悪用して患者の生命を奪う行為を指します。これは意図的に行われる場合もあれば、重大な過失によるものも含まれます。特に「故意の看取り」や「過剰投薬」による医療殺人は、高齢者を中心に隠蔽されやすく、社会問題として十分に認識されていない現状があります。

本記事では、医療殺人の定義とその具体的な実態、さらにそれがどのように行われ、隠蔽されやすいのかについて詳しく解説します。また、こうした行為が生まれる背景や社会的な要因についても掘り下げます。



1. 医療殺人の実態

1-1. 故意の看取り

故意の看取りとは、医師が患者に必要な治療を故意に行わず、死亡を「自然死」として処理する行為を指します。

  • 事例: 高齢患者が肺炎を発症しても、抗生剤の処方をせず「看取り」として対応。その後、死亡が自然死として記録されるケース。

  • 背景: 高齢者の死因が老化や持病と結びつけられやすいため、不適切な治療が疑われにくい。


1-2. 過剰投薬

過剰投薬は、患者に不必要な量の薬剤を投与することで、死期を早める行為です。特に、モルヒネや鎮静剤が使用されることが多いです。

  • 事例: がん患者に対し「痛みの緩和」を理由にモルヒネを過剰投与。その結果、呼吸抑制による死亡が発生。

  • 背景: 鎮痛目的の薬剤投与は医師の裁量に任されている部分が多く、過剰投与が発覚しにくい。


1-3. 訪問診療における医療殺人

訪問診療では、家庭内や施設での診療が行われるため、医療殺人が隠蔽されやすい状況が生まれます。

  • 事例: 訪問診療で高齢者の異常な症状を見過ごし、適切な処置を取らずに帰宅。その後、患者が死亡。

  • 背景: 家庭や施設での診療は第三者が立ち会わない場合が多く、不正行為が発覚しにくい。


2. 医療殺人の背景と要因

2-1. 高齢化社会と医療現場の過重負担

日本では高齢化が進む中で、医療機関や医療従事者の負担が増大しています。

  • 問題: 高齢者の患者数が増える一方で、医療リソースが不足し、必要なケアが後回しにされることがある。

  • 影響: 「高齢だから仕方がない」といった風潮が、不適切な対応を見過ごす要因になる。


2-2. 医療費加算制度の悪用

看取りケア加算やターミナルケア加算などの医療費加算制度が悪用されるケースがあります。

  • 問題: 高齢者の死亡時に発生する加算を目的に、不必要な医療行為や不正請求が行われる。

  • 影響: 高額な医療費が発生する一方で、患者の命が軽視される。


2-3. 家族の知識不足と信頼の悪用

家族が医療に関する知識を持たない場合、医師の説明を鵜呑みにしてしまうことがあります。

  • 問題: 医師から「これ以上の治療は無意味」などと言われると、家族が異議を唱えにくい。

  • 影響: 医療殺人が隠蔽され、不正行為が継続される。


3. 医療殺人が隠蔽されやすい理由

3-1. 自然死との区別が難しい

高齢者の死因は、老化や持病によるものとされることが多く、医療行為が疑われにくいです。

  • 事例: 心臓発作による死亡とされていたケースで、実際には薬剤の過剰投与が原因だった事例がある。


3-2. 診療記録の不透明性

診療記録(カルテ)が適切に管理されず、不正行為が隠蔽される場合があります。

  • 問題: カルテの改ざんや不正記録が行われても、家族が確認する手段が限られている。


3-3. 社会的な監査体制の不足

医療機関への監査が不十分なため、不正が内部で隠蔽されることが多いです。

  • 問題: 訪問診療や小規模な医療機関では、外部からの監視が行き届かない。


4. 医療殺人を防ぐためにできること

4-1. 診療記録の確認

診療記録の開示を求め、不適切な治療が行われていないかを確認します。

4-2. 家族が診療に立ち会う

家族が診療に積極的に関与することで、透明性を確保します。

4-3. セカンドオピニオンの活用

診断や治療に疑問がある場合、別の医療機関で意見を聞くことが重要です。


まとめ

医療殺人は、高齢者やその家族の命と尊厳を脅かす重大な問題です。
その実態は、自然死や老化による死因として隠蔽されやすいという特徴があります。
しかし、家族や社会が医療行為の透明性を求め、積極的に関与することで被害を未然に防ぐことが可能です。この記事を通じて、医療殺人の実態を理解し、大切な命を守るための意識を高めましょう。

次回予告:
次回は、「高齢者が狙われやすい医療詐欺の手口と背景」をテーマに、高齢者を標的にした詐欺の実態とその背景を深掘りします。ぜひご覧ください。

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