裏デッキビルド杯#1ベストジョニー賞「バイオ兵器キリンソード」構築解説
デュエプレユーザーの皆さん、こんにちは。
この記事は先日行われたユーザー大会「裏デッキビルド杯#1」にて私が使用し、晴れてベストジョニー賞を獲得したデッキの解説となります。
大会概要はこちら。
当のデッキレシピはこちらです。
正直この解説に需要があるとは全く思っていませんが、ベストジョニー賞がとても嬉しかったのと、折角頑張って完成させた構築なので披露させてください。
概要
このデッキが何を目指しているのか簡潔に述べると、キリン・レガシーのメテオバーン(以下MB)によるバイオレンス・サンダーの踏み倒しです。
そもそも、キリン・レガシーとは何ぞやという方のために一応彼のことも解説しておきます。
正式名称を双流星キリン・レガシー。
多色クリーチャー2体を進化元に召喚できる進化Vのフェニックス。
自分の他のクリーチャーを召喚する度にMBが発動し、その際墓地に送ったのと同じ名前を持つクリーチャーを山札からバトルゾーンに出すことができます。
平たく言えば進化元にしたクリーチャーをマナコストを支払わずに再度バトルゾーンに出す能力の持ち主です。
彼を利用してバイオレンス・サンダーを踏み倒す具体的な手順は、以下のようになります。
1、手札のバイオレンス・サンダーを進化元にアンドラージを召喚
2、上記のアンドラージを進化元にシルヴェスタ・V・ソードを召喚。
3、更に上記のシルヴェスタを進化元にキリン・レガシーを召喚。
4、アルドロンのグラビティ・ゼロ(以下G0)やユウコのマナ爆誕を駆使してMBを3回発動。
5、アルドロンの上にバイオレンス・サンダーを召喚。
理想的なムーブが達成できるとこのような盤面が完成します。
構築の経緯
そもそも何故このような構築を組むに至ったかと言えば、シルヴェスタ・V・ソードを経由することでキリン・レガシーから単色クリーチャーを踏み倒すギミックを活かしたかったからです。
シルヴェスタは多色クリーチャーなのでキリンの進化元にすることができ、更には自身の進化元は火か水文明であれば単色クリーチャーであってもかまいません。
この性質を利用することで、間接的に単色クリーチャーをキリンの進化元にして踏み倒すことができるわけです。
しかしながら、この方法で踏み倒したいクリーチャーとなると、候補の選定はかなり難しいものとなりました。
それもそのはず、順当にいけば進化元はシルヴェスタよりも低コストのクリーチャーになるはずで、手間暇かけてゲーム終盤に踏み倒したところであまり勝利には結び付きません。
かと言ってシルヴェスタより高コストのフィニッシャーがバトルゾーンに出ている状況なら、今度は進化の必要が無くなります。
このジレンマを解消するためには、シルヴェスタより早くバトルゾーンに出ることのないクリーチャーをシルヴェスタの進化元にする、という何が何だかよくわからない操作を要求されます。
散々悩んだ末に目を付けたのが特殊進化クリーチャーです。
バトルゾーン以外のカードを進化元に出来る特殊進化を活用すれば、どんなに召喚の難しいクリーチャーでも間接的にシルヴェスタ、ひいてはキリンの進化元にすることができます。
コンボを成立させるために、都合3回のMB発動というバカみたいな要求値を満たす必要がありますが、理論上は可能。
そして可能ならば実現させるしかありません。
数ある特殊進化の中から選んだのは、魔皇アンドラージ。
下準備が比較的容易い手札進化。
バトルゾーンに出たとき山札を掘ってくれるので、コンボパーツ集めにも有用。
更には引きすぎたカードは墓地に送って、アルドロンを通し山札に戻すことができます。
このおかげでキリンの踏み倒しが非常に安定したものに。
普段は大して強くないカードですが、何故かこのデッキに必要な要素を全て兼ね備えています。謎。
アンドラージの進化元にするカードとしては極仙龍バイオレンス・サンダーを選択。
手札進化に対応した水文明のクリーチャーで、1枚でゲームを決めうるポテンシャルの持ち主。
普通に召喚することは困難なので、回りくどいコンボを用意するだけの言い訳ありと、こちらも求めるものすべてが備わったカードです。
MB発動のために召喚したアルドロンを進化元に出来るのも高評価。
これらのカードを軸に残りの枠を埋めたのが、前掲の「バイオ兵器キリンソード」デッキとなります。
個別カード解説
・双流星キリン・レガシー *3
本デッキの主役。
能力は前述のとおりですが、実は進化クリーチャーも踏み倒せることはあまり意識されることがありません。
バイオレンス・サンダーも当然踏み倒せます。MBを3回発動するというハードルを越えることができれば。
労力とデッキパワーが全く見合っていません。
最後の最後で1枚使えれば良いので、投入枚数は3にとどめています。
マナ基盤としても非常に優秀なので4枚入れたい気持ちもありましたが、多色カードは可能な限り減らしたほうが動きやすいので、ここを削りました。
・戦攻闘竜アルドロン *4
キリンのMB起動役として最適なカード。フェニックスがいるだけでG0条件を達成します。
さらにはキリンのMB発動に先駆けて墓地のクリーチャーを3枚山札に返してくれます。
踏み倒したいカードを引きすぎてしまっても、何かしらの手段でいったん墓地へ落としておけばキリンの効果が確実に成功するわけです。
言うまでもなくキリンとのデザイナーズコンボを意図したカード。
通常のキリンデッキにおいては3枚程度に抑えることも多いのですが、本デッキはMBを3回も発動しなければ真価を発揮できない都合上フル投入しています。
普段はバトルゾーンに出た後腐りがちですが、この構築においては踏み倒されたシルヴェスタやサンダーの進化元に出来るので無駄がありません。
・爆裂大河シルヴェスタ・V・ソード *3
コンボパーツその1。かなり緩い条件で単色クリーチャーを進化元にできる多色クリーチャー。
おまけで付いてくる炎槍と水剣の裁きもそれなりに有用。
コンボパーツが同時にドローと除去も兼ねてくれるのは結構嬉しいです。
4投と行きたいところですが、彼自身は最悪キリンの効果で踏み倒せずとも問題なく、設計図やアンドラージのドローで手札に1枚引き込むことができればよいと考え3投。
キリン以外で多色カードを削れるとしたらここしかありませんでした。
・魔皇アンドラージ *4
コンボパーツその2。シルヴェスタの進化元とするカードについて考えた結果、最も望んだ動きを再現しやすいのはこのカードと判断しました。
その偉さについては前述の通り。
付け加えるなら、キリンがサンダーを踏み倒す過程で再登場&2ドローするので、アルドロンの数が足りない状態からでもコンボを成立させてくれることがあります。
キーカード中のキーカードなので当然の4投。
・極仙龍バイオレンス・サンダー *4
このデッキのフィニッシャー。
是が非でもキリンの効果で踏み倒したいこと、アンドラージの進化元とするため早期に手札に加えたいことから魂の4投。
・ガントラ・マキシバス *4
キリンのもう一方の進化元。
火、水、自然のデッキカラーでマナ加速が可能な3マナ以下の多色クリーチャーとなると彼しかいませんでした。
最速で出せればシルヴェスタの着地を1ターン早めることができます。
火文明のウルコスが欲しいなあと思いつつ取り合えず4投。
・進化設計図 *4
コンボパーツの大半が進化クリーチャーなので優秀なドローソースとして採用しました。
ヴァルドリルも含めればデッキ内の進化クリーチャーは実に17枚。
期待値はぱっと見2.5枚くらいだと思います。
4投しない理由がありません。
・未来設計図 *4
進化設計図では手札に加えられないガントラやアルドロンを引き込むために採用。
進化設計図を早期に引けなかった時の保険にもなり得ます。
枚数は迷いましたが、唱えるタイミングによっては実質ワイルドカードのようなもの。
デッキの回り方が大きく変わってくるので、4投の価値ありと判断しました。
・雪布妖精ユウコ *3
アルドロンの枚数が足りなかったときに、不足を補ってくれるマナ爆誕2のクリーチャー。
手札がかつかつになりやすいので、マナからMBを発動してくれるのは非常に助かります。
当初は陰陽の舞を採用する予定でしたが、素のコストも2マナであり手札からもプレイしやすい点を評価してこちらを採用。
アンドラージがついでに踏み倒された際のドローで引き込むことができれば、そのまま召喚できる可能性があります。
あくまでアルドロンの予備に過ぎないので枚数は3。
・機真装甲ヴァルドリル *3
デッキ進化、パワー3000、バトルゾーンに出たターンだけアンタップしているクリーチャーをアタックできます。
アンドラージが引けなかった時の保険……にはあまり成り得ないカード。
どちらかと言えば進化設計図で拾える火文明単色カードとしての役割を期待しています。
手札消費が激しいうえに多色カードが多いので、コンボパーツのついでに引いてきて気兼ねなくマナに埋められるのは見た目以上に重要です。
逆に言えばこの枠は火単色の進化クリーチャーなら何でもいいのですが、おまけでついている除去能力に魅力を感じて、このカードを採用。
カジュアルな大会とは言えコッコ・ルピアを倒したい場面くらいはあるかもしれないと考えていました。
進化成功率は4/5とやや信用がおけません。
・アクア・サーファー *4
実質シールドトリガー0枚のデッキはいくら何でもカジュアルが過ぎるのではないかと考え、どうにか枠をこじ開けました。
4投したところで勝利に貢献したわけでもなく、カジュアルが過ぎるデッキなのには変わりありませんでした。
構築解説は以上となります。
実戦にはまず不向きで、裏ビルド杯のような極めて限定された場でしか活躍の機会はないであろう異質な構築ではありますが、そんなデッキなりに頭をひねって作り出しました。
この記事が少しでもお楽しみいただけていれば幸いです。
おまけ
・鳳翔竜機バルキリー・ルピア
種族を参照して単色カードから進化できる多色クリーチャー。
・竜装ムシャ・レジェンド
種族にアーマード・ドラゴンを追加できるクロスギア。
……
おしまい。