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いざ診察

この記事の続きです。

さあ。紹介状とCD-ROMを持っていざA病院受付へ。
紹介状を渡す時、「あの中身はなんて書いているのだろう」と気になった。
紹介状は開封厳禁らしい。
紹介状の内容とCD-ROMは受付で預かって、データを医師へ送る。
私は、受付ファイルを持って泌尿器科へ。
泌尿器科の受付をし、待合室で順番を待つ。

ボーとしながら、母と順番を待つ。
これは現実なのだろうか。男性の方が多いし。私くらいの年齢の患者は、この日はいなかったと思う。
同世代の人を見つけても、たぶん親の診察についてきた人だ。

「とりのこうさん。診察室にお入りください」
とうとう来た。入りたくない。やだやだ。

嫌だと思っていたら、看護師さんがドアを開けてくれた。
「失礼します。よろしくお願いします」
と入る。先生がこちらを見て挨拶をしてくれた。
「この人がこれからお世話になる先生」
そう思いながら、席に着いた瞬間モニターをみると

「尿膜管ガン疑い」
はっきり見えた。びっくりした。隠さないんだ。
「やっぱり」という思いと「そんなストレートにきますか」と目を点にしていると、A先生が話し出した。(主治医の先生をこれからA先生と表記します。これから先、私は色んな科の先生にお世話にになります)

「とりのさん初めまして」
・・・
「尿膜管ガン疑い」の文字にびっくりして、この後の記憶があいまい。
電子カルテの紹介状にある「ガン疑い」の文字から目を離せない。
もう確定じゃん。(確定ではない)

私の姿をみてどうやら母の方へ話を続けたらしく、A先生の方を見たときにはA先生は、母の方に話しかけていた。
私も先生の話に耳をかたむけると、3泊4日の入院をして検査手術をするという説明が始まった。

膀胱の中に内視鏡をいれて腫瘍をすこし削り取る。
そして良性か、悪性かを判断する。
「削り取る」なんて怖い響き。身を削る。

続けてA先生は麻酔について資料を私たちに見せながら、説明してくれていた。
麻酔中に起こるかもしれない重大な副作用などの説明。
母と私はきっと顔がこわばっていたのかもしれない。
先生が
「ごめんね。怖い事ばかり書かれてるけど今の時代は全部説明しないといけなくて」
と申し訳なさそうにしていた。
「本当はもう一度内視鏡の検査したいけど、痛いのばかりかわいそうだからね。今回はいいか」

ほっとした。
先生は「これからちょっと術前の検査があるからね」
と説明をした。

ふらふらになって最後に「ガン疑い」をちらっと見て
「ありがとうございました」と挨拶をし、診察室を出た。
まだこれから検査が始まる。
もうすでに疲れてた。


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