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私が罹患している「尿膜管がん」について
・尿膜管がんについて
私は希少ガンの「尿膜管がん」というがんに罹患しました。
その「尿膜管がん」について少しですが、記事にまとめ書いてみました。
あと、私の体験談も少し伝えればと思います。
尿膜管がん(にょうまくかんがん、urachal cancer)は、膀胱と臍(へそ)をつなぐ胎児期の構造物である尿膜管に発生する非常に稀な癌です。尿膜管は通常、生まれる前に退縮して固い線維組織に変わりますが、完全に退縮しなかった場合、その遺残部分から腫瘍が発生することがあります。
尿膜管がんは膀胱がんの1%未満の発生頻度です。
1. 発生場所と特徴
部位: 尿膜管は膀胱の上部(膀胱頂)から臍に向かって走っています。尿膜管がんはこの膀胱頂部分から発生することが多いです。
腫瘍のタイプ: 多くの場合、**腺癌(adenocarcinoma)**が多く見られます。これは粘液を産生する腺組織に由来する癌です。
2. 症状
尿膜管がんの初期症状は非特異的で、以下のような症状が現れることがあります:
血尿(肉眼的または顕微鏡的): 最も一般的な症状。
臍からの分泌物: 特に感染を伴う場合。
下腹部のしこりや痛み: 腫瘍が大きくなると自覚されることがあります。
頻尿や排尿困難: 膀胱への圧迫によるもの。
3. 診断
画像検査:
CTスキャンやMRIで腫瘍の大きさや位置、他の臓器への浸潤を確認します。
膀胱鏡検査で膀胱内の様子を直接観察することもあります。
生検: 確定診断のために組織を採取して病理検査を行います。
腫瘍マーカー: 一部の腺癌では、CEA(癌胎児性抗原)やCA19-9などの腫瘍マーカーが上昇することがあります。
4. 治療
尿膜管がんの治療は、腫瘍の進行度や患者の全体的な健康状態に応じて決定されます。
手術: 最も一般的な治療法です。
部分膀胱切除術と尿膜管の切除、場合によっては臍の切除も含まれます(膀胱頂部部分切除+尿膜管切除)。
進行がんの場合、より広範な手術(全膀胱摘除など)が必要になることもあります。
化学療法:
進行がんや再発時には化学療法が行われることがありますが、標準治療は確立されていません。膀胱がんや大腸がんに使われるレジメン(例:シスプラチンやフルオロウラシル)が適用されることもあります。
放射線治療: 一部のケースでは、補助的に放射線療法が行われることもあります。
5. 予後
尿膜管がんは発見が遅れがちで、診断時にはすでに進行していることが多いです。早期発見・治療が予後改善の鍵となります。
予後因子: 腫瘍の大きさ、リンパ節転移の有無、切除の完全性などが予後に影響します。
※免責事項
この記事は尿膜管がんに関する一般的な情報を提供するもので、医療専門家のアドバイスに代わるものではありません。具体的な診断や治療については医師にご相談ください。
私の初期症状は
血尿と下腹部の痛み。
私はずっと胃が痛いと思い込んでいて、胃腸薬を飲み続けていました。
この尿膜管がんとは関係ないかもしれないですが、13年前胃腸内科に受診した時
「胃が痛いんです」とお腹を押さえたら
「そこ胃じゃないよ」と先生に言われた事があります。
胃と思い込まずに「この辺りが痛い」と先生に伝えることって大事だとおもいました。
血尿が出る前の数か月間は、胃腸が痛いと思い込み、腹痛が出るたび胃腸薬をほぼ毎日服用。(だんだん痛みは強くなっていた)
でも痛みはとれず、よく横になっていました。(一時間ほどで治まる)
尿膜管がんの摘出手術をしてから、腹痛は無くなりました。
痛みの原因が胃腸じゃ無いなら、痛みが取れないのは当たり前か、と摘出手術が終了してから思ってます。(個人の体験談です)
そういえば、私が購入した「ひるなまさん」のがんの闘病コミックエッセイにも、クリニック受診の際「胃が痛い」と伝えたら先生が「そこ胃じゃないよ」という事が描かれてあったと思います。
痛みを伝えるのってとても難しい。
術前、この本を読んで治療に対するモチベーションを上げていました。
この本は何度も読み返しています。
巻末のリングフィットをしているイラストが好きです。
私は、最初受診した泌尿器科のクリニックの先生が
「尿膜管がんの疑い」と早く診断していただいたので、大きな病院までスムーズに移ることが出来ました。
他の尿膜管がん患者の方のブログを読んだことがありますが、すぐに「尿膜管がん疑い」と診断された方は少ない印象でした。
尿膜管がんに罹患して、初めて尿膜管というものがある事を知り、その尿膜管ががん化して、「尿膜管がん」に稀になることがあるという事を是非伝えたいと思い今回記事にしてみました。
2020年尿膜管がんをテーマにしたセミナーが予定されていたらしいのですが、コロナ渦で中止になったらしいです。
また是非「希少がん Meet the Expert」の尿膜管がんをテーマにしたセミナーしていただけたら嬉しいなと思ってます。
あともう一つ伝えたいことがあります。
尿膜管遺残という、尿膜管が閉じていない人も一定数いるらしく症状が出てる方は是非受診をおすすめしたいです。
お臍が赤く腫れたり、液体がでたり、痛みがでたら泌尿器科へ受診してみてください。
**尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)**は、胎児期に存在する尿膜管が出生後も完全に閉鎖・退縮せず、一部が残った状態を指します。通常、尿膜管は出生前に退縮して、臍(へそ)と膀胱をつなぐ管は消失しますが、これが完全に閉じないとさまざまな問題を引き起こすことがあります。
尿膜管遺残の種類
尿膜管遺残にはいくつかのタイプがあり、それぞれ症状や治療法が異なります。
尿膜管瘻(にょうまくかんろう)
特徴:膀胱と臍が直接つながっている状態。
症状:臍から尿が漏れる、湿る。
治療:外科的に尿膜管を切除し、膀胱を修復します。
尿膜管嚢胞(のうほう)
特徴:尿膜管の中間部分に液体がたまって嚢胞を形成。
症状:下腹部の腫れや痛み、感染すると発熱。
治療:感染時は抗生物質投与、再発や症状が続く場合は嚢胞の摘出手術。
尿膜管洞(どう)
特徴:臍側が開いており、膀胱側は閉じている状態。
症状:臍から透明な分泌液が出ることがある。
治療:感染リスクがあるため、必要に応じて手術で切除。
尿膜管索(さく)
特徴:尿膜管が完全に閉じてはいるが、線維状の痕跡が残っている状態。通常は症状なし。
症状:特になし(偶然の検査で見つかることも)。
治療:症状がなければ治療は不要。
尿膜管遺残の症状臍からの分泌物(尿や透明な液体)
臍の周囲の赤みや腫れ
下腹部の痛みやしこり
発熱(感染した場合)
診断方法超音波検査:臍や下腹部の異常を確認。
CTやMRI:嚢胞や瘻の詳細な位置や大きさを確認。
膀胱造影検査:膀胱と臍の間の連絡を確認。
治療法
感染管理:感染がある場合は抗生物質を投与。
手術:遺残した尿膜管を摘出するのが標準的な治療。手術は腹腔鏡下で行われることが多く、体への負担が少ない。
尿膜管遺残とがんの関係
長期間尿膜管遺残があると、ごく稀に**尿膜管がん(特に腺癌)**へ進行することがあります。そのため、成人で尿膜管遺残が見つかった場合、予防的な切除を検討することもあります。
尿膜管遺残は子どもにも大人にも見られることがあり、症状が軽い場合も多いですが、感染や合併症を避けるために適切な診断と治療が重要です。
※免責事項この記事は尿膜管がんに関する一般的な情報を提供するもので、医療専門家のアドバイスに代わるものではありません。具体的な診断や治療については医師にご相談ください。
尿膜管遺残で症状が出た方は早期治療をおすすめします。
私と同じ尿膜管がんに罹患することを未然に防ぐ事が出来ますように。
長くなりましたが、記事をお読みいただきありがとうございました。
(また記事を書き足すこともあるかもしれないです)