仕事は人生の大部分だけれど、全部ではない
フリーランスとして、安定した仕事量を請け負えるようになるまでには、がむしゃらに仕事をしなければならない時期もあります。
不本意な仕事であっても、経験を積むためと割り切って引き受けること。
逆に「やりたい」と思う仕事の話があっても、生活費を稼ぐための仕事がつまっていて引き受けられないこと。
色々な出来事を経験するのは、悪いことではありません。
それでも、仕事は人生の全てではありません。
フリーランス生活を始めてみて、思ったより収入がない、性格的に合わない、などの問題が起こっても、それは人生そのものを否定されたわけではありません。
だから、撤退を決めること、今は起業しないという選択をすることも、恥ずかしいことでもなんでもない。
より幸せな人生が他にあるというだけです。
残念だし怖いことは、
「仕事がうまくいかないから、人生はもうダメだ」
と自分を追い詰めてしまうことです。
私たちは命の期限を自分で決めることはできませんが、仕事がなくなっても、命がある間は「何か、やるべきことがある」という意味なんだと思います。
フリーランスとして、仕事上のトラブルに遭遇した時も、必要なのは冷静さであり、感情の固まりになっていは物事が解決しません。
「このトラブルを解決できなければ、もう人生の終わりだ」
という悲愴さを持って取り組むのではなく、
「仮に、仕事がなくなったとしても、人生の終わりじゃない。生命の終わりじゃない」
と考えて、冷静になれることのほうが、よほど大事でしょう。
今では、仕事に関して冷静に考えられる私ですが、そうではなかった時期もありました。
私が30才くらいのとき、突然アナフィラキシーショックになってしまい、体調がおかしいと感じてから、わずか数分で意識がなくなってしまったことがあります。
本人は何が起こっているのか分かりませんが、後から、そのまま亡くなってしまう人もいるような事態だったと聞かされ、
「まずは、命があること。今の仕事を失おうと、命がある限り生き抜いていくという覚悟を決めること」
このことが大事だと、気づかされたのです。