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dボタン投票とTwitter投票、両方やった意義
R-1ぐらんぷり2020のお話。
最初は萌ポイントな場所でも羅列しておこうかと思ったのですが、ただ単に南條さんへの愛を語るしか無くなりそうだったのでとりあえず保留です。
それよりも、タイトルで書いた投票システム考察のほうが必要かなあと。
dボタン投票のデメリット
dボタン投票とは、TVのデータ放送システムを利用したリアルタイム双方向投票システムです。通常放送とは別に、各種情報を発信したり視聴者の反応を伺うことができるシステムを応用して、ボタンの色で投票させるというシステムが有るのです。ただし、これを利用するには、各家庭のTVがインターネットに接続している前提になっていないと難しいのですが。
そのTV番組を見ている人が参加でき、かつリアルタイムに結果の分かるこのシステムは、割と馴染み深いものになりつつあります。ただ、難点が一つありまして。
このシステムを利用するの、めっちゃ高いらしいんよ。
dボタン投票システムの使用料はTV局側の負担(番組制作費)になるわけですが、不況の今、このシステム料が割と重荷になっているようです。しかも新型ウィルス騒動で無観客。視聴率もどうなるかさっぱりわからない。というか、そもそも論として、それまでのR-1自体、視聴率が低い番組。しかも裏番組は割と強力。
というわけで、第12回(2014)にR-1で取り入れられたdボタンお茶の間投票については、前回第17回(2019)に一旦廃止させられたのでした。
無観客開催を盛り上げるお茶の間投票
しかし、第18回(2020)は、新型ウィルス騒動の余波により、無観客生放送開催を余儀なくされました。延期とかできなかったのかと言われるのですが、今思えば「無期延期とかも普通にしんどいでしょ、決勝進んだ芸人さん待たせることになるわけで」という話でもあります。
とはいえ、無観客のピン芸を2時間も見てくれる視聴者などいるのかどうか。そうだ、現場にお客さんはいなくても、TVの視聴者も芸人さんに投票してもらうシステムにすれば、少なくとも投票する層は最初から最後まで真剣に見る!はず!
実際そうなんですよね。dボタンを操作するということは、目の前に番組が写ってるという状況でないと成り立ちませんし。
というわけで、投票システムを再度復活させることに決めたものの。
dボタンは使用料が高い。今回はやむなしとして、来年以降どうするか。
地方局の希望、Twitter投票
予算の少ない地方局にとって、dボタン使用料の高さはネックとなっておりました。番組によっては、専用サイトに誘導の上そこから投稿してもらうなどの手法をとっておりましたが、それも手間がかかります。
そんな中、光を当てられたのがTwitter投票。アカウントを作り、アンケートをつぶやく。めちゃめちゃ安価!
Twitter投票のネックは「いつ締め切りを作るか」。時間を設定しても、番組進行とずれることがあり、特に時間配分にシビアな生放送中の導入は難しかったのですが、アシスタント(今回は粗品さん)がタブレットでスクショしたタイミングを締め切りにし、スクショの画像を証拠に投票順位を決めるという手法で乗り切るという。ぶっちゃけ、力技ではあるのですが、Twitterの投票はパーセント表示でグラフ表示されるので、その投票結果の画像をわざわざ作らなくても、画面スクショでどうにかなるというおまけ付き。
この「番組制作予算の削減」かつ「見た目的にもそこそこしっかりしたものを見せられる」Twitter投票は、各局がどこかで実験したいと思っていたもののようです。東京キー局はさておき。
dボタンとTwitter、両方やった理由
ただし、Twitter投票を導入した結果がどうなるかは、誰もわかりません。やったことないですし。
一番怖いのが、dボタンとTwitter投票とで乖離が起きること。Twitterの場合、番組を見てなくても投票可能ですからね。Twitter投票を本格的に導入するためには、dボタンとTwitter投票で結果は殆ど変わらないという資料が必要でした。
というのもあって、両方導入したのではないかと思われます。結果として、dボタンとTwitterで結果は大きく変わらないという「資料」が得られたので、今後の地方局における投票システムがTwitter投票に移行する流れができるのではないかなと思うのですが。
両方やった弊害
ただ、ですね。
当然のことながら、dボタンとTwitter投票、両方投票する人が出てくるのは予想の範囲内だったよね。家族で見てる場合、家族の意見が割れた場合はdボタンとTwitterで別の人を投票することができると考えたのかもしれないですけど。
普通、そういう事考えずに、Twitter民はdボタン押してTwitterも投票するよね!人によってはTwitterの複垢を駆使して、同じ人に複数投票とかしてたっぽいよね!そういうの公言してる人ちらほら見かけるけど!っていうか、そういうことを芸人さん本人に@飛ばして言うな!
そりゃあ、人気投票じゃんと言われてしまうわけですよ。
あと、dボタンとTwitter投票のそれぞれが持ち点6ずつ(1位3点、2位2点、3位1点、4位0点)となったせいで、視聴者投票だけで6点稼ぐことができるというおまけ付き。
……視聴者投票がどちらか1つだけだったら、確実に南條さんはファイナルステージ行けなかったってことだよね……。森下さん決勝進出だったか……。
森下さんのネタ、決して嫌いではないんだけど、TV的にはどうだったんだろうか……(うちの旦那はしかめっ面してた)(あれは人を選ぶよね)。
賞レースで実験を行う是非
例年、R-1優勝者が知名度を上げるかと言われると、あんまり上がってはいなかったりします。メインがカンテレ側…つまり関西のTV局ゆえの問題かもしれませんが、M-1と違ってR-1優勝者を積極的に使おうという動きが少ないのよね。コンビ芸人の片割れが優勝した場合はともかくとして。
この点、賞レースとして番組構成が未だ微妙にアレなThe Wのほうが、番組プッシュはちゃんとしてるなあと思っています。まあ、R-1の場合、ひな壇に向いていない芸人さんが優勝しがちゆえ、若手芸人はまずひな壇でパーソナリティを見分けるという過程で振り落とされやすいという問題が解決しないのですが。
という理由もあって、あえて結果取得のための実験をR-1でやったのかもしれませんが。
賞レース人気投票になるのは、どうなの。
いや、ピン芸をやって視聴者が一番面白いと思った芸人が優勝!って番組はあっても問題ないんですけど。令和のピン芸は視聴者ファースト!ってのもありなんですけど。
そういう方向に舵取りをしたのなら、そういう説明は欲しかったなあと。あと、人気投票形式になるのなら、予選~準決勝・敗者復活戦が作家審査なのはどうなのかと。
新型ウィルス騒動のせいでゴタゴタしたのは否めないのですが、このへんはちょっとなあと思ってる何か。
「面白い」と思う基準
The Wもそうなんですけど、R-1で出される笑いって、ものすごく範囲が広いんですよね。ボキャ天世代に通じそうな言い方をすると、「バカパクからシブ知まで」といいますか。
そして、バカパクこそ笑いの至高!という人もいれば、いやいやシブ知でしょうって人もいる。私個人はインパク知~シブ知あたりがツボなのですが、そういう笑いが時代にあっているかどうかはよくわからなかったりします。
バカパクとシブ知、どっちが面白いかって、決められるものだろうか?って思うんですよね。〇〇さんがオモシロイと思ったもの、という決め方は間違ってはいないでしょうが…それと万人受け視聴者受けと一致するかどうかは別なんですよね。
昨年のThe Wも視聴者投票と審査員票が一致せず、視聴者ないがしろ!という批判がありました。今回のR-1は視聴者を蔑ろにしないという前提であれこれ決めていたのでしょうが。
ほんと、笑いって、面白いって。難しいんですよ。
万人受けする笑いなど、この世のどこにもないんですから。
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![濱澤更紗](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/676714/profile_fc82ab9f6baffbbe601d74789e823998.png?width=600&crop=1:1,smart)