神は2度天使を召されゆく
「てんしとあくま」の川口さんが亡くなられた。持病の内臓疾患によるものだそうな。36歳。早すぎる。まずは、お悔やみ申し上げます。
時々TVや大阪チャンネルでネタを拝見する程度で、私自身はファンと呼べるかどうかは怪しいレベルであります。とはいえ、私より若い人、そして、ネクストブレイク枠に入っていたと思われる芸人さんという程度には知っておりました。
歌ネタ、好きだったなあ。確かにコレ聞くと正しいのが思い出せなくなるんや。
急死、突然。前日まで普通に生活していたそうな。
川口さんは一応「てんしとあくまの悪魔担当」とされていたけれど。私からしたら笑いを届けてくれる芸人さんはみんな天使なんですよ。
このことを知ったとき、ふっと頭によぎったのは村田渚さんの件。彼も35歳で急死だったっけ。若くして亡くなる、しかも闘病していたとかという兆候もない人の死は特に悲しい。心の準備ができていないから。
村田渚さんって、元フォークダンスDE成子坂の方です。ボキャブラ天国をやっていた頃、あの枠で一番好きだった芸人さん。ボキャ天終了後に色々あって成子坂は解散したんだけど、同じくボキャ天芸人と呼ばれた元坂道コロコロの松丘さんとコンビを組んで、M-1に出ていたことを知ったとき、すごく嬉しかったのを覚えている。
その翌年、M-1の3回戦が終わったあとに、彼は突然、天国へと旅立っていった。ニュースを見たとき、自分でもアホみたいな絶叫を上げていたのを、薄らぼんやり覚えている。いや、村田さんはまたいつかTVや舞台の世界であの才能を見せつけてくれると信じていたから。というか、死とかそういう世界とは無縁だと思いこんでいたから。
私が鼻エンジン(村田さんと松丘さんのコンビ)を知ったM-1は2005年。彼らを見るために珍しく敗者復活戦を見た記憶がある。そのときに知ったコンビの一つにバルチック艦隊がいた。そして、翌年のM-1ではどちらも見ることは叶わなかった。いや、バルチック艦隊は予選にはいたんだけど。
今回の訃報で、ふと、そんなことを思い出してしまったのだ。
あのとき、私はなぜ、神は面白い芸人という「天使」を連れ去ってしまうのだろうかと。そして、今回もまた、神は天使を連れ去っていってしまった。
芸を愛する人達の、心の置き場を用意しないまま。
急死というものはそういうものだと理屈では理解できていても、なお、辛くて苦しいもの。
私は、ただの一般人で、ただのお笑い好きである。川口さんの思い出を語れる資格は何一つない。そういう話は、ファンの方とか、芸人仲間さんの記事・つぶやきにものすごく濃縮された愛が描かれているから。
ただただ、「天使」を召された神に恐れおののきつつ、誰かの心の中で「天使」が生き続けることを願うのみである。
たぶん、誰かの中で新しい取っ掛かりが生まれてるはずだと、信じてるから。現:すゑひろがりずファンである私が、バルチック艦隊を最初に見たきっかけが村田さんだったときのように。
人はいつか死ぬ。そんな事はわかっているのだけれど、なんて運命の神というものは残酷なのであろうか。
……最後に、これを書くまでに胸を突いた芸人仲間の皆様の追悼つぶやきを貼っておきます。
1つは、相方のかんざきさん。ただ、これは追悼つぶやきかどうかは確信がもてないんですけど。
そして、もうひとつ。言霊の力に押された芸人さんの追悼つぶやき。
これ、芸人仲間も、ファンの皆様も、同じこと思ったんじゃないかな。今、このとき、劇場が閉まってて、おいそれと外出もできず、下手したら葬式参列もできなくてお別れの会も開けないかもしれないから。