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元採用担当が解説|公務員試験で有利な資格5選

こんにちは。元県庁採用担当でキャリアアドバイザーの岩井です。

公務員を目指している方の中には、これまでの仕事や勉学を活かして資格を取得している方も多いと思います。

それらの資格は公務員としてのキャリアの中で役立つだけでなく、採用試験での加点要素にもなる可能性があります。もちろん、公務員試験では、筆記試験や面接試験に多く配点が割り当てられており、資格による加点は微々たるものです。しかし、受験者数の多い公務員試験では、その微々たる加点が順位を大きく左右します。

今回は、公務員試験で有利な資格を5つご紹介します。ここで紹介する資格を既に取得している方は、書類選考時に必ず申告し、その強みを面接でもアピールしましょう。また、数年後に公務員試験を控えている方は、受験対策が本格化する前に資格取得を目指してもよいかも知れません。



公務員試験で有利な資格5選

1. 語学系資格

近年、国際化の進展に伴い、行政機関の多言語対応が急務となっています。このため、国家公務員、地方公務員、公安職、行政職を問わず、語学系資格は大きな加点対象となります

以下に、加点対象となる大まかな目安を示します。

<英語>
TOEIC … 600点以上(公安系は470点以上)
TOEFL … 50点以上
英検 … 2級以上

<中国語>
中国語検定 … 2級以上(公安系は3級以上)
中国語コミュニケーション能力検定 … 550点以上
漢語水平考試 … 筆記:6級、5級 180点以上、口頭:高級60点以上

<韓国語>
韓国語能力検定 … 4級以上
ハングル能力検定試験 … 準2級以上

なお、受験要項に記載されているのは英語・中国語・韓国語の資格が多いと思いますが、これ以外の言語の資格であっても加点される場合があります。

特に警察や消防など、指令室業務のある官公庁では、スペイン語、ポルトガル語、ベトナム語、フランス語なども加点対象となる可能性が高いです。


2. 情報処理技術者試験

言語系資格と並んで加点されやすい資格です。

情報処理技術者試験には、以下のような種別があります。

・ITパスポート試験
・情報セキュリティマネジメント試験
・基本情報技術者試験
・応用情報技術者試験
・高度情報処理技術者試験

この中で、加点対象となりやすいのは「情報セキュリティマネジメント」「基本情報技術者」以上の合格者です。「ITパスポート」については、ITの基礎知識を身に付けている証明にはなりますが、加点対象とはならない場合が多いです。

応用情報技術者」は、難易度は高いですが大きな加点要素となります。最近では、学生でも取得する人が増えてきました。

高度情報処理技術者(スキルレベル4)」については、言わずもがなですが、極めて大きな加点要素となります。なかなかお目にかかれる人材ではありませんが、合否を左右するほどのアピール材料です。


3. 行政書士

行政書士は、官公署へ提出する書類の作成や、許認可申請の代理業務などを行うことができる資格です。

公務員と行政書士の業務には深い関連性があります。なぜなら、行政書士の主な業務は官公庁に対して行うものであり、行政書士が提出した書類の確認や審査は公務員が行うためです

行政書士資格を取得しているということは、法令に基づく申請手続き全般の知識を有しているということであり、資格加点のほか、志望度を示す意味でも大きなアドバンテージとなります。

なお、行政書士は合格率10%前後の難関資格ですが、主な試験範囲は憲法・民法・行政法であり、これは公務員試験の専門科目と重複します。このため、採用試験対策のついでに取得してしまう人もいます。

企業の法務部や総務部など、活躍の場が多いため、民間就活にも活かせるという点も魅力です。


4. 簿記検定

簿記とは、組織の経営活動を記録・計算・整理して、その経営成績と財政状態を明らかにする技能のことであり、その習得度を測るのが簿記検定です。

簿記検定は、2級以上であれば多くの公務員試験で加点対象となります。

具体的には、高度な経理・会計知識が求められる国税専門官や税務職員の採用試験で加点要素となるほか、大部分の警察官採用試験でも加点対象となります。

合格率は10〜20%程度と、決して簡単な試験ではありませんが、勉強に専念できる学生であれば2〜3ヶ月程度で独学合格を目指せます。試験本番まで年単位の余裕がある方は、ぜひ挑戦してみてください。


5. スポーツ歴

ここまで紹介した資格とは少し異なりますが、武道(柔道・剣道など)の段位や、全国規模で行われる大会(全日本選手権、国民体育大会、大学選手権、全国高校総合体育大会)での成績も、扱いとしては資格加点になります。例外として、吹奏楽部での活動成績はスポーツ歴と同様に扱われる場合があります。

これらは、実務でのバイタリティやチームワークの発揮につながる資格・経歴であるため、特に公安職(警察官・消防官・海上保安官など)の採用試験で重視されやすい傾向があります。


まとめ

今回は、公務員試験で有利な資格について解説しました。

冒頭でも述べましたが、公務員試験における資格加点は微々たるものです。しかし、受験者数の多い公務員試験では、たった数点の差が大きな順位差を生み出す可能性があります。

また、資格があることで面接時の自己PRに説得力を持たせられるほか、採用側としても即戦力としての成長期待が高まります。

もちろん、公務員試験対策そっちのけで資格勉強するのは本末転倒ですが、試験本番までに時間的余裕がある方は、受験勉強が本格化する前に資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。

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