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面接で高評価!警察官に求められる資質を元警察官が解説

こんにちは!元警察官の三沢です。某予備校で警察官採用試験対策の特任講師をしております。

今回は、警察官に求められる資質について解説します。

警察官採用試験に合格する人にはいくつかの共通点があり、特に面接を通過する人と落ちる人を比較してみると、人物像や話し方、自己PRの方向性などに大きな違いがあります。

いずれの特徴も、一朝一夕の努力で身に付けるのは難しいですが、警察官の実務を考慮すると「たしかに重要だよな」と納得できる資質ばかりです。

本記事で紹介する資質を踏まえて、模擬面接を繰り返し、自分自身の見せ方などを工夫すれば、面接に受かる確率を大きく高めることができるでしょう。

それでは早速、みていきましょう!



警察官に求められる資質5選

警察官に求められる資質1:高い倫理観

警察官採用試験において、もっとも重視される資質です。

倫理観とは、人として守るべき善悪や是非の判断や判断基準に対する捉え方・考え方のことです

すべての公務員は、法令を遵守し、誠実公正に職務を遂行する義務があります。中でも警察官は、犯罪から人々の生活を守り、社会秩序を維持する存在です。このような職務の性質を考慮すると、高い倫理観は警察官にとって絶対に欠かすことのできない資質と言えます。

なお、警察官が持つべき倫理観とは、個人的な感情や偏見を超えて、客観的かつ公平な視点で物事を捉える能力です。万人が賛成するような善悪の基準ではなく、むしろ立場によって意見の別れる物事に対し、冷静な判断力を発揮できるかが問われます。

たとえば、警察官採用試験の面接では、「凶悪犯罪の厳罰化についてどう思うか」「昨今の警察官に対する市民からの反発についてどう思うか」「警察官の不祥事についてどう思うか」など、少しデリケートな質問を投げかけられることがあります。

このような質問に対し、市民目線で感情的な発言をしたり、一方的に警察の活動を擁護したりするのは避けるべきです。市民の感情、警察官の役割、法律の意義など、複数の視点を冷静に考慮した上で、あくまで「社会秩序を守るためには何が最善か」を伝えることが重要です。


警察官に求められる資質2:高いコミュニケーション能力

警察官の職務において、高いコミュニケーション能力は不可欠です。

警察官は、市民と直接接する機会が多いだけでなく、事故や災害の際には消防や自治体など他の行政機関との連携が求められます。また、警察官の仕事はチームでの活動が基本となるため、組織内のチームワークや信頼関係を高める上でもコミュニケーション能力は欠かせません。

警察官が持つべきコミュニケーション能力は、以下のような要素として捉えることができます。

<聞く力>
相手の話を注意深く聞き、理解することができる。

<伝える力>
情報を正確かつ簡潔に伝えることで、誤解のない効率的な意思疎通ができる。

<説得力>
論理的・感情的に他者を納得させることができる。

<非言語的コミュニケーション>
表情や身振りを通じて、言葉だけでは伝えられないニュアンスを伝えることができる。

上記の要素は、実際に受験者のコミュニケーション能力を測る評定項目として、面接やグループディスカッションなどの場で使われています。模擬面接をする際は、これらの着眼点を意識しつつ対策を進めると良いでしょう。


警察官に求められる資質3:迅速な判断力

警察官は、犯罪の取り締まりや市民からの各種申請の受理など、日常的に多くの法令判断を下さなければなりません。また、犯罪現場に臨場する可能性がある職種では、命に関わる判断を下さなければならない状況に遭遇することもあります。

このため迅速な判断力は、警察官にとってとても重要な資質であり、採用試験の面接でも重要な着眼項目となります。

具体的には、質問に対する応答時間自分の判断に対する自信の有無根拠に基づき判断を下しているかなどが重要な着眼点となります。投げかけられた質問に対していつまでも考え込んでしまったり、自分の考えを深掘りされた時に自信をなくしてしまうなどの態度は、警察官として望ましくないため注意しましょう。


警察官に求められる資質4:強靭な精神力

当然ながら、警察官の仕事は精神的につらいことも多いです。

市民からの理不尽な暴言、凄惨な事件・事故現場への臨場、人の死を目の当たりにすることも当然あります。また、近年は改善されてきたとはいえ、警察は閉鎖的な組織です。職場の人間関係で悩むこともあると思います。そんなストレスの多い労働環境の中で、冷静さを保ち、健康的に働き続けるためには、強靭な精神力が不可欠です。

採用側としては、限られた面接時間の中で受験者の精神力を評価するのは非常に難しいのですが、主な着眼点としては「過去の経験談」「表情の明るさ」「緊張の度合い」などが重視されます。

たとえば、「人生で一番つらかった経験はなんですか」「挫折経験を教えてください」などの質問は、困難に際して受験者がどう振る舞うのかを見極める質問です。救いようのない挫折経験など、ネガティブな結末で終わってしまう話題は避けた方が無難です。

また、面接に際して笑顔が少なく、ずっと暗い表情というのは、何かしらの心理的問題があると見られる可能性があるためNGです。

会話が途切れるほどの緊張を見せてしまうのも、警察官の実務を考慮すると心許ないです。いくら強面の面接官に質問されるとはいえ、もっと怖い人と話す場面など、警察官になればいくらでもあります。

精神力の強さは、言葉のアピールだけではなく、態度でも示さなければ評価されません。できる限り良い印象を持ってもらえるよう、笑顔を忘れず、ポジティブな態度で面接に臨むことが重要です。


警察官に求められる資質5:清潔さ

意外に思われるかも知れませんが、「清潔さ」も警察官にとって重要な資質のひとつです。清潔な外見を保つことは、受験者が自己管理ができる人材かどうかの重要な指標となるからです。

特に、服装が乱れている、靴が磨かれていない、無精髭が生えているなどは論外です

少し厳しい話ですが、身だしなみが悪い人というのは、仕事やプライベートを問わず素行が悪く、だらしない人柄な可能性があります。特に、採用試験の面接という重要な場ですら、身だしなみに気を遣えない受験生が、警察官になった途端に几帳面になるとは到底思えません。 このような人材を、警察官として採用するのはリスクが大き過ぎます。

また、警察官は職務上、銃器を取り扱うことがあります。国民の個人情報が記載された公文書を取り扱う機会も多いです。そのような物品の管理を、素行のだらしない人物に託すのは危険です。

受験者の外見は、その人の素行や職務に対する姿勢を反映する重要な要素と見なされますので、特に面接に際しては必ず身だしなみを整えてから受験しましょう。


まとめ

今回は、警察官に求められる資質について解説しました。

<警察官に求められる資質5選>
・高い倫理観
・高いコミュニケーション能力
・迅速な判断力
・強靭な精神力
・清潔さ

いずれの資質も、一朝一夕の努力で身に付くものではありませんが、警察官になることを本気で目指している方であれば、すでにその資質を備えていると思います。あとは、これらの資質を面接官に効果的にアピールできるよう、準備をしっかり進めるだけです。

具体的には、今回紹介した5つの資質を示せるエピソードを、自己分析を通じて整理しましょう。また、そのエピソードを自信を持って面接官に伝えられるよう、模擬面接を繰り返すことも重要です。

多くの場合、面接に受かる人と落ちる人の間に本質的な違いはありませんが、「準備」をするかしないかで合否は大きく変わるので、ある意味で自分次第だとも言えます。

納得のいく結果を手にするためにも、時間が許す限り準備を行い、自信をもって本番に臨みましょう。

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