【Interview04】1度きりの人生、せっかくなら好きなことを
「1度きりの人生、せっかくなら好きなことをしたい」
誰しもが、きっと、そう望むでしょう。
あなたはいつ、好きなことをしようと決めましたか?
こんにちは、小梅はるです!
好きなことをしている人にインタビューをする「SUKINKAKOTO」企画。
第4回目のインタビュー記事を公開しました!
今回は、地方公務員・Kindle作家として活躍する福島太郎さんにお話を伺いました。今でこそ、楽しんで執筆活動を続けていらっしゃいますが、過去には書くことを嫌いになった時期もあったと話します。1度、嫌いになった執筆活動を、どのように「好きなこと」として取り戻したのでしょうか。今の活動に至るまでをまとめたインタビュー記事の全文をnoteにも掲載させていただきます。
なお、Webメディア「SUKINAKOTO」では、写真付きでインタビュー記事をご覧いただけます。
あなたには好きなことがありましたか?
今も続けられていますか?
「好きなこと」を好きなままで続けるためのヒントがつまったインタビュー記事となっております。
好きなことを 好きな時に 好きなように書く
地方公務員・Kindle作家
福島太郎さん
「世のため 人のために働きたい」
子供ころから、特撮系のヒーローに憧れていた。世の中のため、人のためになれる仕事に就こう。
母親に公務員になることを期待されていたこともあり、高校卒業後に税関の職員になった。
しかし、税関職員としての職務を果たしているうちに疑問を抱くようになる。
「自分は人の役に立っているのだろうか?」
規則に従って輸出入を取り締まり、未然に犯罪を防ぐことで世の中の役に立てているのだろう。けれど、自分が思う「人のためになる」こととは、どこか違っていた。
目の前の人のために働いていたい。税関職員として働きながら夜間大学に通い始める。大学卒業のタイミングで市役所を受けなおし、福島県内の市役所へ転職。地元に戻り、市民のために働くことにやりがいを感じることができた。
特撮ヒーローのように世のため、人のために働きたい。子供の頃からの願いを叶えることができた。
しかし、もう1つ目指しているものがあった。モノ書きの仕事だ。
子供の頃は家が貧しかったことから、鉛筆1本で稼げることへのあこがれがあった。小学校の頃から、文章を書くのが得意で、作文コンテストで賞を取ったこともある。
この夢を叶えるため、30代に入ると執筆活動に励んだ。
公務員としての勤務の間に文章を書き、公募やコンテストに応募した。そのなかで賞を取ったこともある。けれど読者からの反応がもらえるわけではなかった。
「読む人もいないのに、書いてどうするんだ」
「無駄な時間を過ごしてどうするんだ」
焦りが募り、賞を取ることにばかり意識が向いた。
自分が好きなように作品を書くことができなくなったことで、いつのまにかモノを書くことが嫌いになっていた。
「もう執筆活動はしない」
役所の人間として生きていこう。
それからは一層「世のため 人のため」に働いた。人の役に立つことを考えた働きが職場でも認められるようになり、役職にも就く。だんだんと市民と接する外向きの仕事から、計画立案や予算のとりまとめといった内向きの仕事が増えていった。
「目の前の人のために働きたい」
自分の本当の気持ちを無視することで、役職は上がっていった。
自分の思いと反対に進んでいった結果、その影響が身体に現れる。
49歳の時に不整脈が悪化して救急搬送された。約2週間の入院期間、最初の2日間を集中治療室のなか1人で過ごす。
「このまま死んじゃうのかな」
死を身近に感じたことで、自分の人生と向き合った。
生き延びて退院したら、もっと好きなことをやろう。
今までできなかったことをやりたい。自分は何が好きで、何ができるのだろうか。
文章を書くことが好きだった。
ずっと務めてきた公務員の仕事であれば、誰よりも分かっている。公務員のための本を書こう。
Kindle出版1作目となる「公務員のタマゴに伝えたい話」を世の中の悩める公務員のために書き上げた。
ここまでの年月があったから書くことができた作品。
50歳になって夢が叶った。
現在は、役所でも好きなことができている。生活保護課の仕事だ。
貧しい家庭で子供時代を過ごした経験から、思うようにうまく生きられない人たちに寄り添うことができた。
ときには価値観の違いにより分かりあうことができず、利用者や他の団体の職員から厳しい言葉をかけられることもある。
それでも、両方の思いを理解できる自分だからこそ、つなぎ役として目の前の人に向き合うことができることに、やりがいを感じた。
「好きなことを 好きな時に 好きなように書く」
周りに面白い話を書く人はたくさんいる。自分が面白い話を書く必要はないんじゃないか?
「あの時1回死んじゃったのかもしれないから。後はおまけなんだとしたら、好きなように生きたい」
そう思って、楽しみながら、読者と自分のために作品を書いている。
これまで、地元である福島県を舞台にした作品をたくさん書いてきた。
会津美里町にある新鶴ワイナリーを題材に、ブドウ産地の開拓と恋物語を描いた「会津ワイン黎明綺譚」。
「日本一きれいなステンレス専用工場」と名高い株式会社羽田工業所をモチーフに、戦後から人の手によってバトンがつながれてきた中小企業を描く「黒田製作所物語」。
金山町にある妖精美術館をもとに描いた、若い公務員が町おこしに奮闘する「銀山町 妖精綺譚」。
どれも現実の出来事をもとに書かれた「空想と現実のミックスジュース」のような作品だ。
これらの作品を完成にまで導いていく背景には、協力してくれた人の存在があった。取材をさせてもらった企業や団体の方々だ。
「お世話になった人への恩返しがしたい」
自分にしか書けない作品を、多くの人に届けることで恩返しができるよう。これからも創作活動を続けていく。
文・インタビュー/ 小梅はる
福島さんの作品は現在、「創作大賞」にエントリー中です!
現場を知るからこそ書けるリアルな働く人の姿と、人間味あふれるキャラクター。ぜひ、その魅力に触れてみてくださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
あなたが好きなことをして生きていけますように。