「特捜最前線」

先日、渡哲也さんの記事で、「特捜最前線」のお話しを少しだけさせて頂きましたが、改めて、記事にします。

1977年4月から10年間の長きにわたり、テレ朝系で放映されてた刑事ドラマ「特捜最前線」。

二谷英明さん扮する神代警視正率いる、警視庁特別捜査課(特捜)のメンバーたちが、多種多様化していく凶悪犯罪に立ち向かい、解決していく姿を追ったドラマで、取り扱うテーマも、市井の人たちが関わる事件から政治家や果てはテロリストが関わる事件まで、事件の大小にかかわらず、当時の社会世相、流行も織り交ぜつつ、図らずもふとしたキッカケで犯罪者に身を落とした、あるいは事件に巻き込まれた市井の人たちと向き合う特捜メンバーたちの人間物語もしっかりと描かれてました。

当時、「太陽にほえろ!」「Gメン’75」「西部警察」と何かと比較されてたけど、社会派で大人な刑事ドラマとしての魅力と人間群像劇としての魅力も相まって、重厚かつ骨太なドラマとして強く印象に残ってます。

これまでの刑事ドラマにある、部下に尊敬される上司像とは一転して、捜査方針を巡っての刑事同士の衝突、部下と上司の軋轢とか、社会の不条理に向き合ったシーンも多かったけども、反面、仲間思いというか人が好きなメンバー達の魅力も相まって、独自なストーリー展開を構築。先行する他局の刑事ドラマと一線を画し、それらと人気を分け合い、10年続く刑事ドラマとなりました。

一見冷酷非情な指揮官だけども、正義感が強く人の情に厚い神代警視正、長崎県警の優秀な刑事だったが、ある事件で親友を逮捕したことで、迷っていたものの、神代警視正の計らいで特捜メンバーになり、トップクラスの射撃の腕と柔道4段と格闘能力の高さと、潜入捜査での活躍で、特捜ナンバー2のポジションとなった橘警部、元々はヘリコプターでの捜査を担当していたが、ある事件を追うために渡米してからの激烈な経験を機に、逮捕のためには手段を選ばぬ荒くれ者刑事となるも、次第に態度を軟化して、橘警部とともに神代警視正を支えていた桜井警部補、熱血感の吉野刑事、神代警視正とは旧知の仲で、その人柄から神代警視正らメンバーから「おやっさん」と呼ばれ親しまれた船村刑事、基本真面目で融通が利かないけど、実は人間臭い一面があり親しまれた紅林刑事、元大物政治家の愛人の子供で、その生い立ちゆえに、様々な苦労を経て刑事になったが、特捜に入ってエリート意識の強いキャラから庶民に一番近い刑事となり、家族の愛を知らない若い犯罪者や事件に巻き込まれた若者に対し、父親の居ること、家族のありがたみを諭す優しい一面を持った叶刑事などなど、個性はバラバラでも実は仲間思いで人が好きな好漢揃いでした。

もう一度、観てみたいですね。


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