息子が控えであることが苦しい親へ[少年野球]
「息子の出場数が少ないのが苦しい」
「大会で応援に行くのがつらい」
「ほかの子に比べて不公平だ」
「試合は雑用ばかり」
最初に夢と希望に満ちて始めた野球も、年を追うにつれて、体格、技術の差が表れ始め、なんとなく、レギュラーと控えに別れはじめるチームがあります。
少年野球は、上級生へ上がれば上がるほど試合数が増えます。
大きな大会ともなると、どうしてもレギュラー主体となります。
すると、心を痛める試控え選手の親が出てきます。
気持ちはよくわかります。
だって、今まで眼に入れても痛くないほどかわいかった息子が、なんだか周りから遅れている感じ、残念な感じを目撃することになるからです。
ではそんなとき、親はどのような心もちでいればいいのでしょうか。
親の気持ち優先で野球を奪わないように
まず気を付けなければならいないことは、親の気持ちが
「私が苦しいから辞めさせたい!」
という気持ちを優先して、子供から野球を奪ってしまうことにならないようして下さい。
まず一度、息子さんが野球を楽しめているかどうか 聞いてみてください。
この時、絶対にやめさせるという誘導がないように。
こうしてしまうと、息子さんがこれから何かを決めるときに、いつも親の顔色を気にする子供になってしまします。
親の気持ちを子供は敏感にキャッチします。
子供は自分が控えということに罪悪感を感じます。
控え選手であることは何も悪いことではありません。
ですから明るく「最近野球どう?楽しんでる?」くらいな感じで。
「うん」の一言があれば十分です。続けさせるべきです。
「・・・」(無言)であれば、そこで初めてその理由を聞きましょう。
そこから、これからの事を話し合うと良いと思います。
チームが理不尽であると感じる場合
まだまだかわいい小学生の息子さん。
親としてはどうしても強く感情移入してしまいます。
もしかしたら、息子が試合に出られないことが
理不尽!!!
と考えていらっしゃるかもしれません。
(体罰、暴言、飲み会強制参加、試合は親絶対参加
というチームは論外ですが)
でもよく考えてください。
将来大人の社会って理不尽だらけです。
実は息子さんは誰よりも早くにその理不尽を体験しているのです。
日本の会社が新卒採用するときに、過去にスポーツ経験者を優先するケースがあります。僕の感想ではそういう会社は多いです。
理由は、理不尽を経験してきている可能性が高いから。
社会はその経験を求めているのです。
もちろん監督は、できるだけ公平にチャンス、機会を選手に与えるべきです。
チームを強くするには選手の底上げが超重要です。
監督、コーチは、成長が遅れている選手の上達に尽力すべきです。
(上手い子は勝手に練習します)
ただ、違う視点で見ていただくと、たとえ最終的に控えで終わってしまったとしても、人としての成長で有意義なところも見えてくるのではないでしょうか。
試合の応援が負担に感じるとき
私は、もしあなたの息子が出場しないことで、応援に行くことを負担に感じているのであれば、無理に行かなくてもいいと思っています。
いまどき試合は絶対参加!というチームは少数派です。
なんとなく周りの眼が気になるようでしたら、たまに行くでいいでしょう。
送迎が負担と感じるのであれば、できる人に頼んでみるのもいいと思います。
たまに観に行ってあげて、
「しっかりサポートできてたね、えらい!」
と伝えてあげると、
こどもは「あ、しっかり見てくれているんだな」と思います。
でも、その時は、他の選手も思いっきり応援してあげましょう!
そんな親の姿もちゃんと見てますから。
野球を続けさせる意味はある?
私は「ある」と思います。
野球を最後まで続けることができた奇跡は、かけがえのない自信になります。
特に、控え選手の子にたいしてそう思います。
私も大学は補欠で悔しい思いもしましたが、今となってはいい思い出です。
社会に出ると、精神力、継続する力が必要です。
それをスポーツという楽しみを通じて学ぶことができます。
高校野球地方大会で見た2人の野球部員
ある夏の高校野球地方大会のバックネット裏でのことです。
制服を着た2人の野球部員が、真剣にメモを取っている姿を見ました。
脇に置いてあった野球バックの刺繡は名門の校名。
試合途中、場内アナウンスで他球場の途中経過がアナウンスされました。
2人の高校は別の球場で試合中。
その2人はベンチに入れず、仲間の応援にも参加せず、仲間の勝利を信じて次戦のための偵察をしていました。
もしかしたら今日負けるかもしれないのに。
一心不乱にメモを取り、球速を測り、ビデオを回すその姿は、
野球が好き
自分のチームが好き
みんなと甲子園へ行きたい
という純粋で謙虚な人間性を感じました。
嫌なら辞めてますから。
私の息子たちも、将来こんな素敵な子になって欲しいなと、本当に思いました。
決してこの経験は無駄じゃない
表面だけ見ていると苦しく感じると思いますが、この経験は決して無駄にならないと思います。
私は大学時代は補欠で、全く試合に出られませんでした。
でも野球は好きで、今も多少野球に携わらせていただいています。
みんないつかは野球を引退します。でも、せっかく出会えた野球。
短い野球人生、あっという間です。
親子一丸となってかけがえのない経験を味わっていただけたらと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。