去っていったあなたへ 〜声のお便り〜
こんにちは。ご無沙汰してます。
あなたが僕の元を去ってから、もう二年半になります。
お元気ですか。
時々伝わってくるあなたの「今」は、当時僕が思ってもいなかった輝きに満ちているけど、全く何もわからない部分もあって、僕にはそれがひどくもどかしく感じられます。
便りのないのは良い便り、って信じてはいますけど。
僕のほうは、あなたがいなくなっても、それなりに、楽しくやっています。
ひどいねって言うかな? 言っとくけど、いなくなったのはあなただからね。
まあでも、自分でも、こうして楽しんでいられるのは意外だし、ちょっぴり罪悪感みたいなものも感じてます。
時々、思うんです、僕はあなたを忘れかけてるんじゃないか、僕の中からはもうすっかり、あの頃の気持ちは無くなってしまったんじゃないか、って。
でも、思い出をひらけば、たちまち生々しくあの時の感情が蘇ってきて、僕はあの頃のままに、笑ったり泣いたりしてる自分を見つけるんです。
あなたと、あなたと過ごした日々は、やっぱり、いつまでも特別なんだと思います。
あなたの声、仕草、言葉、それら全部を、果てのない愛しさと共に、思い出します。
忘れないものは思い出せない、そんな言葉もあるけれど、あなたとの日々は、思い出に変わることで、ますます僕の中に深く根を下ろしたような気がしています。
別れの言葉を聞いた時は、目の前が真っ暗になりました。
あなたを恨みさえしました。こんなに辛い思いをさせるくらいなら、僕の前に現れないでくれたら良かったのにって。
でも、今は感謝しています。
だって、あなたのいた日々は、今も僕が前に進む力になってくれているから。
あなたの残したものが、今も僕を勇気付けてくれるから。
あなたとの別れすら、今では大切な思い出の一つです。
きっと、あなたは僕のことなんて、覚えていないだろうけど。
あの頃あんなに輝いていた、それと同じくらいの充実感を、あなたが今も感じていてくれたら嬉しいな。
いつも、あなたの……あなたたちの、幸せを、願っています。
あゆみくりかまきへ
けいりんより