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陰キャ大学4年生、人生初の同窓会に挑む。③

こんにちは。高校5年生です。

前回に引き続き、人生初の同窓会当日の様子をお届けしていきます。

開会までの談笑タイムは、とにかくそわそわしておりました。一緒に来た友人としか喋らなかったので、1人で来ていたら心が苦しかっただろうなと思います。始まったら忘れそうなので、友人に1枚写真を撮ってもらいました。ここに載せたいところですが、リアルの私を知っている方々に見られた場合の反応が怖いので、控えます。

喋っているうちに、周りでは続々と人が増えていきました。クラスによって集まる場所が決まっており、その中でまた男女でテーブルが分かれておりました。つまり、1組男子のテーブル、1組女子のテーブル、2組男子のテーブル、2組女子のテーブル……という具合に順番に並んでいるわけです。
男子と仲の良かった女子とか、女子の友達が多かった男子とかもいるでしょうから、そういう人達にとっては話しかけに行きづらくて不便な席順ですよね。私は仲の良かった男子がいた記憶がないので、特に困りませんでした。また、私のクラスの女子は出席率が低く、人数が少なかったので話しやすかったです。ただただ、ほのぼのとした会話が繰り広げられておりました。
ちなみに開会後、どさくさに紛れて(?)男子のテーブルに話しかけに行っている女の子がいて、「勇気あるなぁ……ああいう子がモテるんだろうな……」と思いました。無論、私は遠目でチラ見するだけです。男子のテーブルを見ても、誰が誰か分かりませんでした。あちらも私のことなど誰1人覚えていないことでしょうから、問題はなかったです。

さて、会話が落ち着き、「そろそろ開会かな~」とテンションが安定してきた頃のことでした。実行委員の方々が「皆さん、自分のテーブルについてくださーい」と呼びかけていたので、テーブルについたところ、後ろからすごい勢いで上半身を鷲掴みにされました。
勢いを例えると、咄嗟に「ブホッ」みたいな変な声が出そうになる勢いです。ギリギリ、「うおっ」ぐらいで止まりましたが。

振り返らなくても分かりましたが、一応振り返ってみたところ、私が所属していた部活の元部長がニヤニヤしておりました。彼女は3年生のとき、私と同じクラスだったのです。高校時代からよく、いきなり人に後ろから抱きついては驚かせておりました。これは個性を褒めているのですが、良い意味で「めちゃくちゃ変な子」です。大学生になっても相変わらず人との距離感がバグっているなぁ、彼女らしいなぁと安心しました。
話してみると、意外としっかり受け答えしてくれて、最初は「あれ?ちょっとまともな大人になってる??(←失礼)」とびっくりしたのですが、自分から喋りかけてきたのに途中で興味を失って無言になったり、でもまた間を置いて急に喋りかけてきたりとマイページさがだんだん出てきました。結果、ほぼ変わっておりませんでした。良かったです。

私が「ずっとご無沙汰していてごめんね」と連絡を取っていなかったことを謝ると、彼女は「全然」と返しました。本当にあんまり気にしていない言い方だったのでほっとしました。「連絡を絶っていてごめん」。会いたくない気持ちもありましたが、もし顔を合わせたら絶対に言おうと思っていた言葉だったのです。私の口からすっと出たことも、さらっと許してもらったこともびっくりしました。嬉しかったです。
「今日、○○と○○と○○も来てるよ。○○は欠席だって」。彼女が口にしたのは、懐かしい元部員の名前でした。
「そうなんだ。後で挨拶したい」
「その辺にいると思う」
あんなに連絡するのが怖かったのに、普通に話していることが信じられない気持ちでいっぱいでした。

彼女は今、大学3年生だそうです。浪人して、希望の大学に入ったみたいです。ちなみに、その後に会った他の元部員のうち半数以上が浪人を経験したり、私が進学したんだろうなと思っていた大学と違う大学に進んでいたりして、ストレートに志望する進路を叶えた人はほぼおりませんでした。
それを知って私は、やっと自分の勘違いに気づきました。みんなは頭が良くて、希望する進路をストレートに叶えて頑張っている。一方で私は第1・第2志望の大学に落ちているから、みんなと顔を合わせたら軽蔑されるに違いない。私のピークは高校時代。そう考えてきました。だから「高校5年生」が生まれたのです。

けれども蓋を開ければ、真っ直ぐ夢を叶えた人なんて一握り。成績で学年上位層にいつも入っていた子も、高校時代に志望していた大学とは別の大学に通っています。私とはレベルが違う受験を経験しているというのもありますが、志した道が叶わなかったことは同じです。それでも彼女達は、高校時代と変わらず明るく大学生をしているのです。

私、何にこだわっていたんだろう。大学受験に失敗して、みんなに連絡するのが怖くて、もし今の私や通っている大学名を知られたらみんなにどう思われるだろうと想像して、隠れて。誰ももう、そんなことにこだわっていなかったのに。
やっぱり私は、まだ高校を卒業できていなかったんだ。合ってたんだ。正真正銘、高校5年生だ。
そう思いました。

同窓会に参加して1番良かったことは、これです。私がやっぱり高校5年生なんだということに気づけたことと、それに気づいたことで高校5年生の状態から脱出できたことです。
だからと言って今後、高校5年生の名前は変えません。完全に脱皮したとは言えず、少なからず高校5年生な部分が私に残っていると思うからです。それに、この2年ちょっとで高校5年生という名前に愛着が湧きましたし。
新生高校5年生、これからもよろしくお願いいたします。

同窓会当日のお話は、まだまだ続きます。『陰キャ大学4年生、人生初の同窓会に挑む。④』、お楽しみに!

以上、「陰キャ大学4年生、人生初の同窓会に挑む。③」でした。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。
また、次の投稿でお会いしましょう!