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高校5年生、おもてなしを語る。

こんにちは。高校5年生です。

今回は、今読んでいる本について少しお話しさせてくださいませ。

『キャビンアテンダントのおもてなし ANAに学ぶマナー術』

著者:ANAキャビンアテンダント取材班

発行所:株式会社角川学芸出版

発売元:株式会社角川グループパブリッシング

平成21年3月10日 初版発行

私がよく通う市立図書館で航空関係の本棚を探すと、キャビンアテンダントを経験された方が書かれた「おもてなし」に関する書籍が多数見つかります。

その内容はどれも高いプロ意識を感じられ、アルバイトで接客業に携わる身として尊敬せずにはいられないものばかりです。

こちらの本もまた、力強くプロ意識を感じる内容でした。まさに「おもてなし」に全てを捧げる人でなければ書けない内容でした。

私は小学生の頃から「おもてなし」に特に関心がありました。きっかけは、星野リゾートのおもてなしに関する本を読んだこと。マニュアルが作れないサービス、臨機応変な対応に心を打たれ、自分もおもてなしに携わりたいと強く心に決めました。

「おもてなし」と付く本をとにかく読み、テレビ番組を観ました。高校時代には「おもてなし」をテーマにし、ちょっとした論文を書きました。私は将来、おもてなしに携わるのだと自信を強めていました。

しかし、私は大事なことを忘れていたのです。気づいたのは初めてのアルバイト。迷わず接客業を選んだ私は、自分の無力さと世間知らずだったことに落胆します。

そう、今まで私が学んできた「おもてなし」は所詮机上の空論。偉そうに語っても、それは自分ではない誰かの経験です。学んできた「おもてなし」がどれほど浅いものだったのか、初めて思い知らされたのです。

現実には感動のおもてなしエピソードなど、思っているよりはるかに存在しません。そればかりか、普通のサービスを早く正確に進めるだけで手一杯で、お客様をあっと驚かせるワンランク上の「おもてなし」など、簡単にはできないのです。本に書かれているエピソードは、膨大な数の接客の中で生まれたほんの少しの奇跡、一握りの話だったのです。

勝手に夢を見ておいて、夢を打ち砕かれたような気持ちになりました。しかし、学生時代に現実を見ておいて本当に良かったです。もし、あのまま「おもてなし」に夢を抱いて就職していたら、ギャップに耐えられなかったでしょうし、今よりも激しいショックを受けていたに違いありません。アルバイトに感謝しています。

こうして現実を見た私ですが、「おもてなし」を嫌いになったとか、諦めたわけではありません。

いかにスピーディーに、いかに正確に、いかにさりげなく、いかに効率的に、いかに臨機応変にできるかが問われる「おもてなし」。今の私には到底お客様を圧倒するおもてなしなどできませんが、毎週のアルバイトを大切にし、その力を徐々に磨いていきたいと思っています。それができる環境に置かれていることが幸せです。

以上、「おもてなしを語る。」でした。

最後までお付き合いくださって、ありがとうございました。

次の投稿でまた、お会いしましょう!