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広告振り返り:~7月総括編~


・7月の広告のあらすじ

・TwitterがXに変更

 イーロン・マスクがTwitterにやってきてから8ヶ月、とうとうサービス名も彼の命名した「X」に変わり、またコミュニティノートと言う機能によって広告により目立つ指摘を行えるようになった。
 Xの広告の雰囲気は2022年11月頃から少しずつ変化していったが、ここに来てかなり健全化したと言って良いだろう。もちろん不健全な広告、変な広告は2023年にも多数存在するが、そう言った広告はXでは割と見なくなったのは間違いない。
 とはいえ、そんな中でも広告はコミュニティノートを攻略しようとしています。詳しくは以下の記事を参照。

・広告を見るYAKISOBA、Tiktok開拓編スタート

 Xの広告がイマイチ面白くなくなってしまったと自分は途中まで思っていたので、Tiktok広告も開拓を開始しました。結局Xの広告も面白くなってきたけど、Tiktokもまた別の面白さがありますよ。
 結果としてXやYoutubeで見られなかった怪しい情報商材の広告や、かつてXで活躍していたモリノファンタジーなど、バリエーション豊かな広告が揃いました。
 今後もTiktokの広告は引き続き開拓していきますので、よろしくお願いします。

・一般ユーザーに擬態した広告が増加中

 ネット広告全般に指摘される事であるが、一般ユーザーに擬態したような広告が着実に増加しつつある。今年の3月に広告であれば「PR」など広告と分かるように記載するように、というルールが消費者庁から発表され、10月1日から施行されることが予告されている。
 むしろこれは一般ユーザーに擬態した広告が増えたというよりも、これまで擬態していた広告の化けの皮が剝がれつつあるという所が大きいだろう。人間は想像しているよりもずっと多くの広告に囲まれている、という意識は常に持っておきたい。

・ルーキー級の注目タイトル

・ドット勇者

 毎年登場するパクリ広告の中でも、ドット勇者は複数タイトルにまたがったパクリを展開したこと、またパクリを謝罪して普通に8月も広告していた事が印象的。特にパクリ広告で謝罪をするって珍しいんですよ。パクリ広告って謝罪もしないで駆け抜けていくのが普通なんだよね。
 パクリは全く許されないんだけど、パクリに加えて8月に芸能人広告もやっていく面の皮の厚さ、また謝罪文に掲載されていた「元委託先」なるさらなる強大な広告代理店の存在を匂わせる演出がステキ。実は施策自体も1024連ガチャとダークテイルズの1001連ガチャを抜くガチャ数調整を行っており、単にパクリだけでは終わらない話題の取り方も高評価。
 インスタグラム、Tiktok、Youtubeショート、Xと全てで話題を獲得していく手腕は目を見張るものがあり、これまでのパクリ広告の中では一番上手だった気がします。パクリはダメだけど。

・女神楽園 ガーデス・パラダイス

 女神楽園ガーデスパラダイスは尻を叩いて快楽値を上げていくスケベ広告をリリースしたのが特徴。ちゃんと喘ぎ声も入っており、X広告はここまでやっても良いのか、と広告のセクハラアウトラインを押し広げてくれました。
 それ以外にも目立つための誤字やベースに忠実な放置少女リスペクト広告、AIイラストらしきものを違和感が無い範囲でぶち込んでいくテクニックなど、見た目の獣ぶりに反して中々細やかな職人ぶりを見せつけてくれたのが特徴。
 放置少女リスペクターは数多く登場しては大抵消えていったが、女神楽園はいつまで生き延びるのか。少女ウォーズに続け!

・ネバーアフター~逆転メルヘン~

 Tiktok広告でしばしば見かけた偽ゲーム広告なんだけども、Tiktokではアクションゲームパロディに仕上げた広告がやたら多いんですよね。ネバ―アフターはそれを象徴するような広告で、この時代に偽アクションゲーム広告を擦っていた武士という印象です。
 Tiktokでは小難しく紹介している間に速攻でスワイプされてしまうので、少しでも目を引くようなド派手なアクション広告が求められたんでしょう。Xの広告やYoutubeの広告ではむしろ偽広告を打った方が悪評が漂ったり、そもそも無視されたりするんだけど、Tiktokのスピード感を考えるとそんなリスクに怯えている暇はありません。
 YoutubeやXで強い広告を出すのと、Tiktokで強い広告を出すのは全然違う、という所は覚えておきたくなります。

・ミドル級の注目タイトル

・X-ヒーロー

@X-ヒーロー:みんなを助けろ!

中毒性のある素晴らしいカジュアルパズルゲーム

♬ Promoted Music - X-ヒーロー:みんなを助けろ!

 X-ヒーローはTiktok独自の文化、エフェクトゲームをパロディしていた事が判明した。一応他媒体にもこれに似た広告はリリースされていたのだが、今のX-ヒーローが勝負をかけているのはTiktokであるという事がこれではっきりしましたね。
 目を見張るべきはX-ヒーローのパロディのスピード感である。そもそも登場時点でベイラーレジェンドのパクリを行い話題をかっさらう電撃戦を見せつけていたが、今回はそもそも他の広告が目をつけていないエフェクトゲームのパロディを行っているのは明らかに1周後の世界だと思う。本家本元のTiktokですら、自分の確認した範囲だとエフェクトゲームのパロディをやっていたのはX-ヒーローだけでした。
 サブタイトルを切り替えまくる戦略がどこまで機能しているかも怪しいが、あまりにもスピード感が違い過ぎる広告。広告の未来を作るのはX-ヒーローかもしれない。

・Gravity

 7月はTwitterからXに切り替わる過渡期だったが、それを象徴するような広告としてピックアップ。ハッシュタグだけとはいえ、「#Twitterサ終」というタグを入れて広告しようと考えた事も、またこんなタグをつけて広告が通った事もすごい。
 画像広告のセンスも普段に増してキレキレだったので、別にこんな小細工をしなくても話題になっていた可能性は高いです。画像の準備しか出来ていなかった場合でも、ハッシュタグ次第で時事ネタに乗れるという点は覚えておいても良いでしょう。

・Weplay

 音痴系カラオケ広告という新境地を切り開いたのがWePlay。その下手な歌に関しても独特な面白さ、へにゃへにゃさがあり、演技であっても素であってもどっちにしろ面白いという奇跡の広告です。
 いわゆる失敗広告のバリエーションだとは思うんだけど、音痴系カラオケ広告が面白いのは映像では無く音声的な面白さに特化している事、そして失敗系広告ほどのわざとらしさが無い事が挙げられます。言うなればのど自慢の下手な歌で1回だけ鐘が鳴った時の面白さに近い。
 失敗系広告の中でもかなりギャグに近いオチになるのは大発見だと思います。今後にも期待。

・ライト級の注目タイトル

・ロケットニュース24 × 味の素 × 信濃毎日新聞

 味の素が仕込んだ「レタス保存用新聞」広告だが、これをロケットニュース24にも取り上げることで広告二毛作を狙って成功したタイトルとして紹介。
 新聞自体独自性のある一面広告がネットでも話題になって、結果として新聞に掲載する以上の広告効果を得るようなパターンは以前よりあった。しかしそれを能動的に行おうとしているのは注目すべきポイントだと思います。
 街中に掲示する広告、新聞広告などはネットでの話題作りも絡めて考えるような事がずっと増えたと思うんだけども、そういう流れを企業側から狙っていった例として残しておくべきです。最初のアイデアも藤原竜也を上手く使っていると思うし、珍しく自分が感心した真っ当な広告。

・マスター級の注目タイトル

・State of Survival

 ステートオブサバイバルの茶番広告は面白いんですよ。1000連ガチャは先着1万名って訴求も他の広告では見かけないし、戦力が足りないと電車に乗れない人シリーズもコントとして面白いです。というかこんな実写広告を大量にリリースする体力がすごいよ。
 一時はどこでも見かけた実写広告だけども、こうして実写茶番広告が減ってくると独自性が強くなってくるんですよね。7月以降に増えているインフルエンサーを用いた広告らしくない広告や、Xのコミュニティノート追加による広告の健全化などもあいまって、こういう自分が見たかったような広告が減っていたんです。
 そこでこういう王道の面白い広告を出されたら惚れちゃいますって。ステサバはいつまでもこういうノリでやってほしい。

・Hero Wars

 Hero Warsはこの広告の摑みが一番面白い
 マジで広告の摑みのうまさは天下一品です。youtubeも7月くらいから仕様が変わって即座に広告をスキップ出来るようになってしまったので、広告をスキップされないようにするにはHero Wars男に立ちションさせるしかねえってワケ。

・EVONY

 EVONYはコミュニティノート追加という逆風を見事に生かし、過去のピン抜きゲーム時代よりも大きな注目を獲得したのが特徴。EVONYはプロモーションにもコミュニティノートがつくという事が判明した最初期の広告であるが、その先行者利益を活用した技前はお見事。
 EVONYがピン抜き広告を控えて新しいスタイルの偽ゲーム広告を模索している傾向は5月くらいから見られたんだけども、それらすべてがコミュニティノート特需で再度話題を獲得していったんだから世の中何が起きるか分からない。自分のような古くからのEVONYファンは2年間ずっと続けてきたピン抜き広告を極めて欲しいと思っていたんだけども、まさかここに来て撒いてきた種が芽吹くとはこのYAKISOBAの目にも読めませんでした。
 ここからさらに偽ゲームを加速していくのか、あるいはコミュニティノートの流行は終わりと見て他の広告媒体に移動するのか、それともやっぱりピン抜き広告で攻めるのか。今後とも要注目です。

・モリノファンタジー

@nanaki0915

新職業「魔天使徒」参上!ログインでSSRキラミィと777連ガチャGet~

♬ 原声 - 宇宙最強のナナキ - 宇宙最強のナナキ

 Xから脱出した広告の中でも一際のびのびと広告をやっていた印象があるのがモリノファンタジー。Xからの脱出を果たした広告はあっても、どんな広告をやっていたかと言えばぶっちゃけそんなに新しい、面白いところは少なかったのが実情なんですよね。
 その原因を考えてみると、Tiktokは確かに自由度があるんだけど独自路線が無いと結構困るんじゃないかという所。Tiktokは一発で興味を引ける映像や過激な映像、見栄えする映像で無いと即座に広告を飛ばされてしまう過酷な環境なので、一本芯の通った戦略が無いと広告をするにも困るんじゃないかなと素人が想像しています。
 その点モリノファンタジーは、元々強固な独自戦略を持っていたのは魔剣伝説時代から明らか。ただその独自戦略がイマイチXでハマらなくなってきて、ちょっと息苦しい時期が続いていたのかなと思います。そこで好き勝手広告をやって良いよとなれば、相当のびのびやれるのは間違いないです。懐かしい魔剣伝説スタイルの広告をバチバチにやっていて懐かしい気分になりました。
 あとは4399がTiktokに適合した広告スタイルを見つけられるかどうか。話題性だけで見るならX-ヒーローやドット勇者のような新世代の方が上手くショート動画時代に適応しているような気がするので、Xという檻から解き放たれた古豪がどう活躍していくか注目したい。

・2023年7月のMVP

@X-ヒーロー:みんなを助けろ!

中毒性のある素晴らしいカジュアルパズルゲーム

♬ Promoted Music - X-ヒーロー:みんなを助けろ!

 2023年7月のMVPはX-ヒーローです。
 駐車場ゲームにタイトルを変えた、という目に見えるところで変化しているのはもちろんだが、youtubeの流行に速攻で乗った2022年12月の実績のみならず7月ではTiktokの流行に乗ったスピード感は常軌を逸する所があり、そのパクリのスピード感たるや特にパクりパクられの激しい闇の広告界隈でも群を抜いて模倣の速度が速い。
 X-ヒーローは独自に新しい広告を作った、磨いたという所は無いのだが、そのパクリの早さは明確に個性と言えるだけのレベルだと言える。過去の強豪勢以上に軽い爆速のフットワークとパクリの速度は今後何の広告をパクり、攻めていくのか。今後も目が離せない。

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