空の器19/パートナーが妊娠やつわりでしんどそうなのにどうしたらいいかわからない方へ

正直なところ、パートナーが妊娠してしまった男性に対する具体的なサポート方法はあまりないのかもしれない。

通常妊娠だろうが、異常妊娠だろうが、母親には「とにかく生きてもう一つの命を守って育てる」という明確な意識と行動目標が生まれる。
しかし、男性に関しては「自分の体がどんどん変化していったり」「毎日続く苦痛を耐えないといけなかったり」「それでも愛を持って耐え忍ぶ必要があったり」、そういう具体的な変化はあまりないだろうから、いきなり自覚してなんて言っても難しいだろうということはよくわかる。
それでも助けてもらうことが増えて、実際にたくさん助かった。

簡単なものでいいからご飯の準備をしてくれたり、ご飯の炊ける匂いを嗅がなくても良いように時間をずらして炊飯をしてくれていたり、前傾姿勢になってしまうお皿洗いを率先してやってくれたり、たくさん助けてもらいました。
妊娠初期は疲れやすく、眠たくなることも多い。それも踏まえてだらだらしてしまうのも許容して多めに見てもらったり。
咎めたり叱るのではない、柔軟にそのままを受け入れてもらえると、本当に助かりました。
男性にとって多くは「家事は手伝うもの」というものなのかもしれませんが、できたら率先して手を出してくれるととても助かります。これに関しては共同生活をする上での話になると思うので、妊娠出産育児、どの時期でもおすすめです。

「男にできることないじゃん」「そんなんみんな乗り越えてるんだし頑張るしかなくない？」「頑張れよもっと」「俺の飯は？」「なんも出来てねえじゃん。なにやってたの？」
そういう言葉を(私は幸運にも受け取りませんでしたが)他の交際相手や男性から耳にすることはとても多かった。
どうか、その現状があなたの目に見えているなら、少しは助けてほしいと思う。仮にもあなたが一緒に生きている女性に対して少しやさしくしたって罰は当たらないと思うんです。

そうだなあ、「何をしたらいいかわからない男性」であるあなたと仮定して、
あなたに目が1個でも付いていて、腕が大体2本ついていたら、おすすめはそうめんを茹でてください。
大きめの鍋にお湯を沸かして、そうめんを2束ほど湯がく。1～2分くらいでゆであがるので、硬くないかを確認して、水を流したままのシンクでざるにあけて、流水で麺をしめます。
大体の家庭には冷蔵庫に麺つゆが入っているはずだから、指示通りに水で割っておく。器に盛ってそうめんを入れる。氷をいくつか器の中に入れてもいい。
その上から水で割った麺つゆを回しかけると、ちょっと味が薄くなって食べやすいそうめんが出来上がります。個人的にはそこに梅干しが載っていると、うれしい。
「なあしんどいところわるいんだけど、これ食える？」
そう言ってみてください。きっとあなたのパートナーは喜んでくれるはずだから。

これは数組の事例を見てきたから、私からのお願いになります。(胞状奇胎は関係ない)

本当にあなたが何もしなかったら、きっとあなたのパートナーは実家に帰ってしまうと思う。だって実家には、出産の先輩の彼女のお母さんやお姉さんがいて、彼女を大好きなお父さんや兄弟がいる。だからあなたより彼女を全力で守る。帰る家族や家がなくても、友人を頼っていくことも十分考えられます。
もしパートナーが出ていっても、「俺の飯は？　俺の世話は？　勝手に出ていきやがって！」なんて言わないでね。
あなたももう立派な大人なんだから、（それにこれからパパになるんでしょう？）だったら、自分のことは自分でしなきゃね。

あなたのパートナーは妻であり、母になるけど、あなたの母になるわけではないから勘違いしないでね。何でもできて病気にもならない超人になるわけでもない。
忘れないでね、あなたのパートナーは(あなたと一緒で)ただの人間で、あなたを愛しているけれど二人とも大人として生きているから。

さて、そんなあなたに、パートナーの力になりたいあなたに魔法の言葉を1つ教えますと、
「俺にできることない？」
（見てわかんないの？　自分にできること探してよ！）とか
（自分のことくらい自分でやって、私はしんどいのわからないの？）とか、
言われるかもしれませんが、さらに
「頼りないかもしれないけど、俺にできること言ってほしい。言ってくれないとわからないよ」
とお伝えしてみてください。
あなたのパートナーは、きっときちんと教えてくれるでしょう。

これに関しては、妊娠していなくても、子どもさんが生まれても、同棲していても、大体使えますんでおすすめです。