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空の器01/たった一人で生きていくと思っていた

 誰と生きるでもなく、結婚もせず子も成さず、ただ一人のらりくらりと生きていくんだと思っていた。今までみたいにひとりで。
 今までずっと時に誰かと生きる機会を得て生計を共にすることはあっても、いつでもひとりになれるように、どこにだって行けるように生きてきたような気がする。


 本当のことは内緒。多くは望まない。罰が当たるから。せめて精一杯生きて、できるだけ迷惑をかけないように。自分の家族葬程度の葬儀代だけは貯蓄しておいて。あとは自分の好きなように、ゆるされる範囲で。


 愚直にただひたすらまっすぐに、生きようとしていた。死なない誓いは、右の薬指に立てた。



そんな折に友人とシェアハウスを始めた。はじめは友人4人のつもりで始めたけれど、一人ずつ減って、結局残ったのは私たちになった。3年したら解散しよう。その時はどうするか考えよう。そう決めて生活を始めた。今年で私たちは32歳になる。早いもんだ。
私たちの距離感は名前を付けにくい。ただの友人というには近い癖に家族というには他人行儀だったように思う。でも、その不思議な距離感がとても楽だった。


 二人にもなれるし、ひとりにもなれた。離れたいときは離れるし、二人で過ごすときは共有できた。今は私のパートナーだ。とても居心地がいい。
 これが私の生活環境だ。私の職業は看護師。働きながら生きている。


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明里好奇(アケサトコウキ)
栄養剤をぶっ差してやってくださいませ(´・ω・`) ナニモノにもなれないようなナニモノにかはなれたような、不完全で不器用な人間のはず。良かったら戯れてやってくださいませー!