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空の器10/空の器と女の体

たくさんの人が出産をして、自分の子供と出会っている中で、自分はそれができなかった。


正直に言うと、私は出来損ないなのかと思った。

エコーをしてもらって自分に子宮があることが分かった。
つわりがあることで妊娠できることを知った。
まあまあ健康な卵子を排出できることも分かった。

でも正直その時は、それだけで、悲嘆と衝撃の真っただ中だった。
とても静かな暗闇の中。

でも私は看護師で、だから妊娠も出産もどの過程においてもトラブルなくすべて教科書通りに進むのは、本当に稀で奇跡的なんだと私は知っている。
人の体は計算通りには動いてはくれない。


少しの悲劇で、人生はわずかずつ狂っていってしまうことを私はよく知っている。うらやましく思うことは何一つないことも私はよく知っている。

だって、私の人生の上にはもともと結婚も出産も予定がなかった。その私にこんなどっきりが降ってきたのだ。いきなり普通の人の「うれしいこと」が降ってきた。
それが残念だけど遠ざかっただけだ。

それも二回目の手術が終わってそう思えた。
ひとりではないことを、ようやく自覚した。


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明里好奇(アケサトコウキ)
栄養剤をぶっ差してやってくださいませ(´・ω・`) ナニモノにもなれないようなナニモノにかはなれたような、不完全で不器用な人間のはず。良かったら戯れてやってくださいませー!