私立3月入試を考えてる方へ
各地で合格発表が出てきています。合格された皆様、おめでとうございます。残念な結果に終わった方は、残りの期間で最善を尽くしてください。
そこで今日は、私立後期入試(3月入試)を考えてる方に向けての話です。かなり重要なことを言います。無料公開です。よろしくお願いいたします。
■3月入試
私立入試の選抜方法は、①推薦入試(指定校や一般推薦、公募推薦など)、②一般入試の二つがあります。②については、1月下旬から始まる前期入試と、3月に行われる後期入試と二つあります。
この後期入試ですが、気を付けるべきことがいくつかあります。
それは、①科目が1~2科目(英語と国語、もしくは理系だと英語と数学or理科)であること、②合格定員が少ないこと、です。①については、受験科目が絞られるため、それ用の対策をしなければ合格はしません。そして、ここに更なる罠があり、傾斜配点が行われるなら、合否の鍵は傾斜配点の科目でない方になることが多いのです。
例えば、英語・国語の2科目で英語の方に傾斜配点があったとしましょう(学科は英文科)。そのとき、英語で点差がつくと一見思いますが、受験生はほとんどの方は英語が得意で受けに来るわけですから、高得点での争いになります。となると、必然的に合否の鍵は傾斜配点が行われない国語になる、というわけです(英語1科目のみの場合は単純にミスしない人が合格する)。ここを勘違いして、片方の科目を疎かにした、ということで合格しなかった、という人もいます。
ましてや、合格定員が少ないため、他の受験生も必死に来ます。なぜなら、ラストチャンスだからです。その際には、絶対に合格する!という気持ちがより強くないといけないだけでなく、2科目とも気を抜くことはできません。
そしてもう1つ。後期入試で受験を受けるときに、受験科目外が得意科目の場合は特に気をつけてください。
■実際にあった例
こちらでは、僕が実際に指導したときにあった事例を話します。
僕が受験生を指導しているとき、合格するための戦術を2か月で仕上げないといけなかったのです。日本史に関してはそれなりの正答率を出すことはできたのですが、問題は英語でした。合格点に至らなかった原因は英語だと僕は気づいたのですが、当の本人がそれに気づかなく、国語の配点が高い大学の後期受験を受けました。
僕はこの時に日本史の講師でありながら、英語を疎かにしたら合格しない、ということを伝えました。しかし、そのことに気付かないで国語で高得点を取る、と意気込んでいました。受験校の日本史に関しては、最低でも8割は欲しいと思っていましたが、それはあくまでも英語・国語で7割以上を取れることが前提です。
結果は……僕の予想通りでした。プロのアドバイスを聞かないで自分の思い込みだけで行うと大体結果は予想がつきます。ちなみに、僕はその形式の受験の場合、国語の得意な受験生が多いため、国語で点差がつかないので、点差がつくのは英語だということはわかっていました。ですが、その受験生は、国語で合格するといって、僕のアドバイスをあまり聞いていなかった気がします。
プロの講師がこんなことをいうのはあまりよろしくないかもしれませんが、プロのアドバイスを聞かないで実行するなら、それ以上の覚悟が必要ではないのか、と思います。そのため、僕はその覚悟を必ず聞くようにしています。その上での判断なら僕はこれ以上口を出してはいけないと思います。
ですが、合格に導くことができなかったのは、僕の責任でもあります。もっと強くそのことを言うべきだと思ったのですが、十分に伝えきれなかったのも原因だと思います。
■3月入試は覚悟が必要
このように、3月入試については本当に狭き門です。国公立後期も合格者数が少なく、倍率は10倍前後になります。となると、この入試は失敗が許されません。つまり、1点の重みがより顕著に出てくるのが後期入試です。
私立であっても国公立であっても後期の合格はかなり厳しい戦いになる、ということは知っておかないといけません。そのためには、ち密な戦略と対策と学習が必要になります。そのための覚悟と信念をもって3月入試に臨まれる方は意識しておきましょう。
■共通テストも手を抜かない
ここは、来年受験を迎える人には特に知ってほしいことです。
共通テストの結果が私立の合否に影響を出すこともあります。特に後期入試になると共通テストの結果も重要になります。そのため、共通テストを受ける以上は、それなりの対策を行い、後期入試にも備える必要があります。
特に、私立入試を受験するときに、自分の志望する学部などが共通テストの合否で決まる場合は、しっかりと共通テストでも成果が出るように学習をしてください。特に、今年みたいに特殊な形式の入試になることも想定できます。今の新型コロナ問題が来年まで続くことも可能性としてはあります。であるなら、最悪の事態も想定したうえで学習を進めておく必要があります。受験に向けての動きはもう始めておかないといけません。
3月入試に向けてこれから動く人は、1点の重みを知ったうえで対策をしてください。そして、絶対に合格する!という覚悟をもって受験に臨んでください。
最後の2週間、今まで以上に頑張って最後の奇跡を起こしてください。ですが、奇跡は起きるまで待ってはいけません。自らの手で起こしてください。