夏休みの学習 2021高校受験生編

本日もよろしくお願いいたします。去年もこの類似記事を書きましたが、2021年度最新版の話をしていきたいと思います。
一部内容は下記の記事と重複するので、重複しない個所を中心に話していきたいと思います。
無料公開です。最後までお付き合い、よろしくお願いいたします。

■2022年高校入試に向けて

今年の入試の変更点といえば、中3の分野が新学習指導要領にかかります。その影響で新学習指導要領の移行措置が行われたと思います。その関係で、今年は新傾向・新単元の問題が出題されることが予想されます。

➀英語
英語については、中3で学習する現在完了進行形、原形不定詞、仮定法が新たに入試範囲として入ってきます。これは今までの公立入試ではほとんど出題がされていない関係で、出題サンプルがないのです。そのため、参考書や私立で出題された形式などを参考に問題が作られると思います。そのため、現中3生で塾など通っていなかった方については、移行措置の単元、長期休暇の課題あたりが問題練習の場になってしまうことで、実践力不足に陥る恐れがあります

②数学
数学についても、高校単元から箱ひげ図、四等分位表が下りてきます。こちらも出題サンプルがほとんどないので、塾などに通われていない方については、問題集などを購入して実践演習量を増やしてください。

上記2つについては、この時期くらいから模擬試験の範囲ともなります。そのため、今年の模試については問題を捨てることなく、復習などに取り掛かれる準備を怠らないようにしましょう。その理由は、模試でどのような形式で出題されているのかを知ることで、入試でどのように出される可能性があるのかのデータを知ることができるのです。今年は特にサンプルが少ない関係上、模試の復習が非常に大事になってきます。

③社会
社会も今年の公民から新学習指導要領にかかる学習となります。しかし、地理や歴史も移行措置の影響を受けています。そのため、学校で学習したノートは大事に取っておきましょう。特に影響が強いのは歴史です。その中でも重点的に学習しておいた方がいいのが世界史です。2021年公立入試でも世界史と日本史の関係性を問う問題が出されていましたが、正答率が芳しくありませんでした。ということは、この学習をしっかりと行うことで、点差をつけることが容易になる、ともいえます。公民も地理も2022年入試で出題されそうなSDGs関連の問題、持続可能な社会に関する問題については、関連知識や背景知識など身につけておいてください。また、2021年で新たに出題テーマとなった感染症、災害の歴史についても地理と公民の関連知識を身につけておかないといけません。

もし、まだ僕の社会予想問題(オリジナル問題)を入手していない方は、ぜひ、この機会に僕の予想問題を購読いただけると、どのような形式の出題がされるのか、が見えてきます。このオリジナル問題は3問作っていますが、どれも問題の的は外れていません。実際に同じ問題・ほぼ近い問題も出ていますし、出題されるアプローチはこうだろう、という方向性も大体たっています。今年も新作の予想問題を作る予定です。ですが、その中でももっと詰めればよかった、という反省も踏まえて、新たなデータ収集をしています。

参考までに過去の予想問題を上記にアップしています。こちらの記事を購読いただけると幸いです。
なお、予想問題1では沖縄県、予想問題2では奈良県・広島県、予想問題3では茨城県と照合いただけるとアプローチについては納得されると思います。小問ごとの的中も他府県ではありますが、そちらは今回は省略させていただきます。

そして、今回の予想問題については、新学習指導要領の内容にも関係性があります。それも踏まえた出題アプローチもしています。参考にしてください。もし、出版会社様・模試作成会社様で僕のオリジナル問題を使いたい場合は一言申してください。主には歴史・三分野総合が中心となりますが、質の高い問題は提供できると思います(ただし、図版や地図などは十分な用意はできないことはご容赦ください)

■Q&A方式で

さて、問題集については質問が多いので、ここで一気に答えたいと思います。Q&A方式で答えていきたいと思います。

Q1 塾に通っていない中学3年生です。この夏休みの学習は学校課題以外に何かやっておいた方がいいものはありますか?

これはよくある質問です。まず、学校課題を行うのがよいとは僕も言います。が、たいていの方は、この学校課題を作業で終わらせている方も多く、やり方などを身につけていないケースがあります。
そういうときに、市販の問題集を使うのがいいです。ただ、3年間の総復習については、学校で購入しているものがあるので、そちらを行うのがいいです。特に単元の定着が弱い科目の問題集は買っておいた方がいいでしょう。ただ、書店に並んでいる市販教材は、新課程対応のものしかありませんが、高校入試のことを考えると、新課程対応のものでいいです。その問題集を夏期の間に1周できればいいですが、遅くても秋までには終わらせたいところです。そして、3周までやり切ればいいです。注意点としては、1度やって完全にできたものは2周目以降はそこまで行わなくていいです。1周目で穴の多い単元を知ることが重要です。穴のないところまで2周目を行うのは効率がよくありません。それ専用のノートを作って学習を進めてください。
あとは、模試などの復習でも活用したらいいと思います。

A1 学校課題を作業で済ましているなら、実践的な問題集は1冊ほしい。夏期までに1周終わらせよう。ただし、苦手分野が出たときは2周目以降で重点的に行いましょう。模試との併用でもOKですが、5科目分あることは意識しておきましょう。

では、次の質問です。

Q2 今までに使っていた学校用ワークを復習するのはありですか?

こちらもよくある質問です。こちらについても有効活用していただけるなら問題はありません。こちらで完璧に学習ができるのであれば、無理に問題集を購入する必要はないと思います。英語については新課程学習については入試でも出る可能性がある、という意識をもって学習するといいでしょう。
今までの学校ワークの学習が作業だった場合は、真剣に解くことが条件です。確認用のみという使い方ならほとんど意味はありません。

A2 有効活用してください。ただし、作業的な意味で使うのであれば、問題集を1冊購入した方がいいです。学校ワークの復習の際、入試に出る可能性がある、という意識を持ってください。

それでは、次の質問です。

Q3 夏休みにクラブの大会があるのですが、その間の学習時間などはどうしたらいいですか?

これも悩ましい質問です。これに関する回答は、最低限の学習時間の確保をしておくといいです。その時は学校課題だけでも仕方ないと思います。ですが、クラブの大会が終わり次第、取れなかった時間をしっかりと取ってください。夏期休暇の学習時間の理想は1日8時間くらいです。クラブなどで無理な場合でも2~3時間は確保してください。その分の取り返しはクラブが終わってからしっかりと行ってください。
ただし、所属クラブが陸上だった場合はこの限りではありません。なぜなら、11月ごろから行われる全国中学駅伝の予選があるからです。全国大会まで行った場合は12月くらいまで続くと思ってください。その場合、最低でも3時間くらいは常に確保しておきましょう

A3 最低でも2~3時間は確保してください。クラブ引退後はその分の学習時間を効率よく行ってください。ただし、陸上部など12月くらいまでクラブ活動を行っている場合は、最低でも3時間の確保を続けてください。

では、最後の質問に行きましょう。

Q4 志望校から合格点が離れています。内申ではほとんど期待が持てませんが、この時の学習で気を付けることはありますか。

最後に、この質問を取り上げましょう。
内申点の不安からどうしたらいいか、ということを悩まれていると思います。僕の回答は、実践問題を数多く解き当日点での逆転を狙う、ことを念頭に置きます。ということは、模試などの実践問題で点数を取れるトレーニングを行うことです。そのために身につけないといけないのが、入試に向けた実践演習を積み重ねることです。手っ取り早いのは、「全国高校入試問題正解」(旺文社)で1年分の全国公立高校入試の問題を解くといいでしょう。
ただ、中3の内申点については、最初からあきらめないでください。地域によっては、中3の成績が2倍ないしは3倍になるため、2学期で劇的に頑張れば内申点については変わることも十分にあります。そのため、4に近かった3についてはしっかりと頑張ってください。そのためには、提出物や定期テストなどしっかりと頑張ってください。

A4 実践トレーニングを行い、入試に向けた点数の取り方を身につけましょう。ただ、地域によっては中3の内申点は上がる可能性があります。2学期の定期テストは全力で取り組んで高得点を目指してください。

上記で出てきました「全国高校入試問題正解」の公立入試の平均点はデータで出していますので、ぜひ確認ください。なお、下旬までには新データを入れたものも含めて提供予定です。そちらまでお待ちください。ただ、非公表の4府県を除くとほぼ出そろいました。もう少しお待ちください。

■今年の高校入試は

さて、気になる2022年の入試ですが、おそらく従来形式に戻るとみています。ですが、その中には新課程内容のものも含まれるなどの関係で、平均点を大きく下げてしまう恐れもあります。
特に社会の平均点は2021年の全国平均58点(7/23現在のデータ)よりは下がると思います。そして、従来の全国平均56点くらいに落ち着くのでは、と思っています。理科も全国平均の53点くらいで落ちつくのでは、と思います。

ただ、社会の正答率が下がっているのは歴史になっています。歴史の復習を夏の間までに仕上げておくことで、9月以降の学習負担の軽減ともなります。つまり、この夏期の学習次第で9月以降の学習に影響が出ると思ってください。そして、これらの学習を作業で片付けようとしないでください。実践力が身につかなければ、模試などで成果が出ません。定期テストは予め範囲が決まっているので、めぼしは立てやすくなりますが、模試などでは広い範囲から絞らないといけないので、広範的な学習になるのは必然です。それを前日のみの学習で乗り切るのは困難です。

模試の前日くらいに学校や塾の先生が、該当範囲のプリントを配ってきだしたら要注意です。それは、事前に先生が問題などをチェックしてその出る部分のプリントをやらせて点数の底上げをしているのです。それは実力でも何でもありません。点数を取らせるんだ、という生徒思いの塾ほどやりがちなもので、実は実力アップにつながらない短期学習の推進をしているのです。ただ、最終チェックを行うには問題はありませんが、ドーピングとみられても仕方ないと思います。様々な形式の問題を解けなければいけません。それらの力を生かせられるように指導するのが先生の役割なのではないのでしょうか。

そして、2022年からの公立入試から変わる可能性も否定できません。よって、過去問演習・他府県演習などできることをしっかりとしていかないといけません。そして、2022年入試の情報も見逃さないようにしましょう。意外と入試のネタが詰まっていると思います。そのためには、用語説明型の問題、自由記述問題などの文章説明型の問題にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います



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中学社会・日本史講師吉野@予備校講師
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