高校入試一問一答集 2024年版
本日もよろしくお願いいたします。
入試もあと4ヶ月ほどとなり、そろそろ入試に向けての学習が始まります。
今回は昨年末に出しました一問一答集の最新版を出したいと思います。
昨年出した記事から変更点があったところを中心にまとめたいと思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。
※注意:この記事で特定の問題集の批判をするつもりはありません。あくまでも僕が手にとって率直に思ったことをまとめてます。
■以前のレビュー
こちらの記事は2023年末に出させていただいた記事です。こちらでは主要6冊の一問一答集のレビューと短評などをまとめました。
今回はここから変わった所とこれ以降に新刊になった2冊のレビューを行います。
■以前からの変更点
昨年末の記事からの変更ですが、使い方とオススメ、問題集ルートについては大きく変わりません。ただ、ロングセラーの1つである「高校入試一問一答集」(旺文社)についてはレビュー評価を大きく下げたいと思います。
まず、偏差値が45〜50の生徒が55以上まで最短で上げるならこの問題集を行うよりは「自由自在一問一答」(受験研究社)を行うほうがいいです。類似の塾教材を使用しても構いません(文理、好学出版など)。
これを勧める理由としては、ドリル形式でできる唯一の問題集であることです。つまり、自分の手で書くことができるという利点がこの問題集にはあります。
もし、メインを「高校入試一問一答」(旺文社)、「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」(かんき出版)などの持ち運びのいい本を使うときにも、小テスト感覚で使えるという利点があるので、使い勝手が非常にいいのです。
で、このあとに使う問題集は以前の記事では「高校入試一問一答」(旺文社)もしくは「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」(かんき出版)を勧めてましたが、昨今の入試傾向からすると「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」一択になると思います。
え、旺文社のどこがよくないの?という声が聞こえてきますが、コスパやタイパを求めるなら「高校入試一問一答」でもいいと思います。が、昨今の入試傾向では単純な一問一答で出題される問題が減少しています。旺文社などの一問一答集は単純な一問一答問題は対応ができますが、資料読解や正誤問題、短文記述や論述問題といった思考型の問題に対応がしにくいのです。
旺文社で土台を固めて問題集でやればいいやん、という方もいますが、それは間違いです。そのような勉強ができてるならすでに偏差値は55はいきます。でも、ほとんどの受験生はそんな学習はしません。コスパやタイパを求めてるなら尚更です。そのような受験生がやる学習とはさっと確認してそれで学習した気になっているのです。
つまり、昨今の一問一答集は使い方を間違えると近年の入試傾向に全く合わない学習となってしまいます(「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」は除く)。
どうしても旺文社の一問一答集で勉強したい方は、一問一答集の使い方・学習法を変えてください。問題→解答、という単純作業で終わらせるのではなく、解答→問題ができるかどうか、解答に関連する知識などを獲得する意識を持って取り組んでください。
間違っても塾の先生が勧めたから、友だちが使ってるから、という安易な理由だけで旺文社の一問一答集を選ばないでください!使い方を間違えるとどこかで頭打ちになります!
■高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本の変更点
「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」ですが、この本はこれからの入試に対応するために書いたものです。
つまり、今までの一問一答集で対応ができなかったところを紙面の許す限りまとめました。
中には「ここまでメシの種を明かしてもいいのか?」と言われましたが、それについては僕がそれ以上に解析すれば問題ないと判断してること、真のコスパやタイパに対応できるように出題形式などを可能な限りまとめました。加えて、記述問題などの形式にも使えるようにしています。
昨年12月に出させていただき、4ヶ月ほどで増刷が入りました。その時に考えたのは、「可能な範囲で最新入試に対応できるように小改訂を行う」というものです。
最初に多くの誤植を出してしまったことには購読いただいた方には申し訳ないです。
ここからの正誤表については、最新入試に対応できるように文言などを付け加える必要があるものを中心にまとめ直します。特に初版版を持たれてる方におきましては、必ず正誤表と照らし合わせてください。
また、入試ランクの変更もあります。こちらについては僕のnote内にある「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」というマガジンで記事を出してます。こちらで最新ランクを確認ください。
その関係で、この本を中古で買われた方においてはそれらの記事を確認しないと最新入試に対応できないというリスクがあります。それを承知の上で使用してください。
さらに、担当者様とお話しまして、毎年最新入試に合わせたトレンド問題も特典に付けることになります(正式にアナウンスが入りましたら公式Xなどでお知らせします)。つまり、最新入試に対応できるように増刷ごとに進化を続けています(大抵の問題集は増刷が入っても大きな変化はないことが多い)。
それらのことからもこれからの高校入試一問一答は「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」を中心に回ると思います。旺文社などの一問一答集で物足りない人、難関高校に合格をしたい方にとっては最良の問題集になると思います。
決して、自分が書いたから誇張してる、ということはありません。元々、そのような動きを想定してまとめたものです。
事実、現在の高校入試一問一答の売れ行きでも旺文社の一問一答に次いだ評価をいただいてます。
■新刊のレビューと短評
では、ここからは2024年に発刊された2冊の一問一答集をレビューしたいと思います。
①パーフェクト一問一答(受験研究社)
今年の5月に出ました受験研究社のパーフェクト一問一答ですが、こちらは詳しいレビューは記事にしてます。
利点としては「自由自在一問一答」と連動できる、という点です。そのため、このシリーズで学習している方にとってはスムーズに学習が進められると思います。二択問題では間違った方の解説もされていました。右下には資料などを使った記述問題なども掲載してました(ここだけ入試問題を使用)。
ただ、やってることがKADOKAWAの一問一答(伊藤賀一監修)の二番煎じになっていたのです。KADOKAWAよりは最新入試に対応してますが、やや物足りないと思います。また、歴史ではテーマ史の一問一答を入れてましたので、入試を意識したものになってると思いました。
この問題集を使って学習する場合は問題集が連動できることを強みに使用されるといいです。ただし、記述問題などには対応が難しいのは変わらないので、問題集や過去問などで対応は必要になります。
②一問一答をひとつひとつしっかりと(Gakken)
もうひとつ、10月に出ました「ひとつひとつしっかりと」シリーズの一問一答です。
こちらについてはロングセラーの「高校入試 ひとつひとつわかりやすく」シリーズで出されたもので、その本と連動して学習できる利点があります。五科版も出ています。
使い方としては「ひとつひとつわかりやすく」で学習→「一問一答をひとつひとつわかりやすく」で知識の確認→「絶対合格」などで演習、というサイクルで学習するといいと思います。
ただし、一問一答の解説は最小限なので、関連知識や記述式に対応が十分にできるとは考えにくいです。そのため、用語集などと併用しないと効果はあまりないな、と思いました。
また、この本はレベル的には土台作りのレベルなので、自由自在一問一答の次に行うべきものではなく、最初に行う問題集だと思いました。また、「ひとつひとつわかりやすく」の補助輪参考書を使っている人が問題の確認などを行う際にも使う問題集だと思いました。
Gakkenブランドの強さを存分に生かすなら、「ひとつひとつわかりやすく」シリーズですべて使用するのも悪くないと思います。その後の実戦問題演習で「絶対合格」を使うといいと思いました。
☆閑話休題
ちなみに、先日、市内の本屋でたまたまGakkenの関係者様がいらっしゃったのですが、学習法や新刊の批評などを話しました(評価してるものはしっかり評価してますが、忖度は一切してません)。そのときに、上記の学習サイクルを作ることができたら、と思い使い方などをアドバイスさせていただきました。
特に、「絶対合格」シリーズについてかなり肝いりだったものの、期待した売れ行きではなかったことを嘆かれてました。
僕はこの本は評価しており、ひとつひとつわかりやすくと連動してやると演習量不足は解消されるのでは、と思いました(ニューコースを併用してもOK)。
なお、2人に1人しか解けないも出してましたが、こちらについてはGakken様にしては攻めた本だな、と思いました。
■新刊2冊の評価は?
では、今年でた新刊2冊の評価ですが…
パーフェクト一問一答は使うなら旺文社、文英堂、KADOKAWA、Gakkenの中からの選択になると思います。受験研究社の「自由自在一問一答」と連動させて使うなら効果はあると思いますが、パーフェクト一問一答と同系統の問題集とは併用しないほうがいいです。
その後の問題集としたら同じ受験研究社から出ている「3STEP」や「自由自在問題集」を行ったうえで過去問演習をするのがいいでしょう。
※ここで「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」を比較検討から除外してますが、想定されるレベル、問題構成などがパーフェクト一問一答などと大きく異なるためあえてここでは比較対象から外してます。
一問一答をひとつひとつわかりやすくは「高校入試 ひとつひとつわかりやすく」と連動して使うなら効果はあると思います。ただし、想定レベルが偏差値50未満なので、自由自在一問一答とは併用しつつ活用するのがいいと思います。
この問題集を使うなら、「高校入試一問一答」(旺文社)との併用は悪手です。違いがあるとしたら、入試問題を使っているのか、使っていないのか、というところなので、想定レベルが近いため、同時併用はあまりお勧めできません。
仮に、この問題集の後に記述対策をする、少しレベルの高い問題集をするなら、「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」を使ってもいいとは思いますが、それをするなら、「ひとつひとつわかりやすく」シリーズ、絶対合格あたりをやり切ったほうがいいと思います。
■想定レベルと問題集タイプ
以上から、2024年版で想定されるレベル分別と問題集タイプをまとめてみました。
①想定レベル
偏差値50未満:「一問一答をひとつひとつわかりやすく」(Gakken)、「自由自在一問一答」(受験研究社)→塾用問題集もこれに該当する
偏差値50〜55:「高校入試一問一答」(旺文社)、「差がつく一問一答」(文英堂)、「中学社会の点数が面白いほどとれる一問一答」(KADOKAWA、笹原・西村共著)、「KEY POINT一問一答」(KADOKAWA、伊藤賀一監修)、「パーフェクト一問一答」(受験研究社)
偏差値55以上:「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」(かんき出版、吉野功記著)→偏差値50〜55でも使えるが、文章理解に抵抗がある人は少し難しいと思います
②問題集タイプ
ドリル形式:「自由自在一問一答」(受験研究社)→塾用問題集もこれに該当する
語句知識の確認:「高校入試一問一答」(旺文社)、「差がつく一問一答」(文英堂)、「中学社会の点数が面白いほどとれる一問一答」(KADOKAWA)、「一問一答をひとつひとつわかりやすく」(Gakken)
語句知識の確認(思考力もやや対応):「パーフェクト一問一答」(受験研究社)、「KEY POINT一問一答」(KADOKAWA)
語句知識の確認(記述式にも対応可):「高校入試 社会が一問一答でしっかりわかる本」(かんき出版)
購入の際に参考にしていただけると幸いです。大事なのは、実際に手にとって自分の目で確認することです。
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