入試前の仕上げ
本日もよろしくお願いいたします。
今日は久々に教育歳時記をまとめたいと思います。
今回は入試が近くなっていることで、入試前の仕上げをまとめていきたいと思います。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。
■入試1か月前の学習
入試1か月前に行うことといえば、過去問演習です。この時の過去問演習の目的は、「時間内に合格点をしっかりとること」です。つまり、何の目的もなく過去問演習を行うと、本来の目的を見失い、ただやっている作業になってしまいます。
あくまでも、合格点を取ることが目的なので、満点を狙うことを無理にしなくてもいいです。ただし、得意科目については高得点を取ることをめざしてもいいと思います。
どの形式で問題を落としているのか、どういった単元で失点しやすいかなどしっかりと確認してください。知識問題で失点している場合は土台問題集を周回してください。正誤問題で落としている場合は正誤問題の着眼点を今一度確認ください。また、歴史名辞などが内容に置き換えられている場合は語句と内容の関連性を意識してください。
その後、目標点や合格点に足りなかった場合、足りなかった原因を正しくつかむ必要があります。苦手分野で点数がとれていなければその分野の強化を今までやってきた問題集や参考書などで確認をしてください。
ここでやってはいけないことは、「新しい問題集や参考書に手を出す」ことです。例外的に行ってもいいのは、最後の仕上げに行う薄い問題集を行うことを指示されている場合です。それ以外では新しい問題集などを行う必要はありません。ただし、僕の場合は2週間でまとめるものであればこの限りではありません。ここで行う理想の問題集がスピードマスター(山川出版社)です。
吉野の日本史授業では苦手単元は難度別に問題を作って送ることもできますので、ピンポイントで演習を行って確認することができます。
そのときに問題の出され方、聞かれ方などにも注意してください。
■入試2週間前の学習
入試2週間前になると、新しい問題に手を出す必要はありません。過去問演習は引き続き行ってもいいと思いますが、ここでは1か月前よりも「時間内に合格点を確実に取る」ということを意識してください。
ここでは特に今までやったものを中心に復習・知識整理を行ってください。ここで新しいものに手を出しても中途半端に終わってしまうため、それなら、しっかりと知識の確認を行ってください。
で、ここでしっかりと仕上げてほしいのが一問一答集です。今回のおすすめの一問一答集は「日本史一問一答」(東進ブックス)かENGRAM(Gakken)あたりがいいと思います(「日本史一問一答」については基本編が近日中に出るとの話です)。もちろん、アプリで行うならアプリの一問一答集も悪くないと思います。ここでの目的は、ズバリ基本知識の確認です。一昔前なら山川出版社の一問一答が評価されていたが、僕はほとんど評価していません。今回の新版は多少良くなったみたいですが、僕はまだ評価はできないと思います。
同時進行で「時代と流れで覚える!日本史用語」(文英堂)で整理(「100テーマ」(駿台文庫)でも構いません)するのも一緒に行っておくと定着もできると思います。
もし、学校で「日本史10分間テスト」(山川出版社)、「重要語句CHECK LIST」(啓隆社)を使っている場合はそれを使うのもいいと思います。
なお、2025年度の受験生については吉野自作の流れ文演習を改訂して作成する予定です。オリジナルテキストにも準拠できるものにしていきたいと思います。これで復習なども対応できるようになると思います。オリジナルテキストも入試に合わせて改訂する方向です。
■入試1週間前の学習
この1週間前については苦手部分を中心に知識整理を行っておきましょう。過去問演習なども忘れないようにしましょう。ただし、2週間前よりは行う必要はありません。志望校以外で過去問演習が進んでいない場合に限りやっておくといいでしょう。
入試でよく出る内容・単元などの確認も忘れないようにしましょう。
気を付けておかないといけないことは、特定の科目以外のことも忘れないようにしましょう。つまり、他科目とのバランスもとっておきましょう。
あとは、周囲の変なプレッシャーに翻弄されないようにしましょう。
■入試ですべてが決まるわけではない
最後に、「入試ですべてが決まる」わけではありません。ですが、どこかの学校に合格すればいい、という気持ちで受験すると意外とうまくいきません。受ける以上は全ての学校に合格する!という気持ちで臨んでください。
また、入試で使わない科目が本命校で、他校で日本史などの選択科目を受験する場合、特に気を付けてください。知らないうちにその科目の学習優先度が下がる可能性があり、それが知らない間に他科目に影響を及ぼす恐れもあります。今一度やるべきことなどを確認しておきましょう。
あとは、最初に言われたことを初志貫徹守ってください。これだけでも大きく変わります。
■来年度受験する方へ
すでに入試に向けた動きは始めておくことを勧めます。ここで早期スタートすることが他科目の学習負担を軽減するのです。特に大学入試で総合型選抜や学校推薦型の入試を受ける方はもう受験は始まっている、と思っても過言ではありません。
9月からの2~3か月はそちらの入試に備える人が多いと思いますが、この時期ほど本来の学習も忘れないようにしましょう。特に社会系の科目はこの時期の積み重ねで点差がつくといっても過言ではありません。
高校入試の方は楽して合格できるほど甘くはありません。特に英語・数学は早い段階から土台を固めることで後々の学習負担が軽減できます。理科・社会も地理・歴史の学習を早期スタートすることでも後々の学習負担が軽減できます。
残り2・3か月学習すれば間に合う、ということはありません。何をするべきか、しっかりと今のうちから動いておきましょう。