オンライン授業を行う方へ 2024年版

本日もよろしくお願いいたします。
受験シーズンも一段落し、既に来シーズンの動きも本格的に始まります。
そんな中で2024年からオンライン授業で講師をされる方もいると思います。
本日はそんな方に向けた話をしたいと思います。以前にも話した内容はありますが、2024年版として見ていただけると幸いです。
最後までお付き合いよろしくお願いいたします。


■オンライン家庭教師を始めるために

オンライン家庭教師を始めるだけなら実は初期費用はあまりかからない、と思いがちですが、1から始めるなら意外と初期費用はかかります

①周辺機器

まず、必要なのは、パソコン(iPadでも可)、ネット環境です。最近はパソコンもそれなりに金額がかかります。安いパソコンもありますが、それでは動作環境の保証が取れない場合もあります。
YouTubeに動画投稿をするなら、カメラ、パソコンなどは性能が高くないといけません。そのため、そこだけでも初期費用はかかってしまいます。
人によっては、パソコンとは別にモニターを1つ使う方もいます(モニター単品だとそこまではかかりません)。
また、プリンターも必要になります。紙ベースでまとめたい方はこちらも必要になるでしょう。

Zoomで授業するなら、iPadが必須になります。確か、他のタブレットでは動作しなかったはずなので、多少予算がかかってもiPadにしたほうがいいです(Chrome Bookだったら大丈夫だったかもしれませんが、ご存じの方がいらっしゃいましたらご教授ください)。
これも、授業だけで使う場合は容量は気にしなくてもいいですが、プロクラスの講師は容量も気をつけたほうがいいです(動画編集をするならiPad Proで容量も1Tくらいは欲しいでしょう)。
もちろん、それに付随してApple Pencil、モニターに接続するならコネクターも必要です。また、iPadを使わない人は書画カメラ(書画カメラのスキャナーでも可)も必要です。

あと、部屋や手元、顔あたりを明るくするために、リングライトもあったほうがいいです。また、背景など気にする場合はグリーンシートも必要になります。
声にも気をかけるならヘッドホン、マイクなどもそれなりに費用がかかります。

初期だけでもこれだけかかります。

②授業をするために

周辺機器だけでもこれだけかかりますが、これに加えて、自分の受け持つ科目分の準備も必要になります。
まずは、教材です。これは市販教材なのか、学校採択用教材なのか、塾用教材なのか、で取り寄せなども変わってきます。市販本の場合、注意がいるのは絶版のときです。その場合はネットから取り寄せになると思います。
個人事業主でする場合は塾用教材は入手については問題ないですが、学校の非常勤講師でなければ学校用教材は入手は困難です(科目によっては購入できたとしても解答がつかないケースが多い)。
問題は業務委託でやってる場合です。その場合、本部に言わないと対応してくれないこともありますが、残念ながら対応ができないところもあります。その場合、個人事業主として登録した後に塾用教材を取り扱ってるところに相談するといいでしょう(学生講師の場合はそれも難しいので、要相談したほうがいいです)。

あと、高校入試なら「マナビ」(アート工房)、大学入試なら「Xam」を用意する必要はあります。早慶、MARCHや関関同立クラスなら「東進データベース」や「パスナビ」(旺文社)などありますが、中堅私立なら赤本もしくはXamクラスはないと厳しいと思います(ただし、学生講師の場合はそこまで用意しなくてもよい)。
僕も始めた当初はパスナビや東進データベースなどを使ってましたが、小テストなど演習をする場合はどうしてもXamがないと厳しいのです(明治大学はPDFだけなので、作成は少し面倒)。一問一答形式の小テストならそれでもいいのですが、実戦形式の小テストを作成するならかなりの労力を使います。

実際、2022年からは生徒一人ひとりに応じた教材などを作る時にXamは便利すぎました。2016年からのデータを揃えてますが、これのおかげで様々なニーズに応えることができ、実戦形式の演習不足に陥ることはなくなりました(ただし、一人ひとりに合わせた小テスト、補充問題などの選定は大変でしたが…)。
直前には大学や学部に応じた小テストや弱点補強プリントなど、生徒の最後の仕上げに困ることはほとんどなくなりました。

今年、最良の結果が出たのもこのような徹底した仕上げを行ったことだと思います。それに生徒も応えてくれて最後の逆転につながったのでは、と思います。

つまり、教材を揃えるだけでも予算はかかります。加えて、様々な準備がいるため、時間も予想よりもかかります。

■オンライン家庭教師をするときの最大の敵

さて、準備だけでもこれだけの時間と労力、費用を使います。
実は、オンライン家庭教師をする際に乗り越えなければならない最大の敵があります。

それは…著作権問題です

普通の家庭教師の場合はそこまで問題ではないのですが、オンライン家庭教師の場合、録画して使ってるところは特に注意がいります。ただ、教材を写し込むだけでもダメなところがあるくらいなので、そのあたりについては最新の注意を払ってください。

よく、「教材を買ってるから問題ないでしょ」という方がいますが、実はその感覚は非常に危険です
なぜなら、要点整理の文言、資料の写真、演習問題などにも著作権は発生してるからです(一部例外もありますが……)。
そう。オンライン家庭教師で使う際は、出版会社様に利用許諾を取らないといけないのです。写真などある場合は、その許諾も別途必要となります(確か、その写真を使うにしても用途が変われば別途許諾を取らないといけなかったと思います)。
そのため、要点整理などについては自分で二次創作しなければいけません(単にPDFファイルにして行うのはダメなところもあります)。つまり、これだけでも時間と労力がかかります。

国語は特に面倒で、出版会社様に許諾を取るだけでなく、版権元の著者にも許諾を取らないといけないのです
これが僕がオンライン家庭教師で国語の指導をかたくなに拒否している理由です

学生講師でオンライン家庭教師をされてる方は気をつけないといけませんが、委託業務の場合は一度本部に相談されるといいです。

こちらについては、僕の記事でも掲載していますので、そちらも併せて確認してください。

■総合型選抜対策もいる?

さて、現在の大きな問題があるのが、総合型選抜、学校推薦型入試が増えてきたことで、小論文やそれに対応した問題、志望動機などの記述指導が必要となります。
先日のただよびの動画でも、総合型選抜入試で入試をされてる方が多くなり、一般入試での受験生が減少しています。
そのため、そのような指導にも対応していかないといけない可能性も出ています。なので、近年の傾向からしたら、総合型選抜対策も必要になるのは必定だと思います

が、僕の場合はその指導をするなら中入試社会に対応できる方がいいと判断してます。その関係で、2024年からは中入試社会に対応できるように指導範囲を広げていきます。もちろん、依頼などございましたら御用命ください。
まあ、単純にいうと、小論文指導ができる先生でないと基本的には総合型選抜対策は難しいと思うからです。頑張ればできるようになるとは思いますが、それは少し違う気がしています。
あとは、ちょっとした研修を受けただけで総合型選抜対策の指導ができるとは思えない(生徒もそのような指導を受けようとは思わないはず)ので、領域に合わない指導依頼はあまり受けないようにしています。

■これからはオンライン授業が主流になる

本来、この記事は4月くらいに出さないといけなかったのですが、いろいろと動いていた関係で、この時期までずれ込みましたが、今後の学習ではオンライン授業が主流になるのは間違いないと思います。下手な個別指導塾では完全に淘汰される恐れはあると思います
著作権問題という課題に立ち向かわないといけないのですが、今後のオンライン授業に向けていろいろと学ばなければいけません。短絡的に進出しても失敗するだけだと思います。
僕もオンライン授業を行って5年になりますが、自分なりに回答は出せているかな、と思っています。もちろん、これから新しいルールも出てくると思いますので、それに対応していきながら進めていきたいと思います。

★オンライン授業を行う先生へ

オンライン授業を行うときに非常に参考になるのが、大久保にある第一教科書です。ここには教科書検定に合格した全教科書が売られているだけでなく、一部の塾教材も販売しています。加えて、図表や資料集なども販売しています(ただし、学校版についてるような付属資料や解答は入っていません)。
塾教材としては、小中学では文理・好学出版・都麦出版・受験研究社・育伸社の教材が置いています(ワークもあり)。あと、高校では西北出版もおいています。非常に参考になる教材も多いです。僕も東京出張をするときには必ずここに寄ります。
あとは全国にある教科書販売店も利用してください(「教科書販売 ○○(地名)」で検索すると出てきます)。遠方の方は広島教販を使うといいでしょう。Webでも取り扱ってくれます。
個人で行う際には、各出版会社(仲介会社でもいいです)に問い合わせて使用許諾を取るようにしてください。使用用途・目的などをしっかりといえば対応してくれるところもあると思います。

間違っても、教科書類はAmazonなどで購入しないでください。新品の場合、検定価格の2倍弱は取られますので、販売店(大きい本屋ならそのまま販売しているときもあります。代表的なところは池袋の三省堂書店があります)などを活用してください。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。