2020年公立入試を解いてみて2 埼玉県

今週から公立入試が本格的に始まります。受験生の皆様は最後までベストを尽くして頑張ってください。

今日は再び公立入試を解いた概観を話したいと思います。この概観を話したのち、その後の入試で的中したものもあります。今回は埼玉県を考察します。
無料公開です。よろしくお願いいたします。

埼玉県を解いた概観

埼玉県を解いた率直な感想ですが、やや易に近いと思いました。しかし、全体的には例年並みと見ていいと思います。
大問1は世界地理を中心とした総合問題です。点差が分かれるのは問4と問5です。問4は砂漠気候の特徴がわかれば簡単です。問5は資料読解ですが、神奈川県同様、割合に騙されないようにしてください。オは貿易赤字の周辺知識がわかれば簡単です。ここで点差が分かれるため、上位校ではミスしないようにしないといけません。

大問2は日本地理です。主に東日本を題材にしてます。問3は扇状地の基本問題です。扇状地だと果樹園と関連できれば簡単です。問4は少し悩みますが、埼玉県は近郊農業の関係で野菜が多い、と判定、石川県は水田単作地帯のため米の割合が高い、長野県は果物の上位が多い、などから判定ができると思います。問5は正確な判断をすることができれば難しくないです。ただ、解答が3つあるとなると疑いたくなりそうですが、そのような主観を入れないでください。書いてある選択肢と正しく照合してください。

大問3は前近代の歴史です。注目は問3と問5です。問3は世界史の正誤問題が出てますが、ローマ帝国の分裂はほとんどの教科書で触れることはないですが、移行措置では指導される内容になります。なので、今の中2生はこの世界史の知識も押さえてください。問題は問5です。これはなにも考えずに答えると引っ掛かります。なぜなら、参勤交代は法律名ではなく、法律の中に記載された内容です。なので、法律の名称を答えなさいで参勤交代と答えると誤答になります。大名の基準はそこまで難しくないため、このようなミスは致命傷になりかねません(完答のため)。

大問4は近現代の歴史です。ここでの注意点は問4です。戦争中から独立までの時代の様子です。この問題は消去法で攻めるのがいいです。民法改正は1890年と戦後とありますが、男女の本質的平等から戦後と判定できます。イとウは判定できますが、ウは1940年のできごとなのでギリギリ外れます。ここは気を付けてください。エは保留にしてもいいですが、小作争議は大正から昭和初期の話です。そこから外すこともできます。別に日本農民組合の時期がわからなくても問題ありません。

大問5は公民総合です。特に問2は難しい判断を迫られます。問5は点差が分かれます。問2ですが、特に微妙な判定をしないといけないのがウとオです。いつもなら消去法が使えますが、この問題は正しいものを全て選ぶ問題なので、この手は残念ながら使えません。アとイとエはすぐに判定できます(なお、エは今年の千葉県の公立入試でも出ました)。問題はウとオです。全ての刑事裁判に参加、の部分が×で、重大な事件に限るため、ここで×になります。オですが、法律の憲法違反の審査権限は全ての裁判所で行うことができますが、最終判断をするのが最高裁判所です(ここから憲法の番人と言われてます)。実例でいくなら、一票の格差の判断は地方裁から行われてます。実は家庭裁判所や簡易裁判所も法律の憲法違反を審査することもあります。覚えてない方は最後の最後に押さえ直してください。
問5の銀行の銀行の説明は押さえきれてなければ書けないです。再チェックしましょう。問6ですが、前回のnoteでワークライフバランスの話を出してたらすぐに出題されました。前回のnoteをご覧になられた方は容易に正解が出せたと思います。
問8は時事問題です。これはパリ協定の話がわかるかどうかだけです。知らない方はググるなどしてチェックしてください(環境問題のテーマで押さえるといいでしょう)。

大問6は長崎の世界遺産を題材とした3分野総合問題です。
問2ですが、何と僕がCAMEL様に提供してる問題からほぼ的中してました(航路についての選択肢は完全に同じでした)
問3は日露外交史の動画でも解説してます。問5は地方税絡みの地方交付税交付金の記述問題は定番問題です。過去にも他府県の記述問題でも出ています。

次年度に受験を控えてる方へ

では、来年度、受験を控えてる現中2生にむけて、何をしたらいいかですが、まずは、地理・歴史の土台がためをしっかりしてください。模試に対しては、問題慣れをするためにたくさんの問題を解いてください。これは社会に限らず、英数などの他の科目も同様です
それよりも大事なのは、今の学校の授業進度を優先して定着させてください(定期テストに関わり、成績に影響を及ぼします)。
そのため、学習時間の確保をしてください。

受験までは一年はありませんが、残り10か月でどこまでできるか、です。学習計画とゴールからの逆算をしっかりイメージしてください。

受験生でまだ公立入試まで時間のある方は、少しでもこの情報をもとに最後の仕上げをしましょう。

皆様のサポート、よろしくお願いいたします。