ニューヨーク単独ライブ「そろそろ、」感想
ニューヨークさんの2024年の単独ライブ「そろそろ、」の感想です。
めっちゃ恥ずかしいことも書いていますので、芸人というよりはニューヨークさんのファンとしての投稿だと思ってください。
今年も最高でした。現時点で一番好きな単独です。
賞レース不出場を表明してからのニューヨークさんの単独は新鮮さと深みが同居していて一種の凄みを感じるのですが、今回は特にそれが顕著でした。
漫才が3本ともめちゃくちゃ好みで、特に最初の漫才が一番笑いました。
コントは最後のネタがとっても刺さりました。これまでの人生で何人か出会って来た、まともなようで欠落している会社員達を重ねました。終わり方も最高。
人生で初めての楽屋挨拶にも行かせていただきました。
楽屋挨拶に行っていいのかどうか迷った末に、ビビってシンくんと帰ろうとしていた所で
バッタリお会いした小虎のりょうさんが「楽屋行く?」と誘ってくれました。
本当に恩人です。お礼に今度ニューヨークさんについて教えてあげたいと思います。
Xに投稿した通り、1本目のコントの屋敷さんの役名「コウキ」は僕の芸名から取ってもらったそうです。
楽屋でその話を伺って、僕が「ヤバすぎます!」と興奮していると屋敷さんは「何もヤバないよ」と仰っていました。が、ヤバすぎます。嬉しすぎ。
その横で嶋佐さんとシンくんは投資の話をしていました。
千秋楽の終わりでは、屋敷軍団で楽屋挨拶をしようと事前に話していました。
屋敷軍団オーディションで知り合った透明ライトミドルの日高くんがいたので、僕が「楽屋行く?」と誘いました。
屋敷軍団ごと、閉館時間の関係で楽屋挨拶お断りいただきました。恩人なれず。
差し入れは何がいいのかAマッソのむらきゃみさんと相談して、カットフルーツを持って行きました。
会場で小賀さんにお渡ししたところ「これは屋敷さん宛ですね?」と笑顔で聞いてくれました。粋で素敵でした。
長年同じ芸人さんの単独ライブを見ていると、どこかで自分の好みと離れていってしまう事も多いと思います。
実際僕は毎年たくさんの単独ライブを見るのですが、一番好きな単独ライブが毎年更新されていく芸人さんは多くありません。
僕の中ではニューヨークさんが、そんな芸人さんの筆頭です。
他の芸人さんや過去のニューヨークさんと設定・見せ方が一切被らなくて、斬新さを長年保ち続けているのがその理由な気がします。
何故そんなとんでも無いことができるのか考えてみたのですが、ニューヨークさんの先見の明みたいなものが肝なのかな、と感じました。
世間の人が抱く違和感、それに基づく嫌悪感や好感。
そういった感覚にニューヨークさんは世間より1ー2年早く気がつき、それをネタに落とし込み続けていると思います。
分かりやすい例が今から10年前、2014年の単独ライブで披露された「フラッシュモブ」。2014年においてフラッシュモブはまだ今のようにイジられる対象ではなく、むしろ好意的に紹介される事が多かった中での痛切なフラッシュモブイジり。
コントの後半では「フラッシュモブを喜ぶ人」「フラッシュモブを企画する人」「フラッシュモブを仕事にする人」にまでイジりを広げる手腕を見せ、他の大勢の芸人さんがフラッシュモブをネタし始める1−2年前、既にニューヨークさんはフラッシュモブを切り終わっていました。
2013年の「自衛隊の休日」も2015年の「曲作り」も、その当時「そんなイジり方あるの!?」と驚きながら笑ったし、数年後に他の芸人さんが似たようなイジリを始めた時、既にニューヨークさんはまた全く別の視点のネタを見つけていました。
それを繰り返してきたお二人の単独だから、今年も見たことが無い新しい切り口のボケやツッコミが飛んでくる。
二人のネタで笑うことで、時代の少し先を自分も一緒に見据えていられるような感覚になる。
二人のセンスや見え方を共有してもらうことで、自分もイケてる感覚になる。
だからニューヨークさんのネタってカッコいいし、時代性があるネタだからこそ、そのタイミングでの最新単独ライブが一番好きになってしまうのだと思います。
付け加えると、ネタの見せ方の幅がめちゃくちゃ広い事もニューヨークさんの魅力だと思います。
一度ニューヨークさんのネタのタイトルを、横軸をシニカルとバカ、縦軸をコントと漫才でマッピングしてみた事があります。ホワイトボードが綺麗に均等に埋まりました。
バリュエーションの豊かさについてちゃんと考えてみると、ニューヨークさんはトップレベルなのでは無いでしょうか。
上記の新しい切り口のネタを、更に新しい見せ方で届けてくれる。
今回の単独においても全ネタ見せ方が多種多様で、何とも似ていなくて、だからこそずっと楽しい気持ちでワクワクしながら2時間を過ごせたのだと思います。
いつまでも続いて欲しいですし、更にどう進化して行くのか本当に楽しみです。
僕ももっと面白くなって、もっと一緒に仕事できるようにがんばります。
ニューヨークさん、本当に有難うございました!
(会場限定Tシャツのサイズが売り切れてたので、後日買えるとめちゃくちゃ嬉しいです…)